2月号で『STORY』に初登場し、高身長を生かしたBODY POSITIVEオシャレで美しく変貌した小倉弘子さん。50歳を前にコンサバな殻を破る小倉さんを目のあたりにしたジェーン・スーさんのエールのもと、さらなる新しい自分探しへ。そんな小倉さんの変身ドキュメントをジェーン・スーさんの文と共にお届けします。
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大人の女が変わるとき
娘、妻、母。ライフステージが変わるごとに、女に期待される役割は大きく変わる。よき娘、よき妻、よき母。次のステージに行ったら前の役割を放棄できるわけでもない。社会はどんどん変わっているというのに、昔の誰かが考えた勝手なイメージでジャッジされる。そして、真面目な女ほど悩む。「私はよき妻なのか? 私はよき母だろうか」と。
小倉弘子もそうだった。フルタイムの仕事をしながら、三人の子どもを育てている。一番下のお子さんはまだ六歳。私なら、瞬時にギブアップしちゃうだろう。
小倉弘子には協力的な夫や親がいる。それでも、「仕事も家のことも、私は十分にやれているだろうか?」と、常に自問自答しているのが手に取るようにわかる。「たまには肩の力を抜いてみたら?」と伝えても、「いやいや、私は全然ちゃんとやれていないから」と彼女は答える。自分に厳しいのだ。
多かれ少なかれ、同世代の女たちは自分に厳しい。会社員として、妻として、母として、すべての場面で「ふさわしい姿」を模索する。
でもさ、あなたはあなたが思うより、ずっと素敵なのよ。「こうあるべき」の枷を外したら、誰よりも輝ける。小倉弘子に限った話ではないのだ。
会社員でも妻でも母でもない瞬間が、誰にだってあるはずだ。一生懸命生きてきた女の輝きを、もっともっと放っていいはず。
髪型を変えるって、自分を変える最初の一歩を踏み出すのに最も手っ取り早く、効果的だ。今回、小倉弘子は20センチメートル以上髪を切った。年月にして一年半分くらい。私は知ってるよ、その一年半、すべてに一生懸命だったあなたのことを。ラジオ番組の企画をスタッフと一緒に練り、電動ママチャリにまたがって保育園へ送り迎え。思春期の娘たちと向き合い、習い事の遠征にもついていってたっけ。
ロングヘアも素敵だったけれど、春らしいショートがびっくりするほど似合ってる。会社員でも妻でも母でもない、小倉弘子という女の花が、いま大きく咲いた。
–by ジェーン・スー
撮影/三瓶康友 モデル/小倉弘子 ヘア/中村さやか(I/N) メーク/森ユキオ(ROI)スタイリスト/井関かおり 取材/北野法子、坂本結香 ※情報は2024年5月号掲載時のものです。