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「花に満ち溢れたヨーロッパの街並みに魅了され続けて、ようやく見つけた好きな仕事」 丹澤 優美子さん 【趣味キャリ生き方図鑑 vol.18】

人生100年時代。一つの仕事・肩書きだけで働くというモデルそのものが変わりつつあります。結婚や出産等がきっかけで、それまでとは全く違った仕事や働き方をスタートさせるケースも珍しくありません。STORY読者の間では“好き”を仕事にして、耳慣れない肩書きで活動している人が増えています。そんな人生のセカンドキャリアをスタートさせた方を取材。第18回目は、パートとして勤めた花屋でこれが天職だと気づき、移動花屋を始めた丹澤優美子さんのお話です。

丹澤さんのお仕事は…
移動花屋

10年間、パートで勤めた大手花屋で花屋としてのキャリアを積み、「移動花屋なら心ときめく空間を一瞬で届けることができる」と’19年にカフェのイベントに参加。イベントや花屋に来られない場所の方へも出向き出店。丹澤さんの世界観に魅了されたリピーターのお客様も多く、長い列も。一緒に出店してたいた移動カフェをしている方との繋がりでカフェの一角にお店を持つ話が舞い込んできたため、「チャンスを逃してはいけない!」と今年5月に店舗もオープンされました。

丹澤 優美子さん(41歳)
プロフィール
結婚後、大手花屋に勤務のち、移動花屋「Hanano」を立ち上げカフェの店頭やイベントなどに出店。‘21年5月川崎市の溝の口に店舗を構える。そこを拠点に移動花屋として、花屋の空間をさまざまな場所へ展開していく予定。
住所:神奈川県川崎市高津区久本3-1-14 eM/PARK BLDG.1階「ESKY COFFEE By Izzy’s Café」内
キャンプと海とヨーロッパが大好き2児の母。
Instagram:https://www.instagram.com/hanano.yumi/
facebook:https://www.facebook.com/Hananoyumiko/book

好きを仕事にしようと思ったきっかけis…

移動花屋ならば、心ときめく花屋の空間をどこへでもお届けできると思ったから

仕事のことを振り返ると、まず父のことを思い出します。父は動物園の飼育員で、定年まで本当に楽しく生き生きと働いていました。「なんで? どうしたらそんな仕事に巡り合えるの?」と父のことを見ていた私の20代は、大好きなヨーロッパへ旅をするために働く、そんな働き方でした。

学童保育の指導員、塾の講師、カフェやレストランの接客、ボトルウォーターの販売の営業、テレアポ、受付、デスクワークなど、あらゆる仕事が長続きしませんでした。「それも悪くない。仕事はお金を稼ぐ手段で、楽しくなくても仕方ない」と“そんな生き方もある”と自分で納得して、旅を繰り返していたんです。私がヨーロッパばかり旅していた理由は、花に溢れる街並みが大好きで、石畳の路地を歩き回ってはその風景を楽しめたから。ずっと憧れのヨーロッパに刺激を受けていました。

私が花に関わるきっかけになった出来事は結婚でした。私に主人が言ってくれた「これからは自分の好きなことをすればいいよ」の一言。一度も仕事が生きがいになったことのなかった私が自分の好きを探し始め、巡り合ったのが花屋の仕事でした。

元々小さい時から花や植物が好きで人よりかは名前も詳しかったんです。そして何かを作ることが好きで、何より人に喜んでもらうことが好き。冬は水が氷のように冷たいのですが、私は初めて仕事が楽しいと思えました。「いつか素敵なブーケが作れるようになりたい」と花に関する勉強や練習も、夢中になれる自分がうれしく思いました。初めて飽きることなく大好きな仕事を見つけて「いつかはお店を」という夢は膨らみました。

美容院で「花屋をやりたい」と話していたら、「あそこでイベントがあるよ」と教えてもらい、それが縁でカフェに移動花屋として出店させてもらうことができました。私の作ったリースを喜んでくれたお客様の笑顔がうれしかったですね。コロナ禍で出店を自粛した期間もありましたが、マンションの生け込みの仕事などをいただき、花に対するワクワクは止まることがありませんでした。

車を買い替えるきっかけもあり、自分好みの色などを指定して改装を委託。少しずつ私らしい形になってきたと思います。イベントで同じ移動販売をしていた方にも声をかけるなど体当たりで営業(笑)し、段々と販売できる場所が広がりました。今年チャンスがあり店舗も構えることができましたが、移動花屋は私のライフワーク。その空間を一人でも多くの人に届けられるように、父のように生き生きと楽しく仕事をしていきたいと思っています。

