数々の女性誌で長年活躍している美容ジャーナリスト・齋藤薫さんが、STORY読者の悩みに寄り添う連載がスタート!体の変化が目に見えて表れはじめ、不安や悩みも増えてくる40代に、美の先輩からの叡智をお届けします。
★ 「敏感肌は、キレイになれない」と諦めていない?
★ 敏感肌は、構造的に美肌と隣り合わせ?
★ 今や7割の肌が、敏感を訴えている? だから、敏感肌ケアは進化が凄いのだ
★ おすすめアイテムはこちら
お悩み:【敏感肌】
「敏感肌は、キレイになれない」と諦めていない?
敏感肌ケアは優しく優しく、決して刺激を与えないように優しく……。これまでひたすらそういうふうに言われてきた。実際、自分が敏感肌だと思っている人の多くが、まるでハレモノに触るようにこわごわとお手入れしてきたかもしれない。それこそ、事勿れで、守ること以外は何もしないというのが、かつての敏感肌ケアだったと言っていい。
それだけに敏感肌の多くは、敏感トラブルを抑えるだけで精一杯、どうせ私はキレイになれないと思っているかもしれない。でもその考え、間違っている。
見方を変えれば、敏感肌こそ正しくお手入れすれば、美しくなるポテンシャルが最も高い肌と言えるのだ。明確な線引きは無いものの、皮膚科に通わなければいけないような病的な敏感肌、アレルギー症状がある肌、深刻なアトピー肌は、ちょっと分けて考えて欲しいのだけれど、いわゆる敏感肌用のスキンケアしか使わない、使えないという人や、時々でも敏感気味になるから、積極的なお手入れができないと弱気になっている人は、聞いて欲しいのだ。
ともかくまずは悲観的にならないで。むしろキレイになるチャンスはいくらでもある。それどころか、敏感肌ほど、じつはキレイになれるのだから。
敏感肌は、構造的に美肌と隣り合わせ?
敏感肌とは、一言で言うなら、バリア機能が低下した肌。潤いを自ら抱え込みつつ、潤いが逃げていかないよう文字通りのバリアとなる働きが弱っている肌である。
言い換えればそれは、肌が薄くなっている状態。見るからに薄そうな肌って、いかにも弱々しく繊細な印象は与えるものの、同時にそれは透明感にもつながる肌状態。つまり、そういう肌がきちんとバリア機能を高めていけば、肌が安定するだけでなく、意外なほど早く“透明感あるきめ細かい美肌”に導かれていくはずなのだ。
逆に、いかにも丈夫そうな厚ぼったい肌は、むしろ毛穴が目立つようなゴワゴワした印象があるはずで、透明度からは遠い 。弱い肌の方がかえって美肌と隣り合わせだからこそ、悲観をせず、諦めずに、正しいお手入れに励んで欲しいのだ。ただただ刺激を与えない守るだけのお手入れではなく、積極的にバリア機能を育てていく攻めのケアで。
今や7割の肌が、敏感を訴えている? だから、敏感肌ケアは進化が凄いのだ
じつは「自分も敏感肌かもしれない」と考える人が今、7割近くもいるというデータがある。コロナ禍のマスク習慣もあって、その割合はまたさらに増えていると言われるのだ。
逆に言えば、敏感そのものはもう特別なものではなく、誰にでも可能性があるもの。ストレスや食べ物、乾燥や紫外線などの要因から、いつ誰が敏感になっても不思議じゃない時代なのだ。昔よりも肌を守るケアが万全だからこそ逆に弱くなると言う皮肉も含めて。
敏感がある意味とても一般的になってきたからこそ、実力あるメーカーがこれまでにない勢いと熱量を持って研究を進め、敏感肌ケアの進化が大きく注目を浴びているのだ。
それもバリア機能を育てるケアはもちろんのこと、敏感肌用の美白やリンクルケアもどんどん充実してきている。かつては敏感肌用と言えば本当に刺激を与えずに肌を守るものばかりだったのに、今はとんでもなくバリエーションが広がっているのだ。加えてびっくりするほど攻めのエイジングケアも多くなっている。
それでもちゃんと敏感肌に対する配慮が効いていて、例えばだけれど、敏感肌は当然のことながら肌をこすってはいけないからこそ、スキンケアとファンデーションを1つにしたようなものも増えている。
気がついていただろうか。最近妙にミストタイプの化粧品が流行っていたり、またトラブルケアのマルチ化がトレンドだけれど、それも敏感肌ニーズに一部答えたものだと考えて良い。
つまり肌に触れずにお手入れしたい、だからミスト。肌に触れる回数を減らしたい、だからマルチ……という具合。
言うならば、敏感肌ニーズに応えることが、化粧品をどんどん進化させていると言っても良い。敏感肌ケアはある意味スキンケア界の主役になりつつあるのだ。
例えば私も、年齢を重ねるほどにバリア層が貧弱になってきて“老化性敏感肌”と言っても良い状態にあり、だから最近はよく敏感肌ケアを使う。それも仕方なくではなく積極的に。“健康肌用”よりも“敏感肌用”の方が何だか魅力的に見えることがあったりするのだ。そんな意味も込めて、今回とりわけユニークな敏感肌ケアをご紹介したい。
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● なんと敏感肌に、人工皮膚を吹き付ける?
