昔に比べ便の量が少なく、出てもコロコロ便で、最近さらに便秘が加速中…。40代になり、そんな症状に悩まされている方も多いのではないでしょうか。その原因は、うんちが老けたからかも知れません。腸のエイジングケアをしっかりやれば、老けうんちが解消されて、快腸でお肌も体もキレイになれちゃうんです!
今回は腸のプロ・胃腸良子さんに40代の腸活について詳しく伺いました。
胃腸良子さん
看護師、内視鏡技師、介護支援専門員として計15年間延べ1万3千人の患者さんをケアした経験から、「胃腸良子」として、腸内フローラが影響を与える健康とエイジングについて、医療者目線で情報発信を続けている。
2015年株式会社ナースキュアを設立し、医療者としての知識を更に深めるためNRサプリメントアドバイザー取得。腸内環境サプリ「ナースキュアビフィズス菌BB+オリゴ糖」の開発や、全身菌活サプリ「シンバイオティクスEX」を発売。販売3ヶ月で楽天デイリーランキング1位獲得。
★ ②40代に多い便秘。うんちの量を増やすための便秘解消法は?
★ ③ 逆に下痢気味なら水分補給と保温を意識
★ ④腸を動かす副交感神経を働かせるため6〜8時間の睡眠時間を確保する
✓便の色が黒っぽい
✓コロコロ便である
✓ベチャベチャ便である
✓うんちが臭い
✓おならの回数が増えた
✓便秘と下痢を繰り返す
✓残便感がある
✓トイレ時間が5分以上かかる
3つ以上当てはまったら「老けうんち」認定です
①そもそも理想的なうんちって?
うんちは何でできているか知っていますか?
理想的なうんちは、水分が70〜80%、腸内細菌の死骸が5〜10%、腸粘膜の剥がれ落ちたものが5〜10%、食べ物のカスが5〜10%です。
腸内細菌が減ってしまったり、腸粘膜のターンオーバーが低下してしまうと、腸に滞在する時間が長くなって悪玉菌が増殖し、うんちが老けてしまうんです。
うんち年齢は形、色、匂い、量で判断できます。
・形
便に含まれる水分量と腸に便が滞在した時間によって形は変わります。
健康なうんちはずばり「バナナ状」。
太くて硬い便は、弛緩性便秘が考えられ、大腸の運動が低下していることで便柱が太く固くなります。
また、うさぎの糞のようなコロコロとした便は、水分が吸収されすぎた状態で、痙攣性便秘が考えられます。
・色
理想の色は黄褐色です。
茶色〜茶褐色だと食べ過ぎや飲み過ぎの時、濃褐色は、肉を多く取ったり便秘の時の色です。
赤色や灰白色など、便の色が異常な場合、病気が潜んでいるかもしれないので、病院に行くことをお勧めします。
・臭い
臭いの元は、腸内細菌によってタンパク質が分解されてできるスカトール、インドールという物質です。
健康なうんちは発酵性の臭い(漬物のような臭い)がありますが、きつい悪臭ではありません。
トイレに嫌な残り香があったら腸内細菌バランスが崩れている証拠。便が腸に滞在すればするほど臭いもきつくなります。また下痢で嫌な臭いがある場合も腸炎のサインかも。
・うんちの量
理想的な排便量は300〜400g。しかし現代の方は150g以下と量が減少傾向にあります。
また年齢と共に排便量は減っていきます。食物繊維と腸内細菌を摂取してうんちの量を増やしましょう。
②40代に多い便秘。うんちの量を増やすための便秘解消法は?
その1 「食物繊維」でうんちを作る力を鍛える
食物繊維には、水に溶ける水溶性食物繊維(海藻類、さつまいも、果物など)と、水に溶けない不溶性食物繊維(キノコ、こんにゃく、豆類など)があります。水溶性食物繊維は消化・吸収される事なく大腸まで届き、善玉菌のエサになります。また、不溶性食物繊維は水分をたっぷり溜め込んで便通をスムーズにする働きがあります。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維はどちらもバランスよく摂取することが大切です。
その2 「腸内細菌の数」を増やしてうんちを育てる力を鍛える
人の腸内には定住菌と通過菌がいます。加齢により定住菌の数はどうしても減少してしまうため、食品やサプリメントから通過菌を摂取し、腸内細菌の数を増やしてあげる事が大切です。
食品なら、納豆やヨーグルト、乳酸菌飲料などに多く含まれる生きたビフィズス菌、乳酸菌を摂取するのがオススメです。
その3 「毎日ちゃんと便座に座る」ことで腸内リズムを作り、うんちを出す力を鍛える
毎日決まった時間にトイレに座り、腸に排便タイムを覚えさせましょう。排便スタイルを少し変えるだけでも、うんちが出しやすくなります。
・するっと出す座り方 「和式スタイル排便法」
洋式便座は、直腸を支える部分が締まってしまうので、スムーズな排便を妨げてしまいます。和式便座のように前かがみになってしゃがんだ時の姿勢が、便がもっとも出しやすい姿勢。洋式トイレの足を置く場所に踏み台を設置し、しゃがんだ姿勢をとることで、うんちが出しやすくなるので、ぜひ試してみてください。
・腸膜筋を鍛えるのも大事「レッグレイズ」で簡単筋トレ
うんちを押し出すのに欠かせないのが「おへその下にある腹筋」。ここを鍛えることで、腸がダイレクトに刺激されてうんちがスムーズに出やすくなります。
やり方は、ベットに仰向けになり、マットから足を出します。足をまっすぐ垂直に持ち上げ、ゆっくりとそのまま下ろします。下っ腹部を意識しながらやるのがポイント。毎日20回を目標にしましょう。
③ 逆に下痢気味なら水分補給と保温を意識
下痢の原因は大きく分けて3つのタイプがあります。
食べ物による腸の水分吸収の低下による下痢、細菌やウイルスなどにより感染性の下痢、腸の動きが早くなり水分の吸収が充分に行われなくなる下痢です。
急に下痢が起こった時は自己判断で薬を飲んだりせず、必ず医師の診断を受けましょう。深刻な下痢の場合、脱水や栄養失調などを引き起こし重症化することがあるので注意が必要です。
下痢気味の方に有効な対策としては、水分補給と保温を意識することが大切。
下痢が続くと脱水症状を引き起こします。一度に水分補給をすると下痢が悪化することがあるので、ゆっくり少しづつ飲みましょう。アルコール、コーヒー、紅茶、牛乳などはNGです。
また、腹巻をしたり、膝掛けをかけるなどして腹部を冷やさないようにするのも有効です。
④腸を動かす副交感神経を働かせるため6〜8時間の睡眠時間を確保する
腸の動きは、交感神経と副交感神経によってコントロールされていて、副交感神経が優位になると腸の動きが活発になります。
副交感神経が優位になるのは、リラックスしている時や睡眠時。ぐっすりと眠っている間に腸がしっかり動くので、翌日に便が出やすくなるんです。
逆に睡眠時にストレスを感じたり、眠りが浅かったり、十分な睡眠時間が取れないと、眠っていても交感神経の方が優位になり腸の動きが鈍くなります。
質の良い睡眠をしっかり取ることで、腸も元気になり、日中の生活の質も高めることができます。
腸は「第二の脳」とも言われている臓器で、身体に大きな影響を与えます。老けうんちを解消することで腸が元気になり、体調や肌、ダイエットなどの効果も期待できます。
是非皆さんも今日から腸のエイジングケア、始めてみませんか。
取材/沢 亜希子 イラスト/嶋田桂以子