伊豫さんのお仕事は…
RABO,Inc.代表
RABO,Inc.は、伊豫さんが立ち上げた企業で、「猫と飼い主が1秒でも長く一緒にいられるように、猫の生活をテクノロジーで見守る」ことをコンセプトとした企業です。具体的には、猫専用の首輪型のウェアラブルデバイス『Catlog®︎(キャトログ)』を、専用アプリにつなげ、お家で留守番している猫のようすを、事細かに把握できるシステムを開発し、販売しています。これは、全国の愛猫家のハートをぎゅっとわしづかみする商品で、瞬く間に大ヒット。2020年にはグッドデザイン賞を受賞。メディアにも広く紹介されています。
東京海洋大学大学院博士前期課程修了。ペンギンやオオミズナギドリに小型センサーをつけ行動生態を調査するバイオロギング研究に従事。卒業後、リクルート、他スタートアップ企業を経て、2018年2月22日の猫の日に、株式会社RABOを創業。
Catlog®︎ってどんなもの?
好きを仕事にしようと思ったきっかけis…
子どものころから動物が大好きで、大学院時代は、“バイオロギング”研究に明け暮れていました。「海洋生物の生態は、目で観察することができないので、体に害のない形でセンサーを取り付け、データを収集し解析します。それによって、見えないところにいる生物を観察するんです。当時は、地方の無人島でキャンプ生活までして、研究に没頭しました」。
ところが、卒業後は、一見畑違いのリクルートに入社。「最初の2年は営業をしましたが、その後はプロダクト開発を長く担当しました。学生時代と全く違うようにも見えるのですが、人間の行動や価値観を解析して、それをサービス開発に落とし込むという点では、共通点が多かったですね」。その後、広報などの仕事を経て、10年を区切りにリクルートを卒業し、いくつかのスタートアップ企業にも転職しました。
「2016年にのちにCCOとなるブリ丸をお迎えしたのですが、共働きで、2人とも家にいないとき、ブリ丸が何をしているのかわからず、心配でした。お迎えした時はまだ子猫様だったので、健康上の不安は少ないにせよ、こんなに大切な家族の一員なのに、見守れないのは不満でした」。そんなときに、思い出したのが、学生時代に専攻した「バイオロギング」。「この手法を使えば、愛する猫様の見えない時間を見える化できる! 猫様のストーキングができると思ったんですね(笑)」。さらに、伊豫さんには、リクルートやスタートアップで蓄積した、十分なプロダクト開発力も備わっています。「これは私にしかできないことだ、と気づいた瞬間、衝撃が走りましたね。早速市場調査をしたところ、多くの愛猫家が欲しいと思っているサービスだということがわかり、これは製品になる! と確信しました」。
そうして、2018年2月22日、猫の日に、RABO, Inc.を立ち上げ、同じ年10月から、クラウドファンディングで開発資金を調達しました。その際、開始から1時間で目標額に達成したというのですから、いかに多くの愛猫家が熱望していたアイテムだったのかがわかるというもの。翌年には製品化したCatlog®︎の販売を開始。現在は、さらに、Catlog®︎第2弾のプロダクトとして、尿量や体重を記録できる「Catlog®︎ Board」を開発中です。
「すべては大好きな猫様のためにやっているので、仕事という感覚がなく、大変とはあまり思わないんです。本当にこれこそ“好きを仕事に”ってことかもしれないですね」
好きを仕事にするまでのスケジュール
誕生。幼少期から動物が大好きに
1994年
中学生のとき、実家で猫様との暮らしがスタート
2000年
海洋大学に進学。バイオロギングを専攻
2006年
同大学院を卒業し、リクルートに入社
2016年
リクルートを卒業し、スタートアップへ
のちのCCOとなるブリ丸を迎える
2018年2月22日
RABO,Inc.を起業
2018年10月
Catlog®︎のクラウドファンディングをスタート
Catlog®︎を発売
2020年10月
Catlog®︎Boardのクラウドファンディングをスタート
間もなくCatlog®︎Boardリリース!
次の事業展開も進行中