髙田万由子さん
女優。1971年生まれ、東京都出身。東京大学在学中に週刊誌の表紙モデルを務め、以降ドラマやCMで活躍。夫はバイオリニストの葉加瀬太郎。一男一女は海外滞在歴13年。自身も留学経験を持ち、「地球上自由行動」が、家族の合言葉。
● これから小学生・中学生になる子どものママたちには迷いと葛藤があります
- 小さな頃から家庭で英語教育を頑張ってきましたが、過酷な中学受験のことを考えると中断せざるをえないかもしれません(M・Sさん/40歳)
- 5年前に海外駐在から 帰ってきましたが、 日本の教育では子どもが自分で考えて、選択して、行動するという機会が 少ないと感じています。良くも悪くも平等や集団行動が 第一のような気がして......(N・Hさん/42歳)
- 日本の義務教育の枠内では、子どもが大きくなるにつれて、同調圧力で個性がなくならないか心配(K・Sさん/40歳)
- 中学受験でたくさんの知識を身につけることはとても意味があると思いますが、この先の未来を想像すると、国内にいる限りは大して夢が広がらない。 国内でしか通用しない学歴や職業には、気持ちが冷めてしまいます(H・Kさん/43歳)
- 『自分の意見を伝えられる』『どの国の人ともコミュニケーションを取れる』『好きなことを見つけて追求できる』――そんなふうに育ってほしいと思っていますが、そのためにはどういう教育を 受けたらいいのかわからない。まだまだ〝昭和的な教育〟が残っている気がします(J・Hさん/47歳)
● 広い視野と国際的な価値観で 「生きる力」を持った「自立した」子どもに育ちます(髙田さん)
生活拠点を海外に移したのは、娘が8歳のとき。世界地図で日本を見ると本当に小さな国で……。子どもたちには、さまざまな人種、考え方を知り、国際的な価値観を養ってほしいと思いました。
ロンドンに決めたのは、夫がセリーヌ・ディオンさんとのワールドツアーで世界100カ国以上を巡った際、ここに住みたいと思ったから。実際ロンドンの小学校に通わせてみて感じたのは、自己肯定感を強め、自信のある子に育つ環境だということ。
息子が小学校のときの印象的な出来事があります。イギリスでは5歳から入学するのですが、早生まれの息子は小柄で、体格の良いイギリスの子どもと比べると一層小さく見えました。ただ、小さいながらもとても足が速く、先生や周りのママたちは、私以上に息子を賞賛し、「バネもあるし、まるでカンガルーみたいに速くて素晴らしい!」といつも言ってくれました。
個々の特性を伸ばし、周りがそれを認めていくことが自然なこと。それが子どもの〝個〟を育て、同時に、〝生きる力〟を強くするのだと思います。
私が日本の教育に感じていることは、そのせっかくの〝個〟を潰し、個性を均一化してしまっているのではないか? ということ。物事にチャレンジする心が育ちにくく、強いリーダーが生まれにくい環境に思えます。
日本とイギリスの様々な文化や価値感に触れて育った子どもたちには自らの経験を活かして世界を駆け巡ってほしいと願います。「地球上自由行動!」です。
撮影/森脇裕介 ヘア・メーク/高山ジュン 撮影協力/港区立郷土歴史館 取材/竹永久美子 ※情報は2022年7月号掲載時のものです。
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