パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会
パルミジャーノ・レッジャーノ チーズ協会主催：茶の湯の道とものづくりの心を結ぶ特別イベント
ジャパンコンセプトの公式ロゴ入り屏風の前で挨拶をする、稲木ジョージ氏（左）、味岡宗靖氏（右）
パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会（CFPR：イタリア、レッジョ・エミリア市）は、2025年11月28日、東京都内の茶室にて、パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会主催による特別茶会を開催。「茶の湯の道」と「ものづくりの心」の共通性に着目し、日本の伝統文化とパルミジャーノ・レッジャーノ精神を結ぶPRコンセプト“パルミジャーノ・レッジャーノ 道”をミラモアジュエリー創設者・金継ぎ哲学者の稲木ジョージ氏を正客、茶道裏千家養和会代表の味岡宗靖氏を亭主として行われた茶会中の対話を通じ紹介しました。ゲストには映画プロデューサーMEGUMI さん、タレントの安田美沙子さん、女優の中田くるみさん、MARIUS葉さんなど、文化意識の高い著名人の方々にお集まりいただきました。
パルミジャーノ・レッジャーノ道の屏風前、ゲストの映画プロデューサー MEGUMI さん（右）と女優 中田くるみさん（左）
ゲストのタレント 安田美沙子さんとFOOD DESIGNER 和田彩加さん
パルミジャーノ・レッジャーノ道の屏風前、稲木ジョージ氏（左）、マリウス葉氏（中央）と味岡宗靖氏（右）
≪イベント概要≫
日時：2025年11月28日
場所：東京都内茶室
モデレーター：ジョージ稲木氏（ミラモアジュエリー創立者・金継ぎ哲学者）
ゲスト講師：味岡宗靖氏（茶道裏千家養和会代表）
テーマ：「茶の湯の道・ものづくりの心、パルミジャーノ・レッジャーノ道への繋がり」
≪イベント内容≫
茶会
・千利休の末裔、味岡宗靖先生を亭主とする茶会
・青山老舗和菓子店「紅谷」とのコラボで、パルミジャーノ・レッジャーノを使った和菓子を提供
・茶道の精神「和敬清寂」「一期一会」を体感
チーズ・テイスティング
・パルミジャーノ・レッジャーノの24ヶ月熟成チーズのテイスティング
・生産者のこだわりや歴史的背景を学びながら味わう
・原産地呼称保護制度（PDO）に基づき、北イタリアの限られた地域で伝統的製法を守るチーズの魅力を体験
パルミジャーノ・レッジャーノチーズ24ヶ月熟成のテイスティング
スペシャル・トーク（会話形式）
ジョージ稲木氏と味岡宗靖氏による対話を通して、茶道とパルミジャーノ・レッジャーノに共通する「道」の精神を探求
茶会中、亭主、味岡宗靖氏（左）の話を聞く 正客、稲木ジョージ氏（中央）MEGUMIさん（右）
パルミジャーノ・レッジャーノと日本の茶道に共通する“道”の精神
稲木氏：「パルミジャーノ・レッジャーノは、北イタリアの限られた産地で、熟練の職人によって作られています。原産地呼称保護制度（DOP）により定められた厳しい審査を経て、高品質なチーズとして受け継がれています。より良いものを追求し、約1000年もの間、製法が守られているというところに自分は共鳴を受けました」
味岡氏：「『道』という精神思想は中国の道教に端を発し、日本に伝わりました。自己を磨きながら修練を積み、自分の人生をより良くするという考え方です。剣道であれば、技そのものではなく生き方を模索し追求することが目的です。桃山時代に『茶の湯』として成立したこの文化も、『茶の湯の道』として自己と互いを高め合い、哲学性や精神性を深める考え方があります。こうした精神は、パルミジャーノ・レッジャーノにも通じているように思います。限定された地域で指定された牧草飼料で乳牛を育て、搾りたての乳を2時間以内に工場へ運んでチーズに加工するなどの厳しい規定に従い、職人たちは品質を守り続けていると聞きます。ブランドを守るための長い歴史と工夫がその根底にあるのだと思います」
おもてなしと茶の湯、一座建立の精神
稲木氏：「パルミジャーノ・レッジャーノと茶の湯は、異なる国や文化で生まれましたが、どちらも長い歴史で磨かれ、技と鍛錬が込められています。先生が大切にされる『人を思いやるもてなしの心』が、両者に宿っていると感じました。今回の茶会でそれに触れられたことは、とても印象深かったです」
