――実際に稽古をしてみて、いかがですか?
しんどいです。歌も芝居もトップクラスにしんどくて、「これをやってた韓国の俳優、すげーな」って思いますよ。この作品は題材が題材だけに、クラシカルな楽曲が多いんですね。それに合った歌い方をするために、まずは楽器としての身体の使い方をマスターしないといけなくて。若い頃のベートーベンとおっちゃんになったベートーベンが、二人で同じものを共有しながらぐわーっと歌い上げるナンバーもあるんですけど、基本的には慟哭とか葛藤みたいな曲が多いので、一本調子にならないように頑張らなきゃと思ってます。なおかつお芝居でも、ものすごい熱量を放出しなきゃいけないので、「中村、頑張ってんな」で終わらないように、観ている人にそれを忘れさせるくらい、巻き込んでいくような作品にしなきゃと思ってます。
――逆に、面白さを感じるのはどういうところですか?
それはもう全部です。メンタルもフィジカルも全部しんどいんですけど、そのしんどさの中で何らかの手掛かりが見つかったり、うまく周りと共有できたりすると、楽しかったりするし。そういう意味でいうと、すべてが表裏一体で、しんどくて面白い。それが、この仕事の豊かさなのかなあとも思いますね。だから僕は、この仕事を続けているんだろうなって。
――今回は、エネルギーも存分に放出できそうですしね。
よくないですよね。僕としては、日々「楽したい」と思って生きているのに、最近、疲れる仕事ばっかりしている気がして、「今年、働きすぎじゃね?」ってちょっと思ってます(笑)。もうちょい大人になろうよって。でも、出ている役者が疲れない舞台は、自分が客として観ていて面白くないし、自分が関わって世に出すことになったからには、自分が感じた魅力とか、惹きつけられたものとか、受け取った以上のものを提出しないと気が済まないんですよね。それは演劇に限らず、どの作品においてもそうなので、もうそういう性(さが)なんでしょうね。
《後編に続く》
ミュージカル『ルードヴィヒ~Beethoven The Piano~』
ORIGINAL PRODUCTION BY ORCHARD MUSICAL COMPANY MUSIC BY SOO HYUN HUH BOOK BY JUNG HWA CHOO
日本版上演台本・演出/河原雅彦 訳詞/森雪之丞 出演/中村倫也、木下春香、福士誠治 ほか 10月29日~11月13日/東京芸術劇場プレイハウス 11月に大阪、金沢、仙台公演あり。また、11月13日と30日にライブ配信あり。
https://musical-ludwig.jp/
次回は、中村さんにとって舞台とは? また、これから挑戦していきたいことなどなど……。中村さんのさらなる魅力に迫ります!
2022年10月28日12:00~2022年11月11日23:59
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撮影/古水 良 ヘア・メーク/松田陵(Y’sC) スタイリスト/戸倉祥仁(holy.) 取材/岡﨑 香
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