株式会社ラッシュジャパン
~ 世界中の活動に総額33万ポンド(約4,950 万円) を助成~
動物を使用しない毒性学の研究開発分野で世界最大規模、また動物実験代替法を推進し、1R※にフォーカスする唯一の賞であるLush Prize(ラッシュプライズ)。
設立7年目となった『Lush Prize 2018』の「若手研究者部門アジア」部門で、日本人の年本 広太氏(国立研究開発法人理化学研究所 所属)が受賞しました。
『Lush Prize 2018』の「若手研究者部門アジア」受賞者、年本広太氏
本件に関するリリースはこちらから
https://prtimes.jp/a/?f=d6160-20181119-7561.pdf
Lush Prizeは、2012年、英国を拠点とし世界48の国と地域で展開する化粧品ブランドLUSH(ラッシュ)と、英国の消費者団体であるエシカルコンシューマー・リサーチアソシエーション(Ethical Consumer Research Association)が共同で設立した、動物実験に頼らない研究開発支援や動物実験の廃止に向けた活動を推進することを目的とした賞です。これまでに、合計213万ポンド(約3億1950万円)が助成されてきました。
Lush Prizeの5つある部門のうち「若手研究者部門」において、2016年から新設された、日本を含むアジア地域を対象とした「若手研究者部門アジア」にて、日本人を含む合計3名が受賞し、各受賞者につき1万ポンド(約150万円※)が、11月16日(金)、ベルリンで開催された授賞式にて授与されました。
なお、「Lush Prize 2018」は、「サイエンス」「トレーニング」「世論喚起」「ロビー活動」「若手研究者」の5つの部門で構成されています。今年の受賞者は合計10カ国、18の研究者や活動家、団体が選出され、総額33万ポンド(約4,950万円)が授与されました。
【若手研究者部門アジアについて】
「若手研究者部門アジア」は、動物実験に頼らない代替法開発、及び研究を行う35歳以下の研究者を対象に一昨年新設した部門賞です。
本部門を設けることで、動物を犠牲にしない、科学の進化をベースにした研究開発に従事する若手研究者たちを援助することができます。これまで毒物学の分野においては、動物実験を軸に研究が進められていましたが、動物実験が非倫理的である事に加え、化学物質が人間に与える影響を予測する方法としては正確性に欠けることから、研究者は科学技術の進化に向けて日々チャレンジしています。また、動物を使用しない実験に取り組もうとする研究員たちの予算は限られているのが現状です。同賞は今年3名の研究者にそれぞれ1万ポンドが授与され、各人の研究支援につながります。
なお、『Lush Prize 2018』若手研究者部門アジアにおける日本人受賞者は以下の通りです。
◆年本 広太氏 /
国立研究開発法人理化学研究所
科技ハブ産連本部 バトンゾーン研究推進プログラム 杉山特別研究室 特別研究員
「薬物の主要消失メカニズムを予測するin silico手法の開発」
研究概要について
体内に吸収された薬物の解毒(代謝)・排泄のメカニズム(クリアランス経路)は薬物ごとに異なり、ある特定のクリアランス経路を有する薬物は他の薬物との飲み合わせによる影響が出やすいといった問題点があります。
そのため、医薬品開発の初期段階における候補化合物の探索段階においてクリアランス経路を特定することができれば、不都合な化合物の排除やより適切な候補化合物の選択が可能となります。
また、クリアランス経路の特定には、現状では種々の実験や動物試験が実施されていますが、厳密な特定を実施するためには時間的コストが大きいことが問題点です。
本研究は、機械学習の技術を用いて化合物の化学構造のみから化合物の主要なクスアランス経路を予測することができるin silico手法の開発を目的としています。
年本 広太氏コメント
「本研究は、医薬品開発の初期段階において化合物のクリアランス経路を予測することにより、医薬品開発者の意思決定を支援することを目的としています。今回の受賞を励みに、本予測の性能評価および精度向上を引き続き行っていくことで、実際の医薬品開発現場で使用して頂けるような予測システムの確立を目指します。」
*若手研究者部門アジアを受賞した年本氏の授賞式の写真、またインタビューなどのご要望は、弊社までお問い合わせをいただけますと幸いです。
『Lush Prize 2018』主な受賞内容について
『Lush Prize 2018』における、代表的な受賞者及び受賞内容を以下にご紹介します。
◆サイエンス部門
瞬きをする目の生態機能チップ。ペンシルベニア大学の生物工学部でウィルフファミリータームアシスタントプロフェッサーの職にある、韓国系アメリカ人のバイオエンジニア(生物工学者)であるダン・ドングン・ハが開発。
