舞台『歌妖曲~中川大志之丞変化~』に出演する中川大志さん(24歳)
活躍目覚ましい中川大志さんが、三銃士企画第2弾、音楽劇『歌妖曲~中川大志之丞変化~』で本格的舞台に初挑戦! 歴史ある明治座で初座長を務めます。演じるのは、醜い風貌と不遇の宿命を背負った鳴尾定(なるお さだむ)。彼が闇医者の手で美貌の歌手・桜木輝彦となり、戦後の芸能界に君臨する自身の一族に復讐する、シェイクスピアの『リチャード三世』と昭和の歌謡界をテーマにした作品です。稽古に臨む中川さんの心境と爽やかな素顔に、前後編にわたって迫ります!
《前編》
――壮絶な一騎打ちで魅せた、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』での畠山重忠役、本当に素敵でした。得られたものも大きかったのでは?
言葉にできないくらい、得られたものはたくさんあります。間違いなく、今まででいちばん長い期間向き合った役ですし、僕自身、チームのことも作品のことも純粋に大好きでした。出演者が作品のファンになれるって、とても幸せなことだと思います。そういう環境でやれたこと自体、役者として幸せなことですし、そういう作品に出会えたことが何よりも大きかったですね。
――演じている役柄が、プライベートな部分にまで影響することはあるのでしょうか?
撮影が全部終われば、わりと勝手に頭が切り替わるのですが、演じている期間中は、ずっとその役のことを考えているので、常に頭のどこかしらには役がいますね。ただ、暗い性格の役を演じている時に、プライベートまで暗くなるかというと、そんなことはないです。役にもよりけりですが、オンとオフを切り替えないと身がもたないので、その役のスイッチみたいなものを自分で見つけて切り替えたり、ジムに行って汗をかいてリフレッシュするようにしています。
――坂東武者から打って変わって、今回演じるのは復讐のために美貌を手に入れ、スター歌手になる昭和の男。しかも舞台です。お稽古はいかがですか?
なかなか大変です。芝居だけでなく、歌唱シーンやダンスもあるので。でも、稽古が始まるまで、ずっと一人で台本と睨めっこしている状態だったので、稽古場で共演者の皆さんと向き合って芝居ができていることが嬉しくて。本格的な舞台は初めてなので、不安もありましたが、はじめに倉持さん(作・演出の倉持裕)に「あまり決め込まずに、稽古で色々試しながら、気負わず楽しく一緒に定を見つけていきましょう」と言ってもらえて、すごく安心したというか、気持ちが楽になりました。まだ全貌が想像できていないので、本番に向けてどう作り上げられていくのか、僕自身もすごく楽しみにしています。