【STORYライター座談会】夫が「ありえへん!」〈前編〉はこちら
片山 そういえば、娘たちにはSNSがあることは当たり前じゃない? 生まれながらにしてネットがあるから使いこなしてる。
だけど、夫たち世代は危機意識が薄いのよね。友達の夫は、娘の友達にインスタで友達申請してきたりするんだって。娘の友達のインスタを見れば、自分の娘も出てきたりするから。
東・竹永 キモ~い!!!
片山 娘が小さい頃の水着姿や、運動会の写真をアップしちゃったりするパパもいるとか。それを他の人がスクショや保存したらどうするんだと思うよね。他の友達も写っていたりするのに。
「SNSはダメだ!」と娘には言うのに、自分がちゃんとできてないという……。
東 ありえへん。ありえへん。
時代が変わってるのにパパたちがアップデートされていない。
まだ昭和な価値観が残っているし、周りが何でもしてくれると思ってる。
竹永 女はこういうものだ、とかね。娘たちの世代は、もう全く違う感覚。
片山 私が思うのは……やっぱり、『ドラえもん』で、しずかちゃんが昼寝をしてるのを見せていないのがいけないんじゃない?
のび太は昼寝してるのを放送してるけど、しずかちゃんも本当はマンガを読みながらゴロゴロしている日だってあるよね? きっと。
夫たちは、娘はみんな『ドラえもん』の中のしずかちゃんだと思ってるんだよ。ピアノが上手でいつもお風呂に入ってて、可愛いしずかちゃん……。
しずかちゃんがあまりにも裏のリアルな顔を見せてないのがいけないのかも(笑)。
東 確かに、しずかちゃんは、ずっと可愛いくてキレイで上品なまま。あんな子、現実にはおらへん。
片山 昭和のマンガでは、あまり怠惰な女の子は出てこないよね。
東 裏の顔をお父さんは知らないよね。だから急に娘が裏の顔を出してくるのがショックなのかもしれないね。夫に女きょうだいがいればいいのだけれど……。
片山 うちの夫にもいないわ~。だからかもね~!
女の子の現実を知らないから、〈まさか女の子がこんなに服を脱ぎ散らかすなんて〉〈ソファでゴロ寝なんて〉と思う。昭和の時代、夫のお母さんたちは、そんなことをしなかったから。
竹永 女きょうだいがいる男子は違うよね。女性にそれほど理想を求めてない。
片山 うん。でもそうじゃないパパたちは、よその家の娘たちがどんな様子かわからないから、〈こんなのはうちの子だけかも……〉って落胆するんじゃない?
東 でもね。やっぱり、しずかちゃんだって脱ぎ散らかしてるはずだよ(笑)。
今と昔の違いは、おそらく娘たちが言い返すことなんじゃないかな。私たちが小さい頃は父親に言い返せなかった。
片山 確かにうちの娘も、パパに対して「それはないわ!」って言い返してる。「時代的にないよ!」って、論理的に言い返してたりするよ。
東 いいね!
今は違う! と娘に教えてもらう方がいいんじゃないかな。そのほうが勉強にもなると思う。
片山 でも夫は「パパはちょっと関西入ってるからさ~(笑)」って、笑いに逃げようとする。きっと今までの時代はそうやって、笑いに結び付けて誤魔化してきたんだと思う。「冗談だよ~。本気にすんなよ~」みたいな。
でも今は言いたいことは言わないと!
それをちゃんと言ったうえで、子どもも自分なりに〈言いすぎたかな?〉とか〈今のは自分が悪いかな?〉とか、逆に〈この言い方では伝わらないかな?〉と考える。
娘がいろいろと考えるためにも、女の子が言い返すのは大事じゃない?
東・竹永 賛成!
東 タケコプターは架空のものだと知っているのに、しずかちゃんだけはリアルな理想と考えてしまう……。おらへん、おらへん、そんな娘。
もっと考えを柔軟にしないと、パパは娘にと見放されるよね!
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撮影/西 あかり 取材/東 理恵