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久しく使っていない”推理脳”を超刺激!【大久保佳代子のあけすけ書評】

まんまとミスリードされ、 最後に「えっ??」と驚いて最初から読み返す。 しばらく使ってない推理脳が刺激されていい脳トレになります

SNSや口コミで話題となっているこの作品。「もうひとつの〝真相〞をあなたは見抜けるか?」という帯コメントの挑発を受け、興味津々でトライ。が! 正直言って完敗でした。話は4 章にわかれていて、1 章の最後に種明かし的なヒント画像がついているのですが、私はそれを見てもまったく謎が解けず、もう一度読み返すもピンと来ず。 とうとう禁断の「ネタバレサイト」に手を出したほど。やっと 8 割ほど答え合わせができてスッキリしたものの、それでも残り2 割はまだモヤモヤ。確かに普段、推理ミステリー系って読まない。最後の推理小説と言えば、 小学生時代にハマった赤川次郎氏の『三毛猫 ホームズ』シリーズ。三毛猫がヒントをくれ るから、簡単に謎解きができて楽しかった記憶が。

ストーリーは連作短編が 3つと最終章。登場人物は重なっていて、とある町の自殺の名所で起こった〝事故〞から物語が始まります。 第1章は「誰が死んだのか?」がカギ、第2章は「なぜ死んだのか?」、第3章は「罪は誰のものなのか?」、そして最後はどんでん返し的なオチが待っているのですが、そこまでの仕掛けが見事。細やかでリアルな描写に夢中になってストーリーを読み進めていると、 至るところにちりばめられているトラップに全くもって気づかない。三毛猫並みの読解力 で止まっているせいか、巧みな伏線に誘導されるがまま、作者の思うツボに。改めて、私って騙されやすい簡単な女だと実感。思い込みや先入観というのは強固なもので、一度思い込むとずっとそういう目線で読んでしまう。ネタバレサイトを読んだ後で読み返すと、文章の意味がまるで違って感じられ「えっ? そうなの? じゃあ、あれは…」ともう驚愕の連続。自分の第一印象をひとつひとつ覆し ていく過程は、爽快でもあり快感です。自分の頭の固さ、違和感を覚える感性の足腰が弱っていることに失望しつつも、脳が大いに活性化され刺激をいただきました。

あと、この作品を読んでいたら、後輩芸人(男子)に 「僕も読みました!」と声をかけられ、「あれはどういうこと?」と疑問をぶつけあい大盛り上がり。話のネタにもってこいです。 40 代になると、選ぶ作家はたいがい決まっていて、 ジャンルも日常を描いた恋愛系と限られてく る。要は、読みやすい作品を選びがち。これだと、いつもの読解力を使い脳的には楽をしているような感じが。楽をしてばかりだと老化が進みます。徐々になくなってきている好奇心を、今一度奮い立たせ新しいモノにチャレンジしていかないと。本だけじゃなく髪型や洋服や人間関係も。今回で、すっかり衰退してしまった推理脳が少しは目覚めたはず。 次に謎解きミステリーを読む時には、ネタバレサイトを見ることなく自力で解決してやろうと思います。

『いけない』 道尾秀介 文藝春秋 ¥1,500 巧妙に張り巡らされた伏線にミスリードされ、各章のラスト1ページでビックリし、騙された自分にガッカリするけど快感で爽快! SNSや口コミで大ヒットの体験型ミステリー。
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おおくぼかよこ/ ’71年、愛知県生まれ。千葉大学文学部文学科卒。’92年、幼なじみの光浦靖子と大学のお笑いサークルでコンビ「オアシズ」を結成。現在は「ゴゴス マ」 (TBS系)をはじめ、数多くのバラエティ番組、情報番 組などで活躍中。女性の本音や赤裸々トークで、女性たち から絶大な支持を得ている。

取材・文/柏崎恵理
※2020年4月号掲載
チームSTORY
FROMチームSTORY 雑誌「STORY(ストーリィ)」の製作に携わる編集部員たち。日夜雑誌作りに勤しむなかで得た知見、タメになる情報、愉快な話などなどファッションからライフスタイルまで、STORYらしさ溢れるトピックを、webでも存分に披露していきます。
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