ロクシタンジャポン株式会社
https://bit.ly/37f5RcC
より良い未来へ向けてロクシタン製品の背後にあるものーフランスで40年以上にわたり、プロヴァンスの資源育成と自然由来の原材料に携わってきたロクシタンの日本における社会貢献活動についてお伝えします。
ロクシタンが取り組んでいるバイオダイバーシティとは?
最近よく耳にする「バイオダイバーシティ」。バイオダイバーシティとは、生物の多様性を意味します。地球には私たち人間の他、さまざまな生物が住んでいて、それらがバランスよく共生しています。
しかし今、そのバランスが崩れ始めています。理由のひとつに、私たち人間の暮らしが便利になったことが挙げられるでしょう。豊かな自然と人々の暮らしが調和したプロヴァンスで生まれたロクシタンは、「ロクシタンの約束」の1つとして植物の多様性を保護することを掲げ、豊かな大地を育む多様な植物の生態系を大切にします。
1,【ロクシタン オーチャード】プロヴァンスにアーモンドの木を植えています!
ロクシタンがすすめるバイオダイバーシティ、その活動のひとつが植樹です。なぜ木を植えるのか? それは生命のシンボルだからです。オリーブ、シア、チェリーブロッサム、アーモンド…、ロクシタンの製品のほとんどが木の恵みからできています。この中でアーモンドの木をプロヴァンスに再生させるプロジェクトが「ロクシタン オーチャード」です。アーモンドの木は、前世紀の始めまでプロヴァンスを象徴する木でした。しかしオリーブやブドウなどの収益性の高い作物に押され、1960年代までに、事実上姿を消してしまいました。そのアーモンドの木を復活させて、プロヴァンスの生態系を復元させるのが、このプロジェクトの目的です。2018年冬には、4000本以上のアーモンドの木がプロヴァンスの大地に植えられました。
プロヴァンスには子供が生まれると庭にアーモンドの木を植える風習があります。「ロクシタン オーチャード」は、ここからヒントを得て生まれた植樹活動です。植樹した各々の木には勤続3年以上のロクシタン従業員のネームプレートがかけられています。2018年冬に行われた最初の植樹は、二人の地元の生産者の助けを借りて実現しました。
2019年夏には、「自分の名前を掲げたアーモンドの木をプロヴァンスに見に行こう」というイベントがありました。日本からは勤続10年以上のロクシタンの従業員が参加。自分の名前を冠にしたアーモンドの木を見学。背丈ほどに成長したアーモンドの木に感動した日でした。
2,ロクシタンは、プロヴァンスのラベンダーも保護します!
プロヴァンスを象徴する花、ラベンダーが、気候変動の影響などによって減少しています。ロクシタンは、誰もが愛するこの小さな花を守るべく、4つのアクションを起こし、保護する活動を行っています。
1.プロヴァンスラベンダーをサポート
プロヴァンスにある20以上のラベンダー農家と長年に渡って協業し、支援を行っています。これらの農家により生産されたPDO*1を取得した高品質なラベンダーオイルをロクシタンが調達し、トレーサビリティ*2保証を行っています。
*1PDO(Protected Designation of Origin)は、以下の基準に応える上質なラベンダーオイルに付けられています。
1.挿し木ではなく、認定種子から栽培したもの。
2.プロヴァンスの非常に特定された地域、800mの高地で栽培されたもの。
3.乾いた植物で伝統的な蒸留法で蒸留されたもの。
4.これらの基準に応えた、専門家の嗅覚および分析委員会によって研究されたもの。
*2食品の安全を確保するために、栽培や飼育から加工・製造・流通などの過程を明確にすること。
2.ラベンダーを保護する基金を設立
ロクシタンはフランスの生態学研究機関と協力して、新種の選定や革新的栽培技術の導入など、ラベンダーの保護に取り組んできました。2012年、ロクシタン創設者オリビエ・ボーサンは、気候問題に直面しているラベンダーを救うための基金「SPLP基金」を設立。「未来のラベンダー畑」も守っていきます。
3.ラベンダー畑の世界的な生物多様性の保全
「THE LAVENDER FIELDS OF THE FUTURE」基金を通じて、サスティナブルな農業方法を開発しています。例えば、ラベンダーの列の間に穀物や草を植えることで害虫を阻止したり、枯れた草や穀物、ラベンダーの廃棄物で土壌を再生したり、化学薬品の使用を減らしたり…。地球に優しい環境でラベンダーを育てることで、有益な生態系を作ります。また、受粉に欠かせないミツバチを守る活動もしています。ラベンダーの収穫時には、機械に巻き込まれないようミツバチを遠ざけたり、蜜源であるミツバチの巣箱を設置したりしています。蜂に優しい文化を形成することで、約20000匹のミツバチを救うことができます。
