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【女性皇族10方】雅子さまは紅葉、愛子さまは扇…お着物に込められた想いとは?「秋の園遊会」ファッション

(C)JMPA

10月30日に赤坂御苑にて開催された天皇皇后両陛下主催の秋の園遊会。女性皇族方のお召し物が和装だった今年は、愛子さまの園遊会初の和装とあって注目を集めました。今回の園遊会での女性皇族方の装いの注目ポイントを、放送作家で皇室ライターのつげのり子さんに伺いました。

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今回の注目ポイントは?

「秋の園遊会でお披露目された、女性皇族方の雅やかで麗しい和装の着こなし。女性皇族の割合が圧倒的に多いので、より華やかに感じられました。みなさんが一列に並ばれると、お色かぶりなく、まるでカラーパレットのように美しく圧巻。各々のお人柄や個性が表現されていると改めて感じました」(つげさん、以下同)

各皇族方のファッションをCHECK!

※本記事では秋の園遊会での女性皇族方のご整列順に即してご紹介しています

雅子さま

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クリーム色の地に、紅葉を迎えたもみじが鮮やかに描かれた訪問着を選ばれた雅子さま。平成最後の年の園遊会では「緑から赤へと色が移りゆくもみじ」の柄で、ご自身のお立場の変化に伴うご心情を表されているように感じましたが、今回は紅葉したもみじの文様。皇后としての役割を果たすご決意を表されているのかもしれません。帯は1999年、2018年でも選ばれていた愛用の菱文様の袋帯。自然を描いた優しいお着物に、帯で知的でシャープな要素を加えられた雅子さまらしい洗練された着こなしです。

紀子さま

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透明感のある桜色に四季折々の花々が可憐にちりばめられた柔らかく華やかな訪問着。小さな花々の静かな佇まいに癒されている…そんな紀子さまのご様子が感じられます。普段は、花の文様でまとめられていますが、今回は古典楽器の琵琶や笛が描かれた、楽器の文様が印象的でした。帯は華文の入った可憐な雰囲気のもの。紀子さまの優しい表情にマッチしています。

愛子さま

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今回が園遊会での和装デビューとなった愛子さまは、天皇家の十六葉八重表菊の紋がはいった三つ紋の振袖をお召しに。地の色は、初の地方ご公務、初の園遊会(洋装)、学習院大学の卒業式でも選ばれていた、愛子さまの美しい肌を引き立てるサーモンピンクの濃淡。末広がりなことから繁栄を意味し縁起が良いとされる扇面に、四季の花々が描かれ、華やかで初々しさと愛らしさが溢れるお姿に思わず目を見張ります。平成5年の納采の儀や宮中茶会では、雅子さまが扇面が描かれた振袖をお召しになっているので「縁起がいいものだから」と、アドバイスをされたのかもしれません。

佳子さま

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佳子さまがお召しになった、流水の中に菊があでやかに咲き誇る振袖は、以前、姉の眞子さんが2016年のパラグアイご訪問時に着用されていたもの。現在は異国で暮らす眞子さんへの想いを表されているのかもしれません。佳子さまは、この振袖をご自身の20代最後の誕生日にもお召しになっており、思い入れの深い一枚のようです。地の色は水色ですが、菊の色を拾って帯の色をリンクさせ全体をまとめる着こなしは、さすがおしゃれな佳子さまです。

華子さま

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上皇陛下の弟である常陸宮さまの妃、華子さま(写真中央)。旧華族のご出身らしく、品が良く洗練された和装の着こなしにはファンが多いことで知られています。本金箔の斜め取りに、友禅で染め上げられ、手刺繍がほどこされた紅葉が浮き立つように麗しい訪問着。流れるような柄の訪問着とは対照的な、直線的な格調高い松菱文様の帯を合わせられ、正統派の見事な着こなしで注目を集めていました。

信子さま

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昭和天皇の弟、三笠宮崇仁親王の長男である故・寛仁親王の妃、信子さま。松の柄が描かれた淡い藤色の訪問着に、濃い紫地の雲取り文様の帯のカラーグラデーション、帯と調和する金の草履、そして帯からたらした懐中時計と思われる翡翠のような飾りのグリーンのアクセント。シックながら全身の統一感ある着こなしが計算し尽くされた信子さまの着こなしです。凛としていてブレない強さを感じさせる装いには、近年、積極的にご公務に出席され、その役割を全うされようとしている意思が感じられます。

彬子さま

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信子さまのご長女、彬子さま。青、紫、白など彩り豊かな大小の紅葉の総模様が施されたモダンな訪問着は、和装の達人、華子さまがかつてお召しになられていたもの。緑の地に正倉院華文が目を引く豪華な帯には、繁栄を意味する扇形のべっ甲の帯留めをアクセントに。金の輝きに、べっ甲の異なる質感の艶を重ねた、粋な着こなしです。伝統を大切にし、受け継ぎ伝えていきながらも、型にはまらない、彬子さまらしさが垣間見られます。

瑶子さま

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彬子さまの妹、金髪とピンクのメッシュが話題を呼んだ瑶子さま。鮮やかな若葉のような裏葉柳の地色の訪問着を主役に、金髪、訪問着の金箔、帯、草履と、全身要所要所に金色が効いており、ヘアメークまでもが着こなしの一部として計算されているのがうかがえます。パールの帯留めも上品なアクセントに。伝統の中にモダンな要素がちりばめられた着こなしは、ユニークで革新的な言動で注目を集めることが多かったお父様の寛仁親王の要素を受け継がれているのかもしれません。

久子さま

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三笠宮崇仁親王の三男、故・高円宮憲仁親王の妃、久子さま。裾に向かって広がっていく流水文様に、紅葉や、梅、水仙などの四季の草花がちりばめられた訪問着を。一目見るだけで華やかな印象をもたらす、上半身に柄をつくした訪問着とは違い、和装を知り尽くした上級者こそ着こなせる一枚です。若くして、高円宮憲仁親王を亡くされて数多くの名誉総裁職、公務をこなす久子さま。波瀾万丈な人生の中、運命に逆らわずに生きていく想いを、その柄で表されたのかもしれません。

承子さま

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久子さまのご長女、承子さま。和装でも洋装でも大胆で鮮やかなお召し物が印象的な承子さまらしい、躍動感のある柄が特徴的な訪問着。地の色が淡い分、四季の草花や紐文様が引き立ちます。淡い訪問着に緩急をつける、藍色やオレンジ、プラチナ箔が際立つ艶やかな帯の選びもファッショナブル。着こなし全体が、アート作品を見ているようで眼福です。

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来年の「春の園遊会」でも女性皇族方の装いは和装が予定されています。桜が彩りを添え、華やかなお召し物が見られる春が今から待ち遠しいですね。

教えてくれたのは…
放送作家・皇室ライター
つげ のり子さん

テレビ東京系『皇室の窓』の放送作家。2001年の愛子さまご誕生以来、皇室番組の構成を担当し、皇室研究をライフワークとしている。ワイドショーから政治経済番組、ラジオまで様々な番組の構成を手掛け、現在は西武文理大学非常勤講師も務める。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)『素顔の雅子さま』『素顔の美智子さま』(ともに河出書房新社)などがある。

取材/味澤彩子

11月15日、三笠宮妃百合子殿下がご薨去されました。謹んで哀悼の意を表します。【編集部】

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