もともとは親たちの〝粋な計らい〟だったのが
どんどんエスカレートして保護者間のヒエラルキーにもつながってしまった
少年野球はお手伝いが少ないよ~(笑)。と言いたいところですが、今のほうが確実に親の負担は増えています。僕の時代、親は全く手伝っていなかった。昔は「練習中に水を飲むな!」の昭和時代。今はしっかりした指導者も多く給水タイムを必ず取る。そのぶん水や氷もたくさんの用意が必要で、親の役割は当然増えます。
ですが、「監督にお茶やお弁当を出す」「祝勝会で監督にお酒を飲ます」といった〝接待当番〟は全く必要ありません。なんでこんなことになったのか、調べてみたところ、元は保護者の方々が〝粋な計らい〟として監督にボランティアでやっていたんです。
「飲み物を持ってきました」「ありがとうございます!」――その関係が次第にエスカレートして、保護者会で「こうやったら監督がもっと喜ぶよ」という話になり、監督も「やめてください」と言わず、天狗になり、そのうち当番を守らない親の子は試合に出られなくなってきて……親の間でも上下関係のヒエラルキーができてきた。
親の当番制は全くいらない、とは思っていません。子どもに何かあった時のための「見守り当番」は、どのスポーツにも必要。ただ、子どもを試合に出すための接待当番は親のエゴ。全く必要ありません。
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撮影/吉澤健太 取材/東 理恵 ※情報は2021年11月号掲載時のものです。