ホルモン補充療法ってどうなの?今回ストーリーライターチームから3人の経験者が集合。本音しか出てこないリアルすぎるほどリアルな更年期とホルモン補充療法のお話、後編です。
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ホルモン補充治療って、実際のところどうでした?【STORYライター経験談】<前編>
<ライター紹介>
左:内山靖子
JJから始めてCLASSY,VERY,STORYと根っからの光文社育ちのライター。46歳から62歳の現在までホルモン補充療法を継続。
中央:北野理子
STORYライター歴8年。今年8月にホルモン補充療法デビュー。50歳にしてもう一度内側からの女性ホルモンの高まりを感じているそう。
右:柏崎恵理
52歳から3年間、低用量ピルとエストロゲンを補うジェルを使用し、症状改善によって終了。実はそこに落とし穴が!
★ 情報格差は健康格差&美容格差に繋がる!?
★ まずは頼れるMY婦人科を日頃から探しておこう
★ 更年期をきっかけにホルモンの大切さに気づきました
ホルモン補充療法で生理が戻った?
柏崎 では、実際にホルモン補充療法して効果は?
北野 私はジェルを塗るようになったら、生理前にちょっと胸が張るみたいな感覚が戻ってきて、実は塗り始めてしばらくしたら生理みたいなものがあったんです。
柏崎 え? 生理が戻ったの?
北野 私、今年の1月から生理がなくて、その最後の生理も3日ぐらいしかなくて、その前も半年前くらいだったんです。ここ1年以上、生理と呼べないような代物しかなかっただから閉経したと思っていたのに、先生に「それ、あなたの生理ですよ」って言われてちょっと感動しちゃって。
柏崎 分かるわ~。
北野 「生理があるときはめんどくさいと思ってたけど、あると女だなって実感しちゃうな」とか。胸がパンと張るのも嬉しかったりして。内側からテンション上がりました(笑)。
柏崎 北野さん、今日久しぶりに会ったけどめちゃめちゃ肌の調子が良くてつやつやしててるよ(笑)。
北野 あとね、これ自分でも驚いたんだけど、ジェルを塗り始めて夜中全く目が覚めなくなったのね。
柏崎 中途覚醒がなくなった?
内山 それまでは?
北野 今までは寝ても1時間ごとに目が覚めてたんですよ。それがある程度の期間続いてたから自分では当たり前だと思ってて。でもジェルを塗り始めたら目が覚めなくなって「今まで頻繁に起きていたのは更年期の症状だったんだ」って気づきました。
内山 年齢を重ねると、それが加齢のせいなのか更年期のせいなのかわからないで見過ごしちゃうってのはあるかもしれないですね。
柏崎 ホルモン補充療法すると逆に“隠れ更年期症状”まで判明して改善できちゃうのね。
北野 そうなんです。
柏崎 内山さんはホルモン補充療法しなかったら仕事を続けていられなかったとおっしゃるし。
内山 そう。精神的なものもあるかもしれませんが。つまり「ホルモン補充してるから私は大丈夫」みたいなプラシーボ効果も多少あったかもしれないけど、でもやっぱり全然違うと思います。
柏崎 私が取材している女優やタレントさんにもホルモン補充療法するかどうか、迷っている方もいるし、できればやらずに済むんだったらやらなくてもいいのかなと思ってる人も多いんですけど、今のお二人の話を聞いてると、やらない手はないですよね。
内山 自費診療ではなく保険治療の範囲内だし。
柏崎 更年期症状や不調が消えて、肌や髪にもよくて、骨密度や判断力や決断力とキープできる。そういう手があるんだったら絶対やったほうがいいって改めて思いました。
情報格差は健康格差&美容格差に繋がる!?
北野 私、結構友達に言うんですよ。「ホルモン補充療法すごくいいよ」って。でも、ほとんどの人が初めて聞いた、とか知らないっていうの。
内山 ウソでしょ? 今の40代もそうなの?
北野 私たちっていつもこういうことを話してるから当たり前にみんなが知ってるもんだと思ってるけど、ママ友なんかは「そんな話初めて聞いた」って。
内山 そういう人は症状がないの?
北野 それが体調不良があるんです。朝起きられない、家族のご飯が作れない、お弁当ができない、送り出しができないと自分を責めたりしてみんな苦しんではいるんです。でももう年だからしょうがないって諦めちゃっていたり、でも一方で元気でいたい気持ちもある。結局モヤモヤしたまま時間だけが過ぎている感じなんです。せいぜいエクオールのサプリメントを飲むくらい。
柏崎 エクオールは逆に知ってるのね(笑)。
北野 薬局で買えるので。
内山 もったいないですね。医療的に認められて健康保険が効くんだから、エステやマッサージに行くより絶対婦人科に行ったほうがいいよね。
柏崎 もうホルモンって体の中からですもんね。インナービューティー、どころの騒ぎじゃない(笑)。
内山 それでもし体に合わなかったらやめればいいだけの話。
北野 おっしゃる通り!