◆若手研究者部門
動物実験をシリコンチップで代替した、オランダの
ニコラス・ガイオ氏
◆若手研究者部門アジア
粒子状物質の健康効果に対する新実験をした、
台湾のグウァン・ユ・チェン博士
◆ロビー活動部門
科学教育における動物実験を終わらせる、ヒューメインエジュケーションフォーブラジリアンネットワーク(人道的教育のためのブラジル国内ネットワーク)
そのた、受賞者に関する情報は下記サイトよりアーティクルをご覧ください。
https://jn.lush.com/article/fighting-animal-testing-lush-prize-2018-0
※ 換算レート: 1ポンド150円
※ 1Rとは: 動物実験の基準についての理念として3R(「Replacement(代替)」「Reduction(削減)」「Refinement(改善)」)が掲げられており、Lush Prizeでは、動物を使用しない実験方法への転換を意味する「Replacement」のみを評価しています。
『Lush Prize 2018』受賞者一覧
『Lush Prize』部門紹介
<参考>
毎年、世界中で約1億1500万もの動物が、残酷で時代遅れな化粧品のための安全性試験に苦しめられ、犠牲になっています。使用される一般的な動物は、ウサギ、モルモット、マウスやラットなど。化粧品開発の動物実験では、化学物質を点眼したり、毛を剃った皮膚に化学物質を塗りこんだり、致死量にも相当するほどの大量の化学物質を経口投与したりするのです。これらの試験の多くは、動物実験が法的要件とされる中国で行われています。中国では、ほとんどの美容製品において動物実験が行われ続けているのです。ラッシュが考える、原材料や完成した商品の安全性を確認するための最も効果的で人道的な方法は、動物を使わない最先端の安全性試験とボランティアの人達による討論会です。ラッシュは、商品や成分についての動物実験を一切行いません。第三者に動物実験を委託するサプライヤーとも関与しません。いかなる理由においても動物実験を行っているサプライヤーからは原材料を購入しない、それがラッシュの徹底したポリシーです。
「Lush Prize」とは
「Lush Prize」は、ラッシュと英国の消費者団体エシカル・コンシューマー・リサーチアソシエーションが、2012年に共同で創設。動物を使用しない毒性学を推奨し、動物実験の廃止を目指して非人道的でない研究、世論喚起、ロビー活動を行う個人、または団体の活動を称えることを目的としています。毎年、受賞者への賞金は年間最大総額25万ポンドが授与され、動物を使用しない実験分野では世界最大規模、動物実験代替法を推進し、1Rにフォーカスする唯一の賞です。「Lush Prize」は、金銭的支援にとどまらず、受賞者の研究や活動の評価や評判を高めるほか、より優れた、最適な代替法に完全移行するために誰もが協力しあう必要性を、政府や科学者、市民に対して伝える機会となっています。
世界中の個人、団体、または組織がノミネートされた最終候補者リストから、研究者、学術関係者、活動家及びラッシュのスタッフから構成される独立した審査委員会の審査により選出されています。
審査委員会のメンバー
https://lushprize.org/2018-prize/2018-judges/
過去の受賞者の詳細情報は、下記公式サイトでご覧いただけます。
Lush Prizeの公式サイトは、日本語、中国語、韓国語、スペイン語など11カ国語に対応しています。
https://lushprize.org/ja/
ラッシュについて
LUSH(ラッシュ)/英国生まれのフレッシュハンドメイドコスメブランド。LUSHは、創立以来、新鮮さとオーガニックにこだわった、採れたてのフルーツや野菜、香り高いエッセンシャルオイルを使い、一つひとつ手作りしています。また、原材料は地産地消にこだわり、可能な限り国内で入手し、全ての製品をキッチン(神奈川県の製造工場)で生産し、フレッシュな状態でお客様に商品をお届けしています。
ラッシュは、人・動物・環境に配慮したビジネスを展開しています。化粧品の動物実験廃止や、容器のリサイクルはもちろん、ゴミをゼロに近づけるためにプラスティック容器や包装を必要としない固形商品の開発など、化粧品業界の従来の既成概念に囚われない様々な挑戦に挑み、ビジネスを通して社会に存在する様々な課題の根本解決を目指した持続的な取り組みを推進しています。( www.lush.co.jp )
また、ラッシュの動物実験に終止符を打つための様々な活動については、下記アーティクルをご覧ください。
https://jn.lush.com/tag/lush-prize-0