40代は、心にも体にも「揺らぎ」を感じ始める時期。そのうえ、コロナだ、円安だ、と世の中までぐらぐら揺らぎ、不安を抱える方も多いのでは? そこで、アネフォー、アラフォーのみなさんに、乗り越え方を語り合っていただきました。今回は、原田ひ香さん×優木まおみさんす。
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【原田ひ香さん×優木まおみさん】 お金は自分らしく使ってこそ生きる
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<右>アネフォー/原田ひ香さん(52)
『三千円の使いかた』(中公文庫)は“読めばお金がたまるマネー×家族”小説として大ヒットし、’22年文庫ベストセラーに。お金にまつわるノウハウをテーマにした『老人ホテル』(光文社)も絶賛発売中。
<左>アラフォー/優木まおみさん(42)
バラエティ・情報番組、モデル等、広く活躍する一方、第二子出産を機にピラティスを始め、インストラクターの資格を取得し、オリジナルのエクササイズのレッスン会を行うなど実業家としても活動中。
【原田ひ香さん×優木まおみさん】40代の揺らぎ...お金について
◇ お金をマネージメントできるようになったら、これからの生き方も 上手になれる!
優木さん(以下敬称略)
ご著書『三千円の使いかた』は’22年の年間文庫ベストセラーとのこと、おめでとうございます。
原田さん(以下敬称略)
ありがとうございます。これを書いたのは4年ほど前だったのですが、コロナ緊急事態宣言中の昨年8月ころから、急に売れ始めたんです。家計をなんとかしなければと思う方が増えたのですかね。また、老後に2千万円必要というのが一気に広まり、定年後の経済面で、漠然とした不安を抱える方が増えたのかもしれません。
優木
私は、老後のことはまだ考えられないんですけれど、教育費は考えます。コロナ禍と円安で、子どもを留学させたい熱は冷めましたが、中高大学とお金はかかるだろうなと思いますね。
原田
節約とか考えますか? 私は、食費や日用品は現金で管理して、見える化するくらいはしているんですが。
優木
実は、私は節約派ではないんです。節約を否定するわけではなくて、節約レシピとか見るのも大好きなんですけど。例えば、ファッションの仕事をしてきて、洋服にお金をかけると、『私服見せてください』といった仕事につながるといった具合に、“使う”と“入ってくる”のがセットみたいなところがあって。大好きなフィットネスを事業化したんですが、スタジオを持ちたいと思ったら、家賃を払うために、フル活用しなきゃならないから、インストラクターを雇って、というふうに、投資をして、利用者さんから会費をいただく。投資と回収の額が同額なら、やらなくてもいいじゃない?という考え方もあるけれど、そこに喜んでもらえるというご褒美がつくのが嬉しくてやっているのかもしれないです。
原田
投資して回収するサイクルは、何にもしないのとは全く違いますよ。利用者さんも喜び、スタッフもお給料をもらって、会社も税金を納めているわけで、いろんな人が恩恵を受けている。経済を循環させているっていうことですもの。
優木
なるほど。そうですよね。ところで、こうして、女性同士でお金の話をすることってあまりないですよね?30代前半の方たちは、経済面でも家事育児でも夫婦で半分半分だけど、40代は、50代以上の方の、夫を立てて支えるのが妻の役目という価値観とのちょうど狭間にいて、女性がお金の話をするのは、気が引けるみたいな空気がある気がします。
原田
確かに、小説も経済小説というとこれまでは、企業買収とか男性っぽいものが中心でしたしね。実は、最初にヒットした作品はお金をテーマにしていたので、恥ずかしいような気もしたんです。でも、物物交換から始まって貨幣経済に進み、分業化して人々は豊かになった。お金がなかったら、私も小説を書いて食べていくことだってなかっただろうし、恥ずかしいことでは全くない。経済ってもっと身近なことですよね。
優木
そうですよね。私の仕事は収入が安定していないので、24歳のときにマンションを買って、値上がりどきを見計らって売る、ということを何回か経験しました。
原田
さすがですね!
優木
いえ、でも、そういう自分の経験って勉強になる。会社を始めてから、これはどういう仕組みでこの値段になったんだろう、と考えたり勉強したりするようになって。メカニズムがわかると、お金の使い方も、もっと言えば、生き方まで違ってくる気がします。
原田
まずやってみるのは本当に重要。よく言うんですが、スマホを格安スマホに替えて、浮いた5千円で投資してみたらいいんじゃないかな。少額なら、もし、失敗しても勉強って割り切れますよね。
優木
苦手な人に限って、高額な“お金塾”に行こうとしがちですが、本を読んだり、サブスクを解約したり、身近なことから始めたほうがいいですよね。
原田
ええ。お金をマネージメントできると、人生もコントロールしやすくなるんじゃないかと思いますね。
「お金のことって、面倒だし、難しそうで、後回しにしがちだけど実際にちょっとトライしてみるとだんだん楽しくなってきますよ」(原田さん)
「『これはどうしてこの値段?』と興味を持って勉強して、仕組みが理解できると面白い。わかってくると、お金の使い方も変わってきますね」(優木さん)
撮影/清水将之〈mili〉 ヘア・メーク/只友謙也〈Linx〉(原田さん)、久保フユミ〈ROI〉(優木さん) 取材/秋元恵美 ※情報は2023年2月号掲載時のものです。