若いころと40代のバストケアの違いで、まず注目したいのはスキンケア。胸元の肌に潤いや弾力があることで、見た目の印象が変わるのだとか。

「40代の方の施術をしているといつも感じているのが、バストスキンの渇き。顔は潤いに満ちた美しい肌でも、バストはカサカサになっていることが少なくないんです。

若いころはみんな肌がきれいなので差が出ませんが、40代はケアすればするほど応えてくれます。胸も顔の一部！　と心得てスキンケアをしていきましょう。授乳を期に萎んでしまったバストにもおすすめです」と中村さん。

使うアイテムは、オイル、化粧水、美容液、そしてクリーム。同じ「軟らかい胸」でも、ただ枯れた軟らかさではなく、もっちりした軟らかさを目指して、顔と同じくらいのケアを。

「私はお風呂で顔より先にオイルを塗って、水分を飛ばないようにしてから浴室を出ます。顔と同じ化粧水を塗って、美容液、クリームの順にケアをしています。毎日フェイスパックをするので、その時間をバストのケアに当てるのがルーティンです」

そして、スキンケアとともに気にしてもらいたいのが食事。

「外側ばかり気にしていてもインナーがボロボロだと、バストの肌印象はなかなか変わってはいきません。これは、顔の肌も同じですね。内側からのケアも積極的に取り入れましょう。

バランスのいい食事を心がけて、肌や髪のベースになるたんぱく質をたっぷりと。たんぱく質を意識的に摂ることで、肌のハリ弾力にもつながっていきます。プラスして、女性ホルモンと関係の深いイソフラボンを意識的に摂るのもお勧めです」

食事で摂り入れるのが理想ですが、まずは続けることが大切。忙しいときは、サプリメントを味方にしてもよいでしょう。ただし、サプリを取り入れた場合は栄養素の過剰摂取にならないように注意して。

バストケアのエース的アイテムともいえる、ナイトブラ。科学的根拠に基づく専門ブランドのものから雑貨的なカジュアルなものまであり、効果についての意見もさまざま……。着けるべきかどうか迷う人も少なくないのでは？　

結論として、ナイトブラは着けるべきと中村さん。
ただし、と言葉と続けます。

「ナイトブラは本来、睡眠中の胸の揺れや動きをおさえて、不快感をやわらげるためのもの。ナイトブラでバストを大きくしたり、外した後のバストの流れを抑制することはできません。ホールド力が強すぎるものや寝苦しいものを付けると、むしろ胸によくありません。肌触りのよい、適度にバストを守ってくれるもの選ぶのが正解です」

いわゆる“育乳”できるわけではありませんが、心地よい眠りへ導いてくれる効果が期待できるのは嬉しい効果。睡眠と女性ホルモンは関係が深いので、STORY世代はぜひ毎日の習慣に。

仕上げは、40代のバストに効果的なストレッチ＆マッサージをご紹介。バストの重みを支え持ち上げる筋肉が緊張していると、バストの削げ、流れを加速させることに。1日1回、バスト周りの筋肉の緊張をほぐしていきましょう。

姿勢が悪いままケアしても変化が出にくいので、まずははじめに胸を開いて姿勢を整えます。

バストサイドが緊張すると背中側に引っ張られ、左右に流れる原因に。筋肉の緊張をほぐしていきます。

重みのある胸を支え持ち上げる大胸筋と小胸筋を柔軟にするマッサージ。バストの削げが気になる人におすすめです。

取材／角田ひかる　イラスト／篠塚朋子