好きを仕事にするまでのスケジュール

2006年
ヨーロッパへ一人旅。
その世界観に魅了され、フリーターとして働きながら資金を貯め、またヨーロッパへ旅を繰り返す
2010年
結婚
2011年
大手フラワーマーケットのパートを始め、花の世界に入る
2012年
第1子誕生
2014年
第2子誕生
2019年
移動花屋としてカフェやイベントに出店
2021年5月
店舗“Hanano”オープン

1日のスケジュール

6時50分の子どもの起床時までに市場から帰宅することはマスト! 市場での花選びに悩むと時間が間に合わない。けれどもどのお花もかわいいので、毎回大変なんです。そして市場の花は水揚げがされていないので、たっぷりの水につける水揚げは大切な作業。朝は時間との闘いなんです(笑)。子どもを寝かせつけながら、自分もうたた寝してしまうことはよくありますね。夫が帰宅する時間にまた起きて、ビールで晩酌をしながら一日の疲れを癒しています。

1週間のスケジュール

カフェの一角の2畳ほどのスペースが店舗で、そこのカフェなどで火曜日はワークショップをしています。 住所:神奈川県川崎市高津区久本3-1-14 eM/PARK BLDG.1階「ESKY COFEE By Izzy’s Café」内 *今後は店舗を拠点にイベントや他のカフェのパーキングで移動花屋として営業していく予定です。

丹澤さんに3つの質問!

この仕事をしてうれしいなと感じる瞬間はどんなとき?

お花好きなお客様と大好きな花について会話が楽しめる時と、自分がお作りしたギフトがお客様に喜んでいただける瞬間は最高で、この仕事をしている醍醐味です!
あとはお客様に「Hananoさん」と呼ばれるときですね。実は店舗の名前を決める時は、フランス語の名前だったり、好きなお花の名前を候補に挙げていました。しかし主人にどう思うか尋ねたら、「どれもいまいちだなぁ!」と言われてしまいショック! そして主人からの提案されたいくつかの名前の中に、“Hanano”があったんです。今は丹澤さんではなく、子どものママでもなく、「Hananoさん」と呼んでくれる方ができてうれしいですね。「Hananoさんの世界観が好きなんです」と言ってくれるお客様の声が本当にうれしくて、やる気に繋がっています。

「Hanano」のこだわりは?

手作りのリースも販売していることが私の移動花屋の特色です。
ナチュラルな雰囲気が好きなので、造花はできるだけ使いたくないと思っています。天然の色合いに何とも言えない魅力があるので、天然素材でお作りしたい。色あせていく様子まで楽しんでほしいです。リースは購入していただいてもうれしいのですが、プラモデルと一緒で作る楽しさもあるんですよ。作っている時間が一番楽しいと思うから、それをお伝えするためにワークショップもしています。リースのご購入はオーダーでお作りが確実です。インスタのダイレクトメールでも大丈夫です。あと花束は、英字新聞と麻紐にこだわっています。英字新聞に関しては「花が映えるのはこの色」と、そこまで特色はないのですが、実は細部までこだわっています(笑)。

今後の展望を教えてください。

今ある店舗を魅力的な空間にしていくことはもちろん、病院や高齢者施設など、なかなか花屋に行けない人のために、出張花屋のカタチとして“お花屋”をお届けできたらいいなと思っています。

私は“キャトル・リーフ”というNPO法人のボランティア団体で、病院や高齢者施設など、なかなか劇場に行くことのできない方のもとにミュージカルをお届けする活動をしていました。自分が好きなダンスとお芝居が、患者さんやご入居さんの笑顔に繋がることが本当にうれしくてやりがいを感じ、大学を卒業してから20年間近く、全力を注いでやってきました。

「移動花屋なら、花屋に行きたくても行けない方のもとへ花をお届けできるのでは」と自分の中で繫がったことがきっかけです。プレゼントでもらう花だけでなく、自分で好きな花を選ぶワクワクを届けられればいいなと思っています。同時に花屋が抱える「ロスフラワー」(廃棄する花)の問題を、今後医療や福祉に役立てる取り組みをしたいと思っています。ボランティアに傾きすぎてもいけませんが、やりがいとバランスを取りながら、長く続けていきたいと思っています。

撮影/BOCO 取材/孫 理奈

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