前回特集したバラエティ界の人気プロデューサー、ナ・ヨンソクPDとKBSというテレビ局時代、同期であり旧知の仲で知られるのが名作ドラマを生み出し続けるシン・ウォンホ監督。今回は、シン・ウォンホ監督のSTORYwebおすすめ作品を紹介します!
▼あわせて読みたい
韓国バラエティ界きっての人気プロデューサー「ナ・ヨンソク」の必見作品8選【編集部おすすめ!】
家族愛、友情、恋愛。 人間模様を丁寧に面白おかしく描く心温まる作品に定評が
シン・ウォンホ監督って何者?
1975年生まれ。ソウル大学(日本でいう東京大学のような名門大学)出身。大学卒業後、KBS(日本でいうNHKのような国営放送)に入社。KBS時代は歌番組や芸能番組の演出を主に担当(ドラマは1作品だけだとか)。なんと同期は、バラエティの人気プロデューサー、ナ・ヨンソクPD。その後、ナ・ヨンソクPD同様tvNというケーブルテレビ局を運営するCJ ENMに移籍。移籍後「シンテール」と呼ばれる丁寧できめ細かい演出でドラマ監督、演出家としての才能を開花させ、監督、演出する作品を連続でヒットさせ今に至ります。
『応答せよ』シリーズ
シン監督の出世作、どの作品もハズレなく面白い シン監督を人気監督の座に押し上げた作品と言えば『応答せよ』シリーズ。韓国が変わっていく転機となった時代を背景にリアルな歴史的できごとも織り交ぜながらヒロインの恋模様、家族愛などを描く、『応答せよ1997』(2012年)、『応答せよ1994』(2013年)『恋のスケッチ~応答せよ1988~』(2015年)の3シーズンあるこのシリーズ。どの作品も共通しているのが冒頭でヒロインがある登場人物のうち1人と結婚しているところから始まり、ストーリーを通してそ“旦那様探し”をしていくという展開。
各シーズンには旦那様候補の男性キャラが複数名いて、物語が進むにつれ、この人は違う。この人であって欲しい。など観る側には、思いいれが。特に『恋のスケッチ~応答せよ1988~』に関しては当時視聴者の意見が真っ二つに分かれ(誰が結婚するかで)最終回後は、視聴者の間でちょっとした論争になったほど。
こんな風に恋愛や青春模様はもちろん、誰1人として悪者がでてこない、笑って泣ける家族愛、友情など、孤独ではない温かな世界観を描いているのもこのシリーズの魅力。シーズン1の『応答せよ1997』は韓国でシンドロームを起こし、続く、シーズン2、シーズン3も大ヒット。その影響力は出演俳優が、次々とスターになるほど!
◇ STORYwebおすすめは、シーズン1から制作された順に観ること
STORYwebおすすめは、どれもハズレのない間違いなく面白い作品なので、どれか1作品観るのではなく、シーズン1から制作された順に観ること。実は、シーズンをまたいで、登場人物同志がつながっている。そんな場面の発見もあります!
観終わった後にロスになってしまったら、『応答せよ1994』のユ・ヨンソク、ソン・ホジュン、バロ(B1A4出身)の出るリアリティバラエティ『花より青春 ラオス編』、『恋のスケッチ~応答せよ1988~』のパク・ボゴム、リュ・ジョンヨル、コ・ギョンピョ、アン・ジェホンが出演するリアリティバラエティ『花より青春~アフリカ編 双門洞4兄弟』を観るのもおすすめです!
<応答せよ1997>
90年代の音楽、アイドルのノスタルジックな描写に沼る人続出
○ Prime Videoにて配信中
https://krtv.jp/ap/outou1997_storyweb
シリーズ1作目は1997年の釜山が舞台。実際に当時人気だったアイドルグループ、H.O.Tの熱烈ファンのヒロイン・シウォン(チョン・ウンジ)と容姿端麗でクールな幼馴染ユンジェ(ソ・イングク)、彼の兄や同級生をめぐる、初恋、家族、友情を切なく、ユーモラスに描く青春ストーリー。90年代の世界観がノスタルジックに描かれた世界観や、過去と未来を行き来する考え抜かれた展開で最高視聴率9.47%という当時韓国のケーブルテレビチャンネル史上最高の視聴率を記録!韓国の歴史を変えたラブストーリーとも言われています。
<応答せよ1994>
韓国激動の時代を背景に、奮闘する青春ストーリー
© CJ E&M CORPORATION, all rights reserved.
