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コロナ禍もやっとひと段落……。
だといいのですが、いずれにせよレストランや国内旅に行きやすくなったのは事実です。
そろそろあちこちと出かけないと、私たちのストレスもMAXですよね。
まだ海外にはちょっと行きづらい今、これからの国内旅について、考え直してみました。
子どもが小さくて、この記事にあるような旅は無理、という方もいるかもしれません。ごめんなさい。
でも、40代女性には、
「子どもが大きくなって、やっと自分が行きたいところへ旅に出られるようになりました」
「子どもはいないのですが、夫婦2人旅もマンネリ化して……」
「ずっと独身です。旅の情報は常に更新しています」
など、旅に対するアプローチもさまざまです。
いずれにせよ “今までとは違う旅” を求めています。
今回、箱根への1泊2日旅の中で、
これからの40代の旅のあり方、楽しみ方について、思いを巡らせてみました。
行先は【ふふ 箱根】。
ラグジュアリー温泉旅館の「ふふ」といえば、ご存じの方も多いでしょう。
2007年12月に【熱海 ふふ】ができたときには、雑誌をはじめ、さまざまなメディアで取り上げられ、観光地・熱海のリブランド化にも一役買いました。
その後も「ふふ」は河口湖、奈良、日光、京都へと展開し、今年の1月にOPENしたのがこちら【ふふ 箱根】です。
クルマで行くのは楽だけど、ローカル鉄道の良さを見直してみる
箱根は都内からクルマでサクッと出かけられる場所ですが、今回はあえて電車風情の旅にしました。
新宿駅から小田急ロマンスカーで箱根湯本駅まで約90分。
箱根湯本駅からは、箱根登山電車に乗り換えます。強羅駅までの標高差445mをスイッチバック方式で駆け上がる世界有数の登山鉄道。
ちょっとレトロな車内の雰囲気も良くないですか?
途中、現役で活躍する日本最古の鉄道橋である早川橋梁を眺めます。1917年に完成したという国の登録有形文化財。
そして終点の強羅へ。
同じく山岳鉄道の雄として知られるスイスのレーティッシュ鉄道とタイアップしていました。
旅のド定番の地にいま再び……この安心感が心地いい
強羅は、強羅花壇やハイアットリージェンシー箱根リゾート&スパ、そして最近ではホテルインディゴ箱根強羅なども話題の地区。やはり箱根の中でも別格のラグジュアリーリゾートエリアです。
強羅駅で宿の送迎車に乗り、仙石原方面へ上ること5分で【ふふ 箱根】に着きました。
宿から出ない。自然と一緒にひっそりと過ごす時間を楽しむ
箱根連山に囲まれた渓谷の際に立つ絶好のロケーション。そばには他のホテルや民家がないので、自然の音や香りに包まれながら静かなプライベートタイムを過ごすことができます。
館内はいくつかの棟に分かれ、それらに取り囲まれるようにして手入れの行き届いた中庭があります。
チェックインしてから客室に向かうとき、食事のためにレストランへ行くとき、大浴場へ行くとき……その都度、この回廊を歩きながら、中庭の素敵な眺めに足を止めてしまいます。
おっと、こんなところに肥料が……。庭の手入れのために使うのかしら?
と思ったら、なんとこちらはSPA「桧香」で提供している“えん発酵温熱木浴”で使用している堆肥だとか。
つまりこの中に入っているヒノキパウダーをたっぷりと敷き詰めたお風呂に入り、その発酵熱でからだを温めるというケアです。砂風呂の砂の代わりに、発酵中のヒノキパウダーを浴びる、みたいな……。超・贅沢ですよね。からだに良さそう!
客室は全39室。8つのタイプからなるオールスイートです。
クセのないモダンな空間のなかに、箱根火山の噴火で生まれた小松石を生かしたインテリアが馴染みます。
やっぱり日本人は温泉でしょ!
温泉は2種類の源泉を使用。大浴場は酸性の大涌谷温泉。一方、全客室に付いているお風呂はアルカリ性の強羅温泉。こちらは客室風呂。のぼせそうになったらサイドにあるマットレスでごろーんとできるので、ついつい長湯してしまいます。
お風呂上がりのドライヤーはダイソン。
冷蔵庫の中にはビールやシャンパン「ルイ・ロデレール」も用意されていたのですが、私が選んだのはこちら。
「ヤーニハンソ・シードル・ドライ」。バルト三国のひとつ、エストニアで作られているシードルです。エストニアのお酒なんて、なかなか普段は飲む機会がありません。エチケットを読むと、シャンパン同様、瓶内二次発酵で作られている本格的なスパークリングワインじゃありませんか。
ゴクリ……。
うーん、ウマい! ビールより苦くなくて、シャンパンより甘みと酸味を抑えた感じ。すっきりとした味わい。
さあ、食欲がわいてきました。
部屋を出て、先ほどの回廊を渡り、レストラン「日本料理 山の笑(やまのえ)」へ。
そう。「ふふ」グループの特徴といえば、私の中では“モダンで高級な温泉料理旅館”だと思っています。なので今回もメインイベントは、やはり夕食。
期待高まる中、案内されたのはブース型の2人用カウンター席。
新型コロナウイルス対策? というのもあるかもしれませんが、この席、気に入りました。
だって、割烹やお鮨屋さんに行ったら基本はカウンターですよね。日本料理は横並びでいただくのが粋です。テーブルを挟んで食事の相手と向き合うのではなく、2人で並びながら、むしろ、料理と向き合う。
湯上りにそのまま料亭のような料理を味わう幸せ
料理は、日本各地から取り寄せた旬の食材がずらりと並びます。この日いただいたコースは、前菜6品から始まり、煮物、お造り……
そしてメインの進め肴3品へと続くのですが、このメイン料理の3品は、なんと事前に20種類のメニューの中から選べるのです!
私が選んだのはすべて魚介系でしたが、もちろん黒毛和牛といったお肉のメニューも充実。
松葉蟹や伊勢海老、鮑といった高級食材もありました。
さらに、締めの食事もなんと……
「お茶漬け」「お蕎麦」「つぶ貝の釜焚きご飯」から選べるといううれしいサービス。
食べる料理に迷うのって、最高の幸せですよね!
デザートに選んだシャンパンムースをいただいた後、部屋に戻って満腹爆睡zzz。
ああ、生きててよかった…………。
そして、翌朝。
実は私、普段は朝食を食べない生活を続けて35年になります。
旅に出た時しか朝食は取らないのですが、こちらの朝食は“人生の中のベスト3”に入るぐらい極上でした。
OUTする日のモチベーションを上げてくれる朝食
お腹の満足感は、早速、脳に伝わります。
朝から幸せ気分に満たされてチェックアウト。
帰りは、箱根登山線で小田原まで出て、そこから新幹線で品川へ。
そのまま会社へ向かえば、お昼ごろには十分出社できました。
最近は、リモートワークだけでなく、半休制度をはじめ、働き方改革も少しずつ進んできたので、土日や休日を使わなくても十分に1泊2日が楽しめます。
箱根なら。
40代。これからの旅の楽しみ方について、ひとつのスタイルを提案してくれる宿でした。
取材&撮影/川原田朝雄(STORY編集部)
https://www.fufuhakone.jp/
*ご予約のお問合せは
Small Luxury Resort総合予約センターまで
tel.0570-0117-22
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