――神尾さんが演じるのは、ボスコーニュ公国の国王の弟ラウル。どんなキャラクターなのでしょう?
『薔薇とサムライ~GoemonRock OverDrive~』で浦井健治さんが演じていたシャルル王の弟です。兄がいなくなって、自分が国をまとめなきゃいけない立場になったんですが、兄みたいに自分からアグレッシブにいくタイプに憧れながらも、そうはできなくて。そういう自分をなんとかしたいと思っているところに、周りの国との問題が降りかかってきて……という役です。結構、現実主義なところがあって、自分がどういうふうに立ち振る舞ったらいいのか、すごく考えながら動いている印象があります。
――ご自身と共通する点はあったりしますか?
頭の中で考えてから動くところは、ラウルと似ていますね。僕は、頭の中で考えて「無理だな」と思ったらやめちゃうタイプで、こういう取材でも「やってやります!」「頑張ります!」みたいなことが言えないんです。僕にも兄がいて、兄は「考えるよりも先にやってみろ」みたいなタイプ。それで失敗したことがあるのを見て育ったから、失敗するのが怖いのかもしれないです。そういうところも結構ラウルと近いように感じます。
――2019年の『里見八犬伝』で初舞台を踏まれた神尾さん。舞台の魅力をどんなところに感じますか?
“生”というところですね。そこで生まれてくるものがあるから、毎回、絶対に同じ芝居にならないのが魅力です。それを観ている方々のリアクションをダイレクトに受け取れるところも、舞台のよさだと思います。初舞台では、やっていくにつれてどんどん発見があるのもすごく面白かったですし、終わった後の達成感もすごく感じました。ドラマでも、一つの作品を撮り終わった時の達成感はありますけど、それとはまた違うベクトルの達成感だった気がします。