仲のよさで知られる、天皇ご一家。その仲のよさは、ご夫婦で公務にお出ましになられる時の、色をリンクした着こなしからも垣間見られます。令和になってからは、ほぼ毎回天皇陛下のネクタイの色と雅子さまのワンピースやジャケットの色などお二人の着こなしのリンクが見られ、令和の天皇皇后ご夫妻の象徴のよう。愛子さまがいらっしゃる時は、3人でリンクされることもあり、ご夫婦、ご家族で話し合われ決められているのが感じられます。今回は、STORY世代も参考になる、さりげないご夫妻のリンクコーディネートを紹介します。
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★ 色はご訪問先とリンクされることも
★ 雅子さまが和装の時も円満コーデは健在
★ イベントにちなんだマリンカラーをリンク
★ 時には、アイテムをリンクされることも
主張の少ない色の場合は、リンクする部分を多めに
ベージュ地のドット柄のネクタイを選ばれた天皇陛下と、同じくベージュのパンツスーツに、ベージュのボタニカル柄のストールを選ばれワントーンスタイルでまとめられた雅子さま。主張の少ない色だからこそ、リンクカラーが多めでもこなれ感があります。テーラードジャケットのパンツスーツにストールを添えられたコーデは、雅子さまの代名詞とも言える着こなし。ストールやスカーフといった巻き物は、ご成婚前から様々な結び方を披露されるほど愛用されており、巻き方などを変え、着こなしにメリハリと彩りを足されています。
色はご訪問先とリンクされることも
天皇陛下がモスグリーンのネクタイをされ、雅子さまは、モスグリーンのセットアップの着こなしでお出ましに。武道大会がおこなわれた済寧館は、緑の屋根が目を引く皇居内に位置する道場。緑をキーカラーに選ばれたのは、開催される場所を意識されたのかもしれません。雅子さまのセットアップは襟やボタンなどのアレンジを加えながら結婚間もない頃から長くお召しになられているもの。今回は、パールの2連のネックレスに胸元にはブローチをあしらわれ、小物は黒でまとめたシックな着こなしに。緑が引き立ち、天皇陛下とのカラーリンクがより印象的に見えます。雅子さまが小物などで雰囲気を変え着回される時、天皇陛下もネクタイの色やデザインを少し変えていることが多く、印象的です。
雅子さまが和装の時も円満コーデは健在
両陛下が着こなしをリンクされるのは洋装だけではありません。11月、若草色を基調としたネクタイをされた天皇陛下と一緒にご会見に臨まれた際は、若草色の訪問着に菱文様の帯をお召しになられていた雅子さま。淡いトーンが秋晴れに映え、雅子さまの優しい表情をより引き立てているよう。同月17日にキルギスの大統領夫妻を皇居に招かれた際は、ペールイエローの訪問着×菱文様の帯をお召しに。淡い色の訪問着を、菱文様などラインが印象的な帯で凛とした強さを添える着こなしが定番になりつつあるようです。
イベントにちなんだマリンカラーをリンク
ネイビーにストライプが効いたネクタイに、チャコールグレーのスーツを合わされた、奥行のある配色センスが素敵な天皇陛下と、セットアップのワンピースでネイビーをリンクさせた雅子さま。雅子さまは、「全国豊かな海づくり大会」を意識されてか爽やかなマリンカラー配色(ネイビー×白)で、海からの贈り物でもあるパールのジュエリーで華やかな品格を添えられています。天皇陛下は、スーツにネイビーを選ばずチャコールグレーにされ、リンクカラーを抑えるさりげなさに洗練された雰囲気を感じます。
時には、アイテムをリンクされることも
ご公務ではないので、皇室の方々の素に近い着こなしを見ることができる御用邸での取材。天皇陛下はいつもよりリラックス感のあるアイスブルーのシャツ、ベルト、ネイビーのスラックスという着こなし。雅子さまも、シャツ×ベルト、パンツと同じアイテムを使用した着こなしでアイテムをリンクされ、シャツだけブルーを選ばれささやかなカラーリンクも。珍しく愛子さまはまったくリンクしないグリーンを基調とした小花柄のワンピースをお召しに。自然豊かな背景になじみながらも、ご家族でお写真におさまった時のアクセントになられていました。
文/味澤彩子