今月の『スタイリスト・大草直子さんの一押しアイテム』をご紹介します!
▼STORY編集部おススメ記事はこちら
大草直子さんの今月のオススメは、美シルエットのニットワンピース
MACKINTOSHのコート
今回のお題、「大草of the year」。スタイリストとして、着手(きて)として、この1年を通じて見てきた服や靴の中の№1を挙げよ――。む、難しいオーダーが来ました(笑)。
さんざん悩んで決めたのが、マッキントッシュのゴム引きコート。カラーブロックのベルテッドコートは、アーカイブの乗馬用コートを現代風にアレンジした一着で、派手ではないのに間違いなく目を引きます。
簡単な服ではないのに派手にならないのは、用の美を備え、トラディショナルなモノづくりをしているから。マッキントッシュクロスとも呼ばれる防水布は、布と布の間に天然ゴムを塗り、圧着して火にかけて作られます。
完全防水で、雨がしみこむのを防ぐため、すべての縫い目の裏側に職人が手作業で止水テープを貼って仕上げるそう。さすがに日本だと、ロンドンの街を歩く人たちのように、コートの前をしっかり留めて、新聞紙で雨をよけて小走りで――は無理だとしても、「雨の日だってスーパーおしゃれ」は手に入りそうです。
オリーブグリーン、ターメリックイエロー、3種類のベージュの配色は、着るだけでインパクト大。どんなコーディネートにも合わせられるわけではないのも、余計に一年の中での「ただ一枚」にリコメンドした理由。時に、合わせやすい、着回しできる、誰にでも似合う……わけではない、強さのある服と対峙することも必要だな、と思うのです。
撮影/佐藤 彩 スタイリスト・取材/大草直子 ※情報は2022年12月号掲載時のものです。