★ 専門家でも抗えない40代のバストの変化
★ 40代の理想のバストとはどんなバスト?
★ 大人のバストは“質感”の美しさを目指すべき
★ ②40代のバストケアは若い世代とどう違う?一問一答
20代と40代の“美胸”はどう違う?
削げ、たわみ、しぼみ……。40代にとって肌と同様にバストの変化は抗えないもの。昔と同じ形やボリュームは難しくても、今からできることはない?
そこで、STORY世代の40代バスト専門家中村ひろ美さんに、バストの変化を受け入れつつ40代らしい美バスト作りのコツを教えてもらいます。
専門家でも抗えない40代のバストの変化
凛とした背中に、キュッと上がったバスト。そんな美しい胸元の持ち主であるバスト専門家の中村ひろ美さんも、実は40代になって胸の変化を実感したと言います。
「一般の方に比べるとケアをしてきたつもりではありますが、それでも40代になって胸の肉質が変わりました。
主に、乳腺と脂肪、結合組織からできています。乳腺の割合が多いバストはパンッと張るような弾力がありますが、脂肪の肉質は軟らかい。乳腺が減り脂肪の割合が増えることと、バストの形や丸みを担う結合組織(クーパー靭帯)が加齢に伴い弱くなるため、そげや流れが起きやすくなります」。
専門家でさえ防げないバストの変化……。もはや、40代の胸は諦めるしかないのでしょうか。
40代の理想のバストとはどんなバスト?
「若いころの胸が一番だと思うと、それを過ぎた年齢では何歳であっても“老化”でしかありません。でも、〝40代らしい美しさ“はバストにもあります」と、中村さんは言います。
「20代の根元から立ち上がるようなバストは若々しい美しさがありますが、40代のなだらかなバージスライン(乳房の輪郭)にできる“影感“、そして触りたくなるような軟らかい肌の印象は、大人の色気があると思います。40代のバストは肉質が軟らかいので、このいい意味での軟らかさ、女っぽさが大人の胸の美しさだと思います」。
若い世代が谷間を見せるとなんだか露骨さを感じますが、40代のシャツからサラリと覗く抜け感のある胸元はいやらしさがなく素敵だと中村さんは言います。
大人のバストは“質感”の美しさを目指すべき
では、何もしなくてもいいかというと、答えはもちろんNOです!
「いくら素敵だといっても40代はバストケアが必要です。例えば、バストが左右に流れてしまった場合、姿勢の悪化による背中やバストサイドの筋肉の緊張によって引っ張られている場合もあります。
また、スキンケアをしたふっくらした肌のバストは見た目が段違い。若いころは誰もが肌が美しいため肌のケアでは大きく変わりませんが、軟らかくなった40代の肌はスキンケアをするかしないかで差が出ます」
40代の理想のバストを目指すには、現状を受け入れつつも、内から外からの〝これ以上の退化を抑える“バストケアが必須ということなのです。
②40代のバストケアは若い世代とどう違う?一問一答
具体的に40代のバストケアは何をするのが有効なのでしょう?
バストの内部が違うのに20代30代と同じバストケアではNG! と中村さん。そこで、若い世代と40代のバストケアの違いを比較し、中村さん流「40代の今だからこその正しいケア」を教えてもらいました。
ー 40代のバストケアにマッサージはNG!?
姿勢の見直しとバスト周りの筋肉の緊張を緩めることで、そげや流れは改善されます。ただ、バストに負担のかかる強いマッサージは、弱ったクーパー靭帯に更に負担をかけてしまうので、自分でマッサージを行うのであればバストは優しく撫でるように行うのがベターです。
肉質が軟らかくなっているのでブラジャーに収めやすくはなっていますが、残念ながら定着するのは難しいです。背中や二の腕などの余計な脂肪を引き締めることで、バストの印象もあがります。
大胸筋は胸の土台ではあるので鍛えることを否定はしませんが、脂肪の多い40代のバストの場合、脂肪が落ち結果的にサイズダウンすることも。強度と頻度に気を付けて行って。
大前提として乳腺が増えることはありませんが、ケアにより血流が整えばバストに栄養やホルモンが届きやすくなるので、張りや弾力などの“質感アップ”は可能です。太ることでバストの脂肪がふっくらすることはありますが、バストだけが変わるわけではないので、サイズより質感アップを目指してスキンケアも試してみて。
ー ブラジャーが合わないことにも理由が…
ブラのサイズはカップの容量をトップとアンダーの差を指標にして作っています。当然、軟らかくなり削げた胸のトップで測ると合わなくなることも。変わっていないと思っていてもアンダーサイズが変わっていることもあります。まずはプロに今のサイズを測ってもらうことから始めて。
肉が軟らかいと肉が逃げやすいので、胸を包み込むようなフルカップはおすすめです。背中の食い込みが目立たない太めのベルトのものを選んで。最近は40代向けのものも素敵なデザインが多いので試してみては?
ナイトブラはそもそも、寝姿勢のバストの流れで睡眠の質が落ちることを防ぐことが目的。流れを防ぐことで形崩れの予防にはなっても、育乳やバストアップはできません。ただ年齢に関係なく、睡眠の質が上がることは女性ホルモンにとって大切なので、ぜひナイトブラは着用を。
カップ付きトップスでリラックスする時間があってもいいと思います。ただ、ブラの着用は継続を。バストを守るだけでなくご自身の体形に目を向けるきっかけになりますし、美しい下着をつけることが女性らしさのスイッチを入れることにもつながります。
ー スキンケアも食事法も取り入れる!
バストを美しく見せたいならスキンケアは必須。顔の延長だと思って、バストも保湿やエイジングケアを。手間をかけただけ若いころよりはるかに手ごたえを感じるはず。
特定の食品を取るというより、やはりバランスがいい食事を目指して。豆腐や納豆など女性ホルモンに嬉しい食材が多く摂れる和食がおすすめです。継続が大切なので、時にはプロテインやサプリメントなどに頼ってもOK。
アラフォーはもちろん、姉フォー世代も削げたバストを諦めるのはまだ早い! 次回は40代のバストケア「実践編」。バストマッサージやおすすめアイテムをご紹介します。
監修:中村ひろ美さん
バスト&ヒップケアサロン THE BEAUTIFUL代表
(一社)ビューティフルボディセラピスト協会 代表理事
サロン勤務を経て独立。女性らしい身体づくりに特化したサロンを運営する傍ら、各種メディアで監修・執筆を手掛けパーツケア普及に取り組む。バストケアとヒップケア、女性ホルモンを専門分野とし、変化の分かるボディーケアで定評がある。
取材/角田ひかる イラスト/篠塚朋子