4.ラベンダーのサプライチェーンにおけるエネルギーを節約
ラベンダーから上質なオイルを抽出して製品にするには、栽培、収穫、蒸留、輸送の過程で、さまざまなエネルギーを使います。ロクシタンでは、ラベンダーの廃棄物の有効活用とエネルギー削減のプログラム、「Green&Lavandes」を推進しています。具体的には、ラベンダーの廃棄物をマルチング(畑の表面に覆って畑を保護する)に使用したり、ラベンダーの花だけを摘む機械を導入したりしています。さらに輸送・収穫時間、蒸留エネルギーを見直して、最大30%削減しました。2030年までにエネルギーとCO2排出の50%削減を目指しています。
4,【Pur Project in JAPAN】福島県南相馬市植樹活動 「1301本の木を植えよう」を実施しました
ロクシタンジャポンでも独自の取り組みとしてバイオダイバーシティをすすめています。その一環として、2019年10月10日に公益財団法人「鎮守の森のプロジェクト」と協働し、福島県南相馬氏沿岸部に1301本の植樹を行いました。植樹をした場所は、東日本大震災の際の津波で被害を受けた海岸沿岸部。この地区は海沿いに豊かな畑が広がる、とてものどかな場所だったそうです。震災後、畑は整備され、高い防波堤が作られました。2013年よりこの防波堤の内側に海岸防災林を築くための植樹が行われています。
今回の植樹活動には、社長のニコラ・ガイガーを含めロクシタン社員、計26名、一般募集のボランティア23名、計49名が参加。南相馬市の門馬和夫市長にもご参加いただきました。
参加者は、5つのグループに分かれ、植樹を行いました。
用意した苗木は、震災の津波にも耐えたタブの木や桜の木をはじめ、約20種類。60cm間隔に、いろんな種類の苗をランダムに植えていくのがポイントです。
1301本植樹した後は、地面が見えなくなるまで藁を敷き詰めます。こうすることで、雑草防除、温度変化の緩和、土壌の保湿、表層土流防止の効果があります。藁ゴミはやがて肥料になるんです。最後に藁が飛散しないよう縄で固定します。
形成された斜面に植えていきます。腰をかがめて行う作業は結構きつい。この日は気温が25度もあったせいか、終わった後は汗びっしょり。「たっぷり汗をかいたけど、みんなと力を合わせて植えたから、すっごく気持ちいい」という声が多く聞かれました。
最後に、思い思いの気持ちを書いた木札をかけて。参加した方からは、「以前よりボランティアに興味がありましたが、なかなか足を踏み入れられずにいました。そのきっかけをいただきありがとうございました」「いろいろな人や自然と触れ合うことができました。ロクシタンの社会貢献活動についても理解することができました」などのお声もいただきました。
東日本大震災では、神社を囲む鎮守の森が防災林として大きな役割を果たしました。深く根をはった木々が津波の勢いを和らげ、被害を最小限に防いでくれたのです。これをモデルにしたのが「鎮守の森プロジェクト」。土地に適した種類の木を植えると、苗木は1年ほどで1mほどに成長し、約20年後には立派な森になります。
5. ロクシタンのホリデーも、バイオダイバーシティがテーマ
毎年人気のロクシタンホリデーコレクション。今年は、「パパノエル*の緑と香りあふれる世界」をテーマに3つのコレクションを限定発売。ストーリーは、プロヴァンスを訪れたパパノエルが、「このまま何もしなければあと数年で12,000種のいきものが消えてしまう」という悲しい話を聞き、いきものたちがいきいきと過ごせる愛の庭、やさしさの丘、希望の野原を作っていきます。背景には、ロクシタンの約束の1つであるバイオダイバーシティがあります。ホリデーコレクションに使われているイランイラン、シア、ハニー、3つの香りは、この活動で保護された植物から作られています。
*フランスでサンタの愛称
今年のホリデーコレクションは、パパノエルがプロヴァンスで出合った3つの物語が展開していきます。第1章フェスティブガーデンシア(発売中)ではイランイランなどの花々で愛の庭(ガーデン)を作り、第2章クラシックシア(11月20日発売)ではやさしさの丘で収穫されたシアからシアバターが生まれます。第3章ハニーハイヴシア(12月11日発売)では、ラベンダーが咲き誇る希望の野原でミツバチたちと出合います。
ロクシタンが取り組んでいる「ロクシタンの約束」では6つの約束を守り続けています。その中のひとつ、「植物の多様性を保護」では、2025年までに1,000品種の植物を保護することを約束しています。2019年のホリデーコレクションで使われている3つの香りもこの取り組みから生まれたものです。
■コモロ諸島のイランイラン保護活動を行っています。
