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Lifestyleジェーン・スー×HARUKO「四十女、しじゅう悩みどおし!」

子や妻に”自分勝手”が当たり前と思っている男たちって・・・【ジェーン・スー×HARUKOの人生相談Vol.5】

40代女性の気持ちを代弁するような明快な語り口が人気のコラムニスト、ジェーン・スーさん。新聞やラジオ、雑誌で多くの方のお悩みに答え、その胸のすくような回答には励まされる読者も多数。
一方、波乱万丈の人生経験を持ちながら、いつも前向きで飾り気がない人柄で、誰からも愛されるモデルのHARUKOさん。歯に衣着せぬ語り口で、仲間のお悩みにさっと答えてくれると評判です。
そんなおふたりに『STORY』読者の真剣なお悩みに答えていただきます!

<PROFILE>

ジェーン・スーさん

コラムニスト。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」(月〜木11:00〜)のパーソナリティを担当。毎日新聞をはじめ新聞・雑誌で数多くの連載を持つ。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』は、第31回講談社エッセイ賞を受賞。近著に『これでもいいのだ』。

HARUKOさん

モデル。短大時代、『JJ』にて山田明子(はるこ)の名でデビュー。以来、数々のファッション誌で活躍。’03年に結婚後、九十九里浜に移住、長女を出産。’12年に離婚。HARUKOに改名し、現在『STORY』にて活躍中。趣味はサーフィンと読書。


〜 第5回 〜

★ 父、夫、義父問題

父、夫、義父。男性って、自分の親や妻の年老いてさまざまなことができなくなったり、体調悪くふさぎ込む姿を、受け入れられないものでしょうか? 娘(特に長女)、妻、嫁である私にすべてが覆いかぶさってきて、自分のことは何もできず頼るのにイライラします。そのくせ、ジェンダー差別も甚だしいので、よりいっそう頭にきて、我慢しつつもたまにドカンと爆発したいです。(A.Hさん/44歳/自営業)
ジェーン・スーさん
ジェーン・スーさん
私の知り合いにも、ふたり、同じような経験をした人がいます。自分の育てのお婆ちゃんが亡くなったとき、彼氏がものすごく不機嫌になったんですって。事実を受け止められないんですよね。もう一人は、彼氏と一緒に旅行に行っている最中に、彼が急に機嫌が悪くなったのだそう。帰るまで理由を言わなかったのだけれど、問いただしたら、お母さんに大病が見つかったって言うんですよ。でも、女性だったら、そんな態度絶対に取らないですよね? 聞いてもらいたいなら、ちゃんと話すし、言いたくないなら、悟られないようにするし。パートナーに当たり散らしたりしない。
HARUKOさん
HARUKOさん
そうですよね。男の人ってそういうとこ、ありますね。うちの父親も自分の母親が亡くなりそうなときに、全然お見舞いに行かなかったんですよ。自分の親が弱っているのを直視できないんですね。最後死ぬ間際にも、おばあちゃんは、父が来るのを今か今かと待ってたのに、ついに行かず、死に目にも会えなかった。それで、あとから「母ちゃんに悪いことした」って泣くんですよ。
ジェーン・スーさん
ジェーン・スーさん
亡くなった後に「俺がバカだった」って。なら、生きてるうちにやれって思いますよ。男の人って、妻や親が歳をとっていくのが不安で、本当にどうしていいかわからない人も多いみたいですね。それでなぜか、こっちに当たってくる。しかも、無自覚にですよ。人をサンドバッグだと思ってるんでしょうかね。そういう場合は、鈍感なふりして、こちらが思っていることを、どんどん口に出して言わないといけない。戦ってほしいです私は母を早くに亡くし、父親の面倒を見てるんですが「そういうの、下品だからやめた方がいいと思う」とか「そういうことをされると私はこういう風に思う」みたいなことをはっきり言います。すると、父は一瞬ブチ切れたりするんですけど、こちらがシレッと平気な顔していると、いずれおさまります。ちゃんと言えば、少なくともこっちにストレスはたまらない。
HARUKOさん
HARUKOさん
実の父親の方が、義父より強烈かもしれないですよね。
ジェーン・スーさん
ジェーン・スーさん
色々先回りしてやってあげて、当たられても飲みこんであげるのが、昭和のいい女でしたよね。でも、令和のいい女はそんなことしない。
HARUKOさん
HARUKOさん
私の母は、自分の両親、義理の両親の4人の世話をして、見送ったんですよ。母は「死ぬ間際に『本当にあなたのこと大好きなのよ』って言ってもらって、報われたって言ってました」。もしかしたら、そういうバージョンもあるかもしれないけど、それこそ、昭和のいい女。私にはできない。
ジェーン・スーさん
ジェーン・スーさん
他の連載にも書いたんですが、父の家に、週一でお手伝いさんに来てもらっていたんですね。でも今のお手伝いさんって、ハウスキーパーのスタッフさんっていう感じで、契約でしてもらうことの内容が決まっていて、昔の家政婦さんとは違うじゃないですか。でも父は、昔、家にいたお手伝いさんと同じだと思っていて、掃除の仕方がどうのこうのと文句を言ったり、頻繁にスタッフさんを変えて欲しいと言ったりするんです。この間も電話してきて「今の人をやめさせてくれ」ってすごい剣幕で私に言う。本当に疲れたので、「前も話した通り、やってもらえることの範囲は、昔とは全然違うの。私はあなたのクレーム係じゃないし、そもそもお金払ってんの私だし。もう、うんざりなので、“なしで”」って言ったんですよ。そしたら「じゃあ、俺が営業の人に話す」とかいろいろ言ってきて。でも「いやもう、全部“なし”で」と言って、一回ポチッと切りました。まるで、子育てですよ。「もうお母さんは知りません。勝手に汚い家で暮らしなさい」みたいな(笑)。昭和の爺は、まわりの人が自分の機嫌を取って当たり前だと思ってるんですよ。本当に困ったらまた言ってくるだろうし、しばらく放っておきます。
HARUKOさん
HARUKOさん
そうですよね。なんでもこちらが飲み込んでたら、どんどん時代遅れになっちゃって、本人にとっても不幸ですよね。令和のいい女は、ピシッと言うべきことは言わないとですよね。

当連載は毎週金曜日配信です。
お二人に相談したいことを募集中です。storyweb@kobunsha.comまでメールでお送りください(お名前はイニシャル等匿名で掲載します)。採用された方にはQUOカードをプレゼントいたします。

撮影/吉澤健太 取材/秋元恵美

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