(左)キュレル 着る角層ケア〈カートリッジ〉6,600円[編集部調べ](右)ヴェールクリエイター 29,700円[編集部調べ]※月額3,900円のサブスクサービスあり/花王
バリア機能が低下している敏感肌が今すぐ欲しいのは、やっぱり強くて健康的なバリア層。そこで、言うならば極薄の人工皮膚をバリアも兼ねて肌に直接吹き付けてしまおうという驚きの凄技機器が現れたのだ。
もともと花王が独自に開発した極細繊維の隙間から保湿成分がしみ出す「ブリードアウト技術」を開発。だから単なる膜でなく、まるでもう一枚の肌のようなつくりたての“生ヴェール”が肌に密着して一体化。夜のケアの最後に使い、睡眠中にバリアを育てて潤いを与え続け、翌朝までにモチモチのハリ肌に仕上げてくれる。敏感肌の本当に力強い味方だけれど、この人工皮膚膜、全員に魅力的。月額3,900円のサブスクサービスがあるのも有り難い。まずはこれで試してみては?
● 朝はこれ一品で済んでしまうほどのBB
アヤナス リンクルO/L SPF25 PA+++ 【医薬部外品】 25g 4,950円(4/7発売)/ディセンシア
光でシワの影を飛ばし、くすみも色ムラもカバー。内側ではシワそのものを改善していく、メイクとスキンケアの両方をハイブリットにこなす、新感覚BBエッセンス。下地もファンデーションもこなすのに、色でカバーしない素肌仕上げが嬉しい。その上UVケアもリンクルケアも、となれば、エイジングが気になる40代も本当に朝はこれ1本ですんでしまう。敏感肌でも本当の意味で攻めのお手入れができるディセンシアのアヤナスが作った超マルチケアの傑作は、コロナ禍のマスク時代に評判を呼んだ。だから、敏感肌はもちろんだけれど、なんだか最近肌が揺らぎやすいと言う大人肌も、ぜひこのマルチアイテムに肌を預けてみて欲しい。
● ニキビと肌荒れを防ぎながらカバーする未来系
薬用 スキンファンデーション(パウダリー)【医薬部外品】敏感肌ファンデーション(レフィル)オークル10 3,080円[編集部調べ]、パウダリーファンデーション ケースS 1,100円[編集部調べ]/d プログラム
こちらは、筋金入りの敏感肌ブランド「dプログラム」が作ったパウダーファンデーションの未来形。パウダータイプなのに、敏感肌が陥りがちなニキビと肌荒れを防ぎながら、同時にそれを巧みにカバーする、ハイブリット効果が頼もしい。そもそもが敏感肌を瞬時に美しく見せるって、とても高次元のカバー力を必要とするはずで、同時に内側でその原因となるものと戦うって凄い こと。そう考えると確かに今、敏感肌コスメほど高機能なテクノロジーを持っているのだと納得。敏感肌の化粧のりと化粧もちを高めるっていうのも、とても高度な処方だからこそ、健康肌も注目すべき。
●アトピーも含めた本気の敏感肌ケアはこの一品から始まった
AD コントロール ローション 120ml 3,850円/アクセーヌ
敏感肌用のコスメの先駆けと言っていい逸品。アトピーが社会問題化した時、皮膚科などのチームが結成され、化粧品会社として唯一参加したアクセーヌのもとで開発されたのが、この化粧水だったのだ。ひどく乾燥した肌のモイスチャーバランスを整えて、無理なくバリア機能を高めていく。アトピー気味の肌の救世主と言っても良い。他のものは使えなかったのに、これだけは使えるという声はよく耳にする。ホルモンバランスの乱れで、大人ニキビが出来ているようなゆらぎ肌にも、最適。定期的に肌の調子を戻すために半年に1回は使うと言う人がいたりする、特別な化粧水だ。
● 肌に刺激を与えずに潤いの源泉を作るなら、このコラーゲンドリンク
ザ・コラーゲン リュクスリッチ〈ドリンク〉 50ml 429円[編集部調べ] /資生堂
肌に触れることなく大量の潤いを与え、自ら潤いを生み出すためのインナーケアこそ、究極の敏感肌ケアにして、あくまでも総合的なエイジングケアと言えるのかもしれない。だからこれ。コラーゲンの産生促進剤として特許取得した資生堂独自のスーパー果実由来の美容特許成分“コケモモ+アムラ果実”がともかく凄い。そしてコラーゲンサイクルの中で劣化したコラーゲンを回収する成分“トマト種子エキス”や、産生したコラーゲンの維持を強化する桜の花エキスを配合。さらには通常のザ・コラーゲンに比べ、成分が2〜3倍配合され、リュクスリッチ(大人世代向け)には、大人世代に嬉しいローヤルゼリーやクロマメノキを含む12種類の美容成分までが配合された。大変な高機能なのに、コラーゲンドリンク特有のくさみもなく、すっきりしたミックスフルーツ味はクセになるほど美味しい。
ディセンシア 0120-714-115
資生堂(d プログラム)1020-81-4710
アクセーヌ 0120-120783
資生堂ビューティーウエルネス サポートセンター(ザ・コラーゲン)0120-20-1005
取材/沢亜希子 イラスト/MAKOTO