https://krtv.jp/ap/outou1994_storyweb
ソウル五輪のために急激な経済成長を遂げた歪みが出始めた激動の1994年の韓国・慶尚南道が舞台。実際にあった三豊百貨店崩壊事故、流行した音楽なども劇中には登場。両親が下宿を営むヒロイン(コ・アラ)のもとに下宿をすることになった変人医学生スレギ(チョンウ)、野球部エースのイケメン、チルボン(ユ・ヨンソク)、イケメンなのにどこか残念なヘテ(ソン・ホジュン)、真面目キャラのサムチョンボ(キム・ソンギュン)など個性豊かな登場人物が繰り広げる友情、恋模様は時に切なく、時に面白おかしく、時に泣けて・・・ 幸福感で包まれる青春ドラマ。
<恋のスケッチ~応答せよ1988~>
パク・ボゴムの出世作!家族や幼馴染の温かさを紡ぐヒューマンドラマ
○ Prime Videoにて配信中
https://krtv.jp/ap/outou1988_storyweb
1988年韓国で初めて夏季五輪が開催されたソウル。前年に民主化され国中がお祭りムードの中、家族、隣人を支え合いながら暮らすヒロインと幼馴染4人とその5組の家族を中心に物語は展開! シリーズ中、1番隣人愛、家族愛が深く丁寧に描かれ泣いては笑っての珠玉のヒューマンドラマ。勉強は苦手だけど愛嬌と元気と人一倍の優しさが魅力のヒロイン(イ・ヘリ)。幼馴染は、優しいけれどクールなジョンファン(リュ・ジョンヨル)、どこか抜けてる天才囲碁棋士テク(パク・ボゴム)、成績優秀の正統派イケメン、ソヌ(コ・ギョンピョ)、お調子者のドンリョン(イ・ドンフィ)と、今や大人気のスター揃い。パク・ボゴムの出世作と言われ、放送終了後、ヒロインの結婚相手を巡って論争が起こるほど、話題となった作品。
『賢い医師生活』を含む、『賢い生活』シリーズ
計算し尽くされた緻密なストーリー展開に磨きが 「応答せよ」シリーズの次に、シン監督が手がけたのは、社会現象となるほど人気を博した『賢い医師生活1&2』『刑務所のルールブック』(原題は『賢い監房生活』)の「賢い生活」シリーズ。刑務所にいる犯罪者も、病院で働く医師もそのカタガキの前に、1人の人間であって、彼らの生活や個々のドラマや葛藤、共同生活の中での人間模様もある。ダークな刑務所ドラマ、最先端の医学をメインで描く医療ドラマではなく、あくまでも「人」を主役に、人々の日常をメインに脚本を紡いだのが「賢い生活」シリーズ。人の温かさに感動したり、現実のやるせなさに心が締めつけられたり、刑務所や病院の思わぬ知識を学んだり。多彩な内容がテンポよくそしてくすっと笑える要素を盛り込みながら、演技派俳優のうなるような演技力で展開し、観るものをその世界にどっぷり沼らせてしまう、そんな中毒性のあるドラマです。
<刑務所のルールブック>
刑務所でのさまざまな人間模様を描いた笑いあり、涙ありの名作
-
Netflixシリーズ「刑務所のルールブック」独占配信中
-
Netflixシリーズ「刑務所のルールブック」独占配信中
-
Netflixシリーズ「刑務所のルールブック」独占配信中
「賢い生活」シリーズの第一作目。韓国のスター野球選手であるキム・ジェヒョク(パク・ヘス)は、襲われた妹を助けるために犯人を脳死状態にしてしまう。そこから始まる刑務所内での話と、刑務所で暮らす人々の生活を描いたヒューマンドラマ。パク・ヘス、チョンギョンホ、キム・ソンチョル、パク・ホサンなど派手ではないけれど、演技派俳優達の目を見張る掛け合い、見事な伏線の張り方と回収、シリアスとコミカルな描写のバランス、隣人愛、そしてロマンス。最後には、感動し気持ちがすっと軽くなるような珠玉の名作。ケーブルテレビ局での放送ながら、韓国では地上波を超える高視聴率を記録し、初回から最終回まで同時間帯1位を独走したとか!
<賢い医師生活1>
毎話バンドのフル演奏のある展開で医療ドラマの概念を覆し爆発的な大ヒット!
<賢い医師生活2>
人気シリーズのシーズン2は、1999ズのロマンスにも注目!
<賢い山村生活>
〈番外編〉同期のナPD番組にシン監督本人が出演
視聴率14.4%を叩き出した最終回から数時間後、『賢し医師生活』の主要キャストが再び集まったのは、韓国・江原道の山奥の村。人里離れた一軒家で、5人がゲストを迎えながら自給自足生活をする、人気プロデューサー、ナ・ヨンソクPD(シン監督と旧知の仲)演出のリアリティバラエティ。ドラマさながらのチームワークで、農作業をし、野菜を収穫し、ご飯を作り、リアルタイムで流れる『賢し医師生活2』のキスシーンをみんなで鑑賞する・・・そんな尊い生活を描く『賢い医師生活』ファンにはたまらない番組。あの俳優の意外性が判明したり、ドラマ内では見られなかった掛け合いが観られたり、観どころ満載。シン監督は、スケジュールが合わず途中参加できなかったチョン・ミドの代わりに5話にゲストとして登場。ドラマの秘話が聞けるかも?!
「世界のすべての人がいい人だったらいいのに、というのが私のファンタジー」
過去のインタビューにそう答えているシン監督。彼の作品の特徴には、韓国ドラマあるあるの憎らしくてどうしようもない「悪者」は存在しません。最初は悪くても何か理由があったり改心したり、人って温かいよね。と思わせる登場人物ばかり。ほっこりして笑って感動して、自由じゃなかったコロナ禍での疲れを、是非、シン・ウォンホ監督の作品で癒して下さい!