コモロ諸島の花の保存や蒸留などで使用する木材の森林保護を行い、100%トレーサブルな原料を扱う協力会社を通してフェスティブガーデンシアシリーズの原料イランイランを調達しています。
■シアの木の保全活動を行っています。
シアの生産地ブルキナファソで生産者の女性たちに、シアの木をオーガニックに管理する技術などを伝え、森林の保護や生産の品質の維持の活動を行っています。
■プロヴァンス畑保全の取り組みを行っています
ラベンダーの研究や、ラベンダー畑の自然保護などを通し、これまでにプロヴァンスの固有種を含む、さまざまなラベンダーを保護する取り組みを行っています。
NATURE & PEOPLE VOL.2 生産者インタビュー
製品の原材料となるハーブや花を育てる生産者はロクシタンにとって大切な存在。
彼らの努力、献身、そして技術なくして高品質な製品をつくり出すことはできません。
ロクシタンは現在、情熱ある生産者と複数年契約を結び、一年を通して彼らに寄り添い共に仕事をしています。
<Nature & People> では、ロクシタンにとって大切な「自然」と「人々」についてお届けします。
ジェローム・ボエンルさん
JEROME BOENLE
(ラベンダー蒸留者、栽培者)
ラベンダー栽培への情熱と家族のストーリー
「私は南フランスのヴァントゥ地方ソー高原で育ちました。ここは他にヴォークリューズ、ドロームおよびアルプ=ド=オート=プロヴァンスの3つにまたがる場所です。私の母方の祖父母は、ヤギのチーズ農場を所有していました。私は当時からこの土地で仕事をしたいと思っており、特に農業機械に興味がありました。16 歳の時には農業機械学を勉強しながらラベンダーの収穫を手伝いました。農業機械が大好きだった私は、18 歳の時には全ての機械を運転することが出来るようになっていました。
その後私はさらに農業機械についての勉強を続け、国際メーカーでトラクターと農業機械の営業として働き始めました。仕事で様々な場所に出かけ、重要な責任も持っていましたが、私は家族の農場を常に恋しく思っており、故郷に戻りたいという強い思いが常にありました。2007 年、私は農場を引き継ぎ、事業の成長をスタートさせました。大きな投資をしてラベンダー植樹を増やしました。当時のラベンダー業界は不況で、義父は私の提案には乗り気でありませんでした。彼は年間200~300キロのラベンダーしか生産していなかったのですが、その生産量では二家族を養うにはリスクがあったので、私たちは思い切った決断をすることにしました。私は農業機械の営業の仕事を辞め、彼と一緒に働きはじめ、そして農場は変わりました。私たちは栽培量を増やし、多くの投資もしました。同時に栽培品種を増やし、雑種や遺伝子組換えのラベンダーも栽培して、農場は大きく成長しました。2015 年に兄も加わり、私たちは他の土地も引き継ぎました。2018 年の私たちのラベンダー生産高は3.5 トンでした。私はこの成長を強く誇りに思っています。
私たちはラベンダーが育つこの地で生活しています。ラベンダーはプロヴァンスの象徴、私が生まれたこの素晴らしい土地、成長するラベンダーに囲まれながら、プロヴァンスのユニークな風景を保ち続けます。もしこの地で野生のラベンダーが育たなければ、誰もこの遠く離れた地を訪問することはなく、私たちの生活も失ってしまうでしょう。
特別な条件でのファインラベンダーの生育
「ファインラベンダーは標高600 ~1700 メートルに成長します。私たちの農場は標高 1000 m 地点に位置し、この環境がラベンダーの成長には最適なのです。台地は山の中に広大に広がっています。 ラベンダーは、はじめは人の手で栽培されていましたが、グラース地域の香水の需要の増加に伴い、1970年代に機械化されました。現在、アルビオン高原では家畜飼育は行われていません。どの場所でもラベンダーが栽培されています。ラベンダーはこの乾いた石灰岩からなる土壌の道端でも野生に生息することができるのです。」
温室栽培から蒸留までラベンダー栽培の習得
「私たちの農場はファイン PDOラベンダー (保護指定原産地-フランス語では「AOC」) の栽培に特化しています。このタイプのラベンダーは、種子から栽培され、私たちはフランス香水薬用アロマ植物研究所(iteipmai)の認定を受けた種子を発注しています。つまり挿し木から栽培される雑種や遺伝子組換えのラベンダーとは違い、自分たちで苗を成長させているのです。
