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Lifestyle「更年期」のクスリ

マルシアさん「急な不調に見舞われたのは10年前、43歳のときでした」

舞台を中心に活躍する女優・マルシアさんが先の見えない不調トンネルに苦しんだ10年間で得た教訓、それは「40代以降の不調は、まず婦人科へ」です。

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◯ マルシアさん(53歳・歌手、女優)

1969年 2月14日、ブラジル生まれ。1989年、歌手としてデビュー後、女優、タレントとして幅広く活躍。最近ではミュージカル『アニー』や舞台『オリエント急行殺人事件』など舞台での活躍がめざましい。オフィシャルブログは「Welcome the Marcia’s World」

不調に悩んだ10年間。
去年始めたホルモン補充療法で
一気に改善

急な不調に見舞われたのは10年前の43歳のときでした。吐き気が激しく、ステージは立てるんですが、それ以外は全くできなくて、舞台が終わると倒れ込んで動けなくなる。約9年間も胃カメラ飲んだり、エコー検査したりしましたが、どんな検査をしても悪いところがなくて、とりあえず吐き気を止める薬をもらって飲むしかない状態。

今思うとそれが更年期の始まりでしたが、一般的な更年期より若かったからまさか婦人科に行くことなど思いもよらなかったんです。1年前ぐらいに突然ホットフラッシュというものがあって、「更年期症状なのかも?」と気づいたのが去年。婦人科でホルモン検査をして数値が低いことが分かってホルモン補充療法(*1)を始めたらすぐに症状が改善。補充療法にはパッチやジェルなどいろいろな方法があるので、全部試したんですが、自分に合ったホルモン剤が見つかって症状も安定。心おきなく舞台の仕事に邁進できています。

【*1】ホルモン補充療法 婦人科で行える治療。更年期の不調はエストロゲンの分泌が減ることで起きるので、補充すれば改善が期待できます。それがホルモン補充療法です。貼り薬、塗り薬、経口薬、膣座薬などのタイプがあり、どれを使うかは婦人科で相談を。

–マルシアさんは今も年間100近くもの舞台をこなす女優として演劇界では一目おかれる存在。歌って踊れて華があって。持ち前の明るさとガッツで共演者を盛り上げ、子どもが多く出演するミュージカルではみんなをとりまとめるお母さん的な役割も果たしています。そんなマルシアさんが10年もの間、仕事以外では起き上がれないほどの不調を抱えていたとは驚きです。

若いときは自分が年を取るという感覚が全くなかったので、あんまり先々のことって考えてはいなかったんです。例えば、白髪やシミやたるみやら、そんなことが自分に起きると思ってなかった(笑)。やりたいことをやって、楽しくイエイイエイ! って感じで生きてきたんですが、40代半ばから大きな変化がいろいろと出てきたんですね。

でも自分では加齢の実感がないから更年期という言葉や有名な症状は知ってても婦人科へ行くという発想が浮かばない。無駄な回り道をしてしまいました

だから、皆さんにぜひお伝えしたいのが、30〜40代で体の不調がはっきり出てきたら、まずは婦人科系の病院に行くことをお勧めしたいということ。女性の体調って女性ホルモンとは切っても切れない関係。ホルモンが減ってきたら更年期は通らなきゃいけない道です。

その時期は人それぞれ。自分にはいつ来るか分からないからスタンバイも難しい。でも、いつもと違う不調を感じたらまずはすぐ婦人科へ。医学も日々進化しているので頼らない手はありません。できれば若いうちからマイクリニックを見つけておいてほしい。私は今、20代の娘にそれを伝えています。

◇ 「私の好きなもの」探しがずっとマイブーム。この気持ちがある限り人生は楽しいと思えます

–「私が10年も苦しんだような回り道を皆さんはしないでくださいね」とにこやかに語るマルシアさん。その輝く笑顔からは元気オーラしか感じられません。彼女がこんなふうにポジティブでいられる秘訣は何でしょうか?

