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「子宮頸がん」ならないために今できること【40代からがんを考える】

STORYwebでは【40代からがんを考える】をテーマに、大腸がん・乳がんとお伝えしてきましたが、今回は「子宮頸がん」「子宮体がん」「卵巣がん」について東邦大学医療センター 大橋病院 産婦人科教授・田中京子先生にお話を伺いました

「子宮頸がん」から命を守るために大切な情報の【後編】は、「予防と早期発見」そして先生からSTORY世代へ注意すべき大事な点についてお伝えします。

>>【前編】はこちら


【後編】 予防と早期発見

Ⓒ 田中京子先生

~予防~

子宮頸がんの原因は、「ヒトパピローマウイルス」(HPV)というウイルスへの感染であることがわかっており、なかでも特にリスクの高い2種類のウイルスを防ぐワクチンは2013年以降日本にもあるため、予防という点ではワクチン接種が一番有効な方法です。

しかしワクチン接種後、痛みやしびれ、全身の脱力などさまざまな重い症状が現れる方が、一時ニュースでも大きく取り上げられたことで、現在ワクチン接種をする方は非常に少なくなっています。いまだに因果関係は明らかになっていません。

~早期発見~

初期症状がない「子宮頸がん」を、早期発見するためにはやはり検診しかありません。20歳以上は2年に1回、子宮頸がん検診を受けることが推奨されています。検診費用は一部を公費で負担してくれる自治体が多くあります。

一般的な検診は、ブラシや綿棒のようなもので子宮頸部の細胞を採取して、異常がないか検査する「細胞診」です。

――予防するためには、やはりワクチンなんですね。副作用が心配で…

田中先生
因果関係がはっきりしていないため、日本では接種が進んでいませんが、世界では多くの方がワクチンをうっていて、ワクチンと子宮頸がん検診が進んでいるオーストラリアでは2028年には新規の「子宮頸がん」はほぼいなくなると言われています。

――でも、ワクチンを接種しても絶対にかからないわけじゃないので、検診はしなければいけないと聞きました。

田中先生
その通りです。ワクチンは一番「がん」になりやすい2種類のウイルスをブロックすることしかできませんが、2種類で7割くらいはブロックできると言われています。あと3割を防ぐためには検診ですね。

――ワクチンについてニュースで取り上げられていた時期、娘に接種させるかどうか迷いましたが、“どうせ検診しなければいけないなら、接種しなくていいのでは?”と思ってしまったんです。

田中先生
きちんと検診してもらえれば、それも一つの選択肢だと思います。でも日本では検診の受診率はまだまだで、全体で30%程度というところでしょうか。90%程度の検診受診率にワクチン併用する海外では「子宮頸がん」がなくなるかもしれませんが、日本でなくなることは当分なさそうです。

――検診は2年に1回で大丈夫ですか?

田中先生
すぐに「がん」になるわけではありませんので、2年に1回で十分だと思います。もし、会社の検診などで毎年受けられるのであれば、毎年受けておいてください。

―― 子宮頸がん検診は、何歳くらいまで受ければいいのでしょう?

田中先生
80歳でも「がん」になることはあるので…。ただ、ある程度の年齢まで検診して陰性であれば、3年に1回などだんだん間隔をあけてもよいかもしれません。

――ワクチン、検診以外では予防する方法はありませんか?

田中先生
コンドームを使用するといいと言われています。あと喫煙はリスクになります。理由ははっきりしていませんが、罹患した方としていない方を比べると、明らかに喫煙率に差があります。

田中京子先生からSTORY世代へ伝えたい「2つの注意点」

①検診を受ける場所は、よく吟味する!
「家族に『がん』罹患者がいたため、自身も検診は欠かすことなく14年間同じ先生に診てもらっているという方がいました。ある年、その先生の病院が休診だったため別の病院で検診を行ったところ細胞診で疑陽性となり、私のところに来たときはⅡ期の『子宮頸がん』だったんです。
なので、検診を受けることはもちろんですが、検診の病院や先生を変えてみるのも良いかもしれません。HPなどを見るとその先生の専門などが分かる場合がありますので、一度チェックしてみてください」

②妊娠中の検査結果は100%ではない!
「妊娠中の子宮頸がん検査は、ひっかからないこともあるということを覚えておいてください。妊娠中の子宮頸がん検査は、出血しないように綿棒を用いてやさしくこすって細胞を採取しようと思うため、きちんと細胞がとりきれない場合があります。そのため、妊娠中の結果で安心しすぎず、出産後も定期的に検診を受けるようにしてください」

〇 お聞きしたのは… 田中京子先生

東邦大学医療センター 大橋病院 産婦人科教授

1994年慶應義塾大学医学部卒業後、慶應義塾大学病院産婦人科、国立病院機構埼玉病院産婦人科医長を経て2020年より現職。日本産科婦人科学会専門医、産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編、子宮頸癌治療ガイドライン第4版作成委員。

取材/篠原亜由美

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