私たちは農地に苗を植える前に温室でその種を育てます。よって私たちのラベンダーの種がどこから来たのかを十分に把握しています。2018年に私たちは種の発芽からエッセンシャルオイルの蒸留までの全工程を管理するため蒸留所を開設し、そして義父が私にその工程を教えてくれました。彼は以前私たちがラベンダーを持ち込んでいた蒸留所組合に勤務していてとても経験豊富だったのです。彼は2018年収穫のラベンダーを蒸留した当人で、その時に私に蒸留の方法を教えてくれたのです。私は蒸留作業に専念し機械の仕事を離れました。高原の他の生産者たちの蒸留も行い、既に当初の生産目標を超えました。常に改善を行い、出来るだけ高品質のエッセンシャルオイルを作ろうと努力しています。私たちはクラリセージ、タイム、ヒソップ、アスピックラベンダーなど栽培する他の植物からもエッセンシャルオイルを蒸留しています。
私たちは協同組合という形態をとっています。この生産者集団のシステムは非常に効果的だと思います。私たちはすべての収穫をSCA3P組合に持ち込み、そこで全メンバー農家の収穫物が売られます。この組合は私たちを良い時も悪い時も支えてくれます。私たちの組合はPDOラベンダーを専門とし、このPDO品質ラベルに強いこだわりを持っています。
「私たちは家族で仕事をし、伝統と情熱を未来の世代に伝え続けたいのです。ラベンダーはただの植物ではなくまた産業でもありません。ラベンダーは、この土地と人々の物語そのものです。この高原でたくましく育つ唯一の植物であり、その植物が野生で育つために私たちがこの土壌にうまく適応させることが重要なのです。」
適切な農業技術
「私たちの農法は昔ながらのやり方で有機農業に影響を受けたものです。体系的な除草は行わず、それぞれの土地によって異なる方法をとります。作物に反発芽処理を行うこともありますが、これはまれなことです。化学物質は高価であり環境に有害なので、機械による除草の方を選びます。すべて雑草を取り除くわけではありません。今はツマグロヨコバイ病を減らすため苗列間の除草をしない方法を試しています。この虫はラベンダーを刺し、1つのラベンダーから別のラベンダーにウイルスをうつします。苗列間の雑草を残すことでツマグロヨコバイがラベンダーからラベンダーに飛ぶのを防ぐ自然の壁を作るのです。
作業削減のためにラベンダー植物の栽培に粘土を使うことを試みましたが、雨期には使用できず導入するのは困難でした。しかし私たちは常に自然環境を改善、保護するための新しい方法を試したいと思っています。ツマグロヨコバイは地面から出てきて、開花時期に飛行を開始します。殺虫剤で殺すこともできますが、ラベンダーの満開時には化学物質を使いたくありません。化学物質はミツバチに有害であるし、咲いているラベンダーを汚染してしまうからです。地元の養蜂家の協力で、私たちは農地の数か所にミツバチの巣を設置しました。
ハチは作物の受粉という基本的な役割を果たしています。ファインラベンダーは異機種混在型から作られ、異なったサイズや色が混ざっているのです。ハチはこのラベンダー種の混合にも一役買っています。このおかげでラベンダーの品質は非常に高いものになるのです
PDO標準への強いコミットメント
「2009年にSCA3P協同組合の紹介で私はロクシタンと出会いました。ロクシタンは良質のラベンダーを探しており、組合が私と農場を訪問することを提案したのです。ロクシタンはオルファクトリー委員会のメンバーで私たちはこの委員会で一緒に仕事をしています。PDOラベルを与える前に異なるバッチのエッセンシャルオイルの香りをチェックし、ラベルを与える条件に適しているかを担当しています。PDO ラベンダーにはふさわしい香りが必要なのです! 私は PDOラベンダーの生産者を代表するフランスPDOラベンダー協会の会長でもあります。PDOラベルは、この土地のラベンダー畑と生産者を保護しています。PDO標準はラベンダーを促進し、その自然環境を保護します。エッセンシャルオイルがこのラベルを取得するには、特定の条件を満たす必要があります。プロヴァンス指定地区で一定の標高において特定の収穫方法を採用していることです。これは、オイルの品質に直接影響を与えるものです。またエッセンシャルオイルが解析基準と香りの基準を満たす必要もあります。これが高品質のエッセンシャルオイルを調達できる理由の一つです。私はこのラベルについて情熱を持って提唱することでこの土地とその特異性の保護に積極的に取り組んでいます。
ロクシタンジャポン株式会社
輝く太陽と咲き誇る花々の豊かな自然に包まれた南仏プロヴァンス。1976年にその地で生まれたロクシタンは、厳選された植物素材を使用したスキンケアやボディケア、フレグランス製品などを通じて、プロヴァンスの生活を提案するライフスタイルコスメティックブランドです。植物原料とエッセンシャルオイルを使用したナチュラルコスメの先駆けとしてスタートして以来、その上質なアイテムの数々は90ヶ国以上、約3000店舗で展開し、世界中の人々に愛されています。