私は何でもよく「書く」の。今自分がすべきこと、今日は紙ゴミを捨てる、洗面所をキレイにする、服をクリーニングに出す、とかどんな小さなことでも文字にして可視化して、できたものにチェックを入れてクリアにしていく、書き出すことによって、頭はあんまり考えなくて済みます。気持ちの部分でもそう。モヤモヤしたり、立ち止まっちゃったら、とにかく書き出す。そうすることで何が問題で何が必要で何が嫌なのか分かります。

あるいは、お散歩しながら自分と喋ってみる。自問自答っていうんでしょうか。「ハロー、今、私はどうよ?」「私、今こうなんだよね」「そうか、そうだよな」みたいな。客観的になって自分自身を分析しておくことも大切ですね。

それと大事なのは「自分の“好き”探し」。自分が楽しかったり、幸せに感じたりするものをいつも探して生きること。例えば私の場合はバレエだったり、自分でネイルをするとか、そういうことです。

バレエは去年の秋から「東京バレエ団」の大人クラスに通い始めました。実は私、過去に2度ほど、ダンスで舞台のオーディションに落ちたことがあるんです。なぜ落ちたかというと、私はバレエの基礎がないからです。やっぱりダンスの基本はバレエなんです。落ちた悔しさが忘れられなくて52歳からバレエに通う。そういうのもいいかなと自分でも思います。

社交ダンスにも再挑戦したいし、以前かじっていたフラメンコも再開したい。体を動かすのは体と心、両方にいいと思うので仕事以外に打ち込めるものとしていくつか並行して続けていきたいですね。

あとはネイルをするのも大好き。サロンではなく断然セルフ派。ケアするのもカラーを選ぶのも全部楽しい。爪と向き合っている時間は癒しタイムです。

そしてここ数年、ずっとハマっている韓国ドラマも私の生活には欠かせません。私の推しはマ・ドンソクさん。強面だけどチャーミングで色気もあって、もちろんすごい演技派。役に合わせて鍛えたり、時にはなかなかのおデブになったり、そのプロ意識もすごいんです。いや、もうすごく会いたくてしょうがない(笑)。『元カレは天才詐欺師』など、彼が出ている作品は何回も見直しています。推しの作品以外、たとえば『モンスター』など全50話ある超長いドラマも最低3回はリピートしますね。ほかには『ヴィンチェンツオ』にも夢中になりました。

–たくさんの“好き”の種を見つけて育てるのが上手なマルシアさん。でもただ仕事と優雅な私生活を楽しんでいるだけではありません。実はこの取材の少し前に、故郷のブラジルに住むお母様が倒れられたことでマルシアさんはある決断をすることになりました。

つい先日、母が倒れて、私はしばらく介護のため日本を離れ、ブラジルに滞在します。母の体調不良はショックでしたが、逆に私は精神的には強くなりました。親は今まで子どもを助けてくれた、今度は子どもが親を助ける番です。今の自分の使命がハッキリとクリアに感じられるからすごくパワーが出ていて、元気なくらい。

こうやって人生っていろんな局面がある。若いころは好きなことやって、結婚したり出産したり、仕事も頑張って、体調を崩すこともあって、それが更年期というものだと分かって、50代になると親の介護という問題も出てきて。全部きっちり予測はできないけれど、ある程度は誰もが通る道です。そこに差し掛かったら覚悟を決めて集中するしかありません

後悔のないようにやりきること。そして疲れたら休む。自分を追い込みすぎず、何か足りないところがあっても責めないで、自分をちょっと甘やかしてあげる。

きっとSTORYの読者の皆さんは、20代30代ときちっと頑張ってがむしゃらに突っ走ってこられたはず。そして40代の今も家族のことや自分のことで忙しいでしょう。そんな40代があってこそ、50代では少し休んでいいよって自分に許可出せるんです。怒濤の忙しさはいつ終わるんだろう? と思ってもちゃんと手が空くときが来ますから、そのときは罪悪感を感じずに自分に休むことを許可してあげてほしいですね。

イタリアンレストラン・REGIONALEは、癒し、かつバランスのいい栄養補給(笑)の場。特に舞台中は毎日通っています。

〈TOP写真〉レオタード ¥27,500〈DellaLoMILANO〉スカート¥12,650〈BYPLIE〉レッグウォーマー¥9,900〈Rubia Wear〉(すべてCHERIE)イヤーカフ3点セット¥8,800(ABISTE/アビステ)その他(マルシアさん私物)〈末尾写真〉ニット ¥115,500(アクリス/アクリスジャパン)ネックレス¥5,250リング¥10,500(ともにABISTE/アビステ)ピアス(マルシアさん私物)

撮影/田頭拓人 ヘア・メーク/木村美和子 スタイリスト/西ゆり子(Cコーポレーション)、筧 玲子 取材/柏崎恵理 撮影協力/東京バレエ団 ※情報は2023年1月号掲載時のものです。

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