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地方の女性がPCスキル研修を受けるための意外と知られていないハードルは、「パソコン貸出」

特定非営利活動法人ウィメンズアイ

地域女性が希望する仕事や働き方の実現に向けたスタートラインに立つために


写真:デジタルカレッジUPに参加した30名の地域女性(2024年5月26日~9月1日に気仙沼市で実施)、NPO法人ウィメンズアイ

地方の女性がPCスキルを身につけるには、2つのハードルがあります。1つ目は研修を受けるハードル、2つ目は研修を継続するハードルです。今春から夏にかけて気仙沼市で実施された3ヶ月の地域女性向けPCスキル研修「デジタルカレッジUP」(以後、デジカレという)実施報告書のデータは、それらを浮き彫りにしました。デジカレで提供したサポートのうち、良かったと受講生からの回答が多かったものは、「金銭的負担が少なく参加しやすい受講料」、「Wi-Fi環境のある学習場所」、「パソコンの無料貸出し」です。これらは、昨年、気仙沼市の18歳から49歳の女性7082人を対象とした全票調査「気仙沼市で暮らす女性の仕事・生活・デジタルスキルに関する調査」(2023年, n=1445)(以後、気仙沼デジタル調査という)が示すPCスキル研修を受ける上でのハードルと合致しています。

出典:「デジタルカレッジUP第1期実施報告書」(修了アンケート実施時期:2024年9月13日~2024年9月29日、回収人数:29名)

その中でも、地域女性向けのPCスキル研修を開催する上で見落とされがちなのが、「パソコンの無料貸出し」です。デジカレ第1期では、受講生の53.3%がパソコンの無料貸出しを利用しました。気仙沼デジタル調査でも、「自分のパソコンを所有しており自由に使用することができる」と回答したのは1,445人中で46.9%と半数以下にとどまっており、半数以上の地域女性は「パソコンの無料貸出し」がなければ、研修に参加するというスタートラインに立つことも難しい状況です。


写真:企業から寄付を受けたレンタルパソコンを使って研修を受けるデジカレ受講生、NPO法人ウィメンズアイ

デジカレを主催したNPO法人ウィメンズアイは、PCスキル研修の実施にあたり、企業から中古ノートパソコンを寄付してもらい、Microsoft Officeとセキュリティソフトをインストールし、マウス、PCバッグ一式を揃えて希望者に3ヶ月間の無料貸出しを行いました。中古パソコンを寄付してくれた企業にとっても、リサイクル法に則り廃棄されるはずであったこれら中古パソコンを地域女性のデジタルスキルアップのために提供し活用されたのは初めての試みでした。

NPO法人ウィメンズアイについて
NPO法人ウィメンズアイは、東日本大震災を機に宮城県北の三陸沿岸で活動を始めた市民団体です。地域女性のエンパワーメントを目的に2011年から千回以上の講座を開催し、のべ1万人を超える東北地方の女性がこれまで参加してきました。2011年の東日本大震災後、多くの若い女性たちが地域の課題に取り組みましたが、特に被災地における課題は困難であり、問題が山積しています。そんな東北の地域のために活躍している女性たちが力をつけ、自らの人生を自ら選択して自分らしく生きられるよう、私たちは活動を継続しています。現在も企業や自治体とともに社会課題に対応するための仕組み作りをサステナビリティの観点から行っていますが、社会課題に取り組むNPO、企業、自治体とのパートナーシップは今後ますます重要になると考えています。

<本件に関するお問い合わせ先>
特定非営利活動法人ウィメンズアイ(石本、米倉)
E-mail: info@womenseye.net
電話 :0226-25-9517
〒988-0474 宮城県本吉郡南三陸町歌津字田表35-1

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