味岡氏：「イタリアではパルミジャーノ・レッジャーノ・チーズを大切な人に贈る習慣があるそうです。一緒に食べたり飲んだりする行為を通して互いの距離を縮め、心を開くことが大切です。初めて顔を合わせる方々も、互いに『お先に』『どうぞ』という気持ちを示しあうことで、一つの場で皆が一緒になる感覚が生まれます。この心の表現は茶道のめざすところであると考えますが、大切なものをシェアする考えはイタリアも同様だと思います」
本日のお茶会では『和敬清寂』をテーマにしました。『和』は心を開いてみんな仲良く、『敬』は自然やお互いを敬う心、『清』は己を省みる清らかさ、『寂』は何事にも動じない境地を意味します。この利休居士の理念を日常に活かして、よりよい人生になるよう研鑽を積むことが茶道の目指すところです。
又、今回は、パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズをテーマに、イタリアと牛にちなんだ取り合わせで茶会の道具を選びました。茶道を通じて日本のさまざまな文化を深く掘り下げていくと、実は中国やインド、中東やヨーロッパから渡来して影響を受けて独自に発展したものが少なくないことに気づかされます。こうした探求は非常に興味深く、さまざまなものに興味を持ち、自分なりに学びを深めていくことが大切です。パルミジャーノ・レッジャーノ 道というコンセプトはとても斬新でしたが、こうしてお声掛け頂いたことで、新しい未知との出会いが生まれて、それが文化となっていくかもしれません。それもまた、ひとつの道でしょうか。」
青山紅谷の菓子について
青山に根づく創業100年の老舗、青山紅谷。家族で代々受け継いできた伝統の技とこだわりを大切に、お菓子作りを続けている。今回のパルミジャーノ・レッジャーノ・チーズを使った菓子『得牛』は、羽二重餅にチーズを練り込み、通常より卵白を抑えることでチーズと餅がなめらかに融合。最初にチーズの塩味を感じさせ、粒餡の甘味を引き立てながら、最後にチーズの風味と旨みが広がるように仕上げてられている。禅宗の「十牛図」から命銘。
青山「紅谷」のパルミジャーノ・レッジャーノ羽二重餅
≪イベントのハイライト≫
・千利休の言葉「和敬清寂」と、禅の「円相」をテーマに自己研鑽と他者をおもいやる精神を紹介。
・職人や生産者が技術を極め、感謝と敬意を込めて製品を作る姿勢と茶人のもてなしの姿勢を重ね合わせたコンセプトを体感。
・チーズの熟成や原材料へのこだわり、歴史的背景を参加者が五感で体験。
茶道とパルミジャーノ・レッジャーノに共通する「道」について会話が広がった
≪プロフィール≫
ジョージ稲木氏
ミラモア創設者で金継ぎ哲学者のジョージ・稲木は、2019年にブランド「ミラモア」を設立。「壊れているのではなく、継がれている」という哲学を核にファインジュエリーを制作。スペイン系フィリピン人と日本人の血を引き、2014年の渡米経験を通じて日本文化と職人精神の奥深さを再認識。幼少期の逆境から金継ぎの哲学に共感し、侘び寂びや金継ぎの美学をジュエリーや彫刻、生け花などの創作活動に反映。日本の職人技と金継ぎの本質を世界に広め、人生の不完全さの美を称賛するユニバーサルフィロソフィーを提唱。
味岡宗靖氏
茶道裏千家今日庵 教授。
裏千家第十四代家元の長女として生まれた塩月弥栄子を祖母に持つ。雑誌編集者や広告プロデュース職を経て、2011年に表参道交差点付近の茶道教室「養和会」を法人化し現職。各種媒体への撮影協力、企業団体向け講習、訪日客や海外での茶道デモンストレーションなどを通じ、千利休の末裔として国内外に茶道の理念を普及。
≪パルミジャーノ・レッジャーノ チーズ協会（CFPR）≫
1934年に設立された、生産者291の乳業組合（デイリー）から構成される保護団体。指定地域の酪農家から集めた生乳のみを使用し、すべての生産はPDO（原産地名称保護制度）の規定に則って行われる。同協会は、パルミジャーノ・レッジャーノの品質保護、ブランド価値の向上、そして世界的な理解促進に取り組んでいる。＊
≪パルミジャーノ・レッジャーノ≫
約1,000年前に修道士が考案した製法に起源を持つ、イタリア特定地域限定の伝統チーズ。生乳・食塩・レンネットのみを使用し、添加物や人工培養菌は不使用。熟成は12～60か月以上で、濃厚なうま味とナッツの香ばしさが特徴。牛は主に地元産の草や干し草で飼育された乳牛の乳を使用し、サイレージは禁止。年間生産は約16万3,000トンで、そのうち7万2,000トン以上が海外へ輸出されている。
＊日本におけるすべての≪パルミジャーノ・レッジャーノ チーズ協会（CFPR）≫の活動はEU政府の助成と資金援助で行われています。