内山 みんなにやれとは言わないけど、そんなに辛いんだったら選択肢として試してもいいんじゃないかなって思うな。
まずは頼れるMY婦人科を日頃から探しておこう
北野 婦人科の敷居が高いんでしょうか。少し前の私もそうでしたけど、マイクリニックを持ってない人って多いから、いざとなってもどこに行ったらいいかわからなくて、私みたいに男のドクターに頭ごなしに邪険に扱われたら嫌だな、なんて考えちゃうと二の足踏むのかも。
内山 だから40歳くらいのプレ更年期を迎えているような人たちに言いたいのは、普段からマメに市や区からお知らせが来る乳がん検診や子宮がん検診を受けて、通いやすい、感じの良い婦人科を見つけておくことですよね。
柏崎 それはホントに絶対やっといたほうがいいです。
内山 いざという時にどこに行っていいか分からないと、それこそドクターショッピングみたいになっちゃって、そこであたりが悪いとやっぱり辞めよう、ってなっちゃう。
北野 私も40代前半のうちにマイクリニックを持っていたらもっと早くに始められて、ホルモン検査で10.0以下、判定不能なんて数字を見ないで済んだのに(笑)。だって性成熟期には3桁あるのに1桁ですよ?もうショックで。
内山 数字はシビアですよね。
北野 だから私がもし40歳に戻れたら、ホルモン補充療法のスタートを今か今かと待って婦人科に通ってると思う。早くから始めて、保険が効かなくなるまでずっと継続するっていうのが美と健康にいちばん良いって今やっとわかりましたから。
いうのが美と健康にいちばん良いって今やっとわかりましたから。
柏崎 私、取材してたり、友達と話していたりして思うのが45歳以上で「更年期症状? 私はないです」って言う人ってちょっと「私、女度高いのよ」「まだまだ女の現役よ」みたいな雰囲気出しません?
北野 あ、ちょっと分かる。
柏崎 あれってそもそも間違いじゃない?症状がないのは、ホルモンの値が高いというわけじゃなくて数値のアップダウンが激しくないってだけだから。
内山 そうですよね。
柏崎 逆に症状がないと、無策で年を取ってしまって、55歳を過ぎちゃうと気づかないうちに骨密度が下がって顔が崩れたり。
北野 ひえっ!そうなの?
柏崎 そうなの。人相変わるんだって。先日お話をうかがった吉形玲美先生に「エストロゲンを補わないと顔の骨格まで崩れる」って聞いて、ホルモン補充療法のお話を辞めてしまったことをめちゃくちゃ後悔した!
内山 そうよ。なんで辞めちゃったの(笑)。
北野 みんな肌のハリとかたるみ、毛穴ばかり気にするけど肌の奥の土台が崩壊したら肌どころの話ではないですね。
柏崎 そうなの。ホントに北野さんはいい時に始めたし、内山さんは継続してるし、自分の無知を呪いたい~。私の顔の骨、もう2度と戻らないのね・・・。
内山 骨はケアできるとは言え、途中で止めてしまったらいちど下がった値は戻らないんだから。
柏崎 内山さん、厳しい(笑)。でもその通りなんですよね。まさに情報格差=美容格差&健康格差なんですよ。私もあの時いろいろな情報にアクセスできていたらな~!だからSTORY読者の皆さんには私みたいな後悔をして欲しくない。
北野 ホントに私も声を大にして言いたい!
更年期をきっかけにホルモンの大切さに気づきました
柏崎 45〜55歳の更年期ってめちゃくちゃ大事。その後の健康と美容寿命を決定づける10年なんですよね。失われた10年にするのか、土台作りの10年にするのか。
北野 更年期きっかけでホルモンの大切さに気づいた人は逆にラッキーですよね。
柏崎 そう。「更年期とは無縁です~」なんて言ってる間に体の内側では怖いことが起こってるわけです。だから逆に“イエローカード”はあった方がギフトなのよ。美容と健康のために、ここが対策するチャンスよ!って教えてくれてるってことだから。
北野 エストロゲンを補っておけば55歳以降のキレイを、底上げできるんですもんね。
柏崎 そうよ。どれだけ高い美容液塗ってエステ行ってクリニックでリフトアップしても土台の骨が崩れてたら元も子もないもの。
内山 ホルモン補充療法はやれるならやったほうがいいし、それも早い方が絶対キレイと元気をキープできるということですね。
北野・柏崎 その通り!
柏崎 私、この座談会終わったら婦人科に予約してみる。今からできることはないですか?って。今からでもエストロゲン補充できる方法があるならどんなものでも試したい。
内山 年齢重ねてホルモン補充し続けると、血管に支障が出ることもあるらしいので、閉経後10年とか、60歳までが目安、と言いますけど、やれるものならギリギリまで続けたいのが正直なところ。
柏崎 そう!キレイと元気のために、一瞬でも手をこまねいている時間はないんです。50代以降は一瞬一瞬が勝負の分かれ目ですから。
北野 STORYライターはそれでなくちゃ!
※こちらの経験談は各ライターの個人的な感想となります。医学的な根拠につきましてはご自身でもお確かめください。
撮影/沼尾翔平(MOUSTACHE) 取材・文/柏崎恵理