ある日、わが子が学校に行かなくなってしまった。コロナ休校以降、右肩上がりに増え続ける「学校に行かない子どもたち」。でも見方を変えてみれば、〝学び場を選択する子どもたち〟なのかも……。いま、私たちは問われています。
STORYママたちの声を聞きました。
○ ママたちの声1
ちょっとした「シー・イズ・休暇なう」 だと思って、見守っています
娘が学校に行かなくなり3カ月くらいが経つのだろうか。前年度の後半からちょこちょこと欠席が増えて夏休み明けの通常登校からは行ってない。親も子も学校とのやりとりも、いろいろ経て今はただ休む。休んでいる。シー・イズ・休暇なう。である。
何が正解かわからないとはいつも思うが、人生の期間の中の3カ月って、超短い。それだけはなんとなく、たしかな気がする。うまく言えないが記録しようと思ったなう。
――T・Kさん(43歳)
○ ママたちの声2
不登校という時間の中で子どもと 向き合い、自分も成長したと思います
中学受験を経て、楽しい学校生活!と思いきやコロナ休校。毎日与えられる課題のみで、イベントも友人との出会いもないまま過ごす毎日。
その後、休校が明け、学校に通い始めてから娘に異変が……。早起きするのが辛い。朝の満員電車は乗り物酔いで気分が悪くなる、と。何とか1学期中は通い続けたものの、夏休みが明けて、いよいよ不登校に。
2人で1週間ホテルに滞在し、美味しいものを食べながらゆっくり話し、地元の公立に編入することを娘が決意。せっかく入れたのに、と私学への思いは私のほうが強かったのかも。あれから1年以上。元気に通学している娘の姿を見て、あの時にじっくりと話をして、娘の意思決定に従って良かった。心から、そう思う。
――N・Sさん(42歳)
○ ママたちの声3
娘が傷ついているのと同時に 私自身の心も壊れ始めていたみたい
娘が不登校になったきっかけは、小4の時の友人トラブル。それから腹痛や頭痛を訴えるようになり、休みがちに。同じ時期に、前夫から再婚と子どもが生まれたことを聞かされて大きなショックを受け、より学校に行けなくなってしまった。心のケアが必要かと思い、不登校カウンセリングに。5年生になってからは、行ける時と行けない時が半々。学校の先生との相性もあるのかも……。
娘と一緒にいるために在宅ワークに切り替えたところ、私が重度のストレス性胃炎と鬱症状に見舞われるように。自分が心療内科に通い始めると同時に、娘のカウンセリングもお願いしたところ、学習障害の可能性があるとの指摘。
理由が見えず、闇雲に走り続けていたところに光が見えた。娘が笑って社会に出られるために、私に何ができるのだろう。
――T・Aさん(41歳)
※写真は八王子市立高尾山学園 撮影/西あかり 取材/竹永久美子 ※情報は2022年5月号掲載時のものです。
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