傷あとに「新しい皮膚」を描く。外見ケアを支えるパラメディカルアートメイクについて。

株式会社 NMT Japan

治療のその先に寄り添う、再建ケアとしてのアートメイクの可能性

はじめに

手術創や外傷が治癒しても、残存する瘢痕の色調差・質感差が、患者の心理社会的回復を妨げることがあります。近年は、がん治療や外科治療に伴う外見変化への支援として、「アピアランスケア（外見変化への総合的サポート）」が医療領域で注目されています。

株式会社NMT Japanが運営する BMCクリニック南青山では、医療アートメイク技術を医療領域に応用した「色素形成外来」を展開。

パラメディカルピグメンテーション(R)（医療“用”色素による色調補整）
スキンリジュビネーション(R)（Dry Needlingによる組織再生誘導）

二つの技術を統合することで、形成外科治療を補完し、仕上げの段階で「外観を整える治療」を提供しています。これらはアピアランスケアの一環として、外見の回復を医学的に支援する取り組みです。　

本プロジェクトは2026年、創傷外科を含む本領域において高度な専門性と豊富な経験を有する鍵本慎太郎医師※1）の協力を得ながら、体制のさらなる強化とデータ駆動型の施術精度向上を進めます。

見た目の再建が心理社会的回復に寄与するアピアランスケアの本質
瘢痕が心身へ及ぼす影響は大きく、見た目の改善は単なる審美目的ではありません。
・自己同一性の回復
・社会生活への復帰支援
・QOL（生活の質）の向上

パラメディカルピグメンテーション(R)とスキンリジュビネーション(R)は、アピアランスケアを科学的根拠に基づいて実践する治療として、外見を支える医療の価値を拡張します。

医療の限界を補う「色と質感の再建」
外科治療の発展により、皮膚・軟部組織の形態再建は高度化しました。しかし、色調・質感の再現は現在の外科治療のみでは完全に補いきれない場合があり、その最終的な「仕上げ」を担うのが以下の二つです。
– パラメディカルピグメンテーション(R)（色調補整）
– スキンリジュビネーション(R)（組織リモデリング）

これらをまとめて「パラメディカルアートメイク」と呼びます。瘢痕と周囲皮膚との馴化（blending）を得ることで、視覚的な瘢痕の目立ちを軽減し、患者の心理的負担の緩和に寄与します。

「傷跡を消すのではなく、馴染ませる。
その違いが、心の再生につながるのです」
– BMCクリニック南青山院長　三宅妙子

本プロジェクト最大の特徴：形成外科 × 医療アートメイクの一貫診療体制
– 形成外科治療とアートメイクが同一施設で完結
患者が複数施設を移動する必要がなく、同一の医師・看護師チームが継続的にフォローします。

– 瘢痕の医学的評価に基づく多層的な治療選択
– – 外科的瘢痕形成術・保存治療
– – パラメディカルピグメンテーション(R)
– – スキンリジュビネーション(R)
– – 必要に応じた併用治療
これら複数の治療を一つの診療体系として総合的に提供できる施設は、現状では多くありません。

– 専門医参画による妥当性と安全性の確保
形成外科専門医の参画により、医学的妥当性・安全性を担保しています。

パラメディカルアートメイクの技術構成
– パラメディカルピグメンテーション(R)（色素を用いる施術）
国際基準に基づいて安全性が評価されている色素を使用し、周囲皮膚との色調・質感の馴化を図ります。乳輪乳頭再建を含むアピアランスケア領域でもニーズの高い技術です。

– スキンリジュビネーション(R)（Dry Needling / 色素を用いない施術）
微細針で瘢痕組織に微小損傷を形成し、血流改善やコラーゲン・エラスチン再構築、瘢痕が周囲皮膚とにむ方向への変化といった変化を期待できます。ストレッチマーク・妊娠線にも適応可能で、必要時はアートメイクと併用し精度を高めます。

– 瘢痕形成手術との連携
アートメイクのみでは改善が難しい症例には、形成外科専門医が外科的修正などを行い、炎症期が落ち着いた段階で再度色素形成によるカモフラージュを検討します。外科治療と医療アートメイク技術を組み合わせ、アピアランスケアに配慮した質の高い治療を提供します。

医療アートメイクの今後の展開
株式会社NMT Japanは、乳輪乳頭再建、口唇口蓋裂、白斑、各種瘢痕治療など多岐にわたる領域で医療機関と連携し、パラメディカルアートメイクがアピアランスケアの有力な治療選択肢の一つとして社会に根付くことを目指します。
「見た目を整えることは、生き方を取り戻すこと。医療とアートメイクが連携することで、再建医療は次のフェーズへ進む。」