母と仲良しな息子は長らく「マザコン」と忌避されていたものの、彼氏のような男友だちのような、母と息子の関係を「恥ずかしい」どころか、「息子LOVE」を発信し、大いにエンジョイする人が増えているとか。今回は、体操・五輪金メダリスト内村航平さんの母にインタビューしました。
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-- 振り返れば、私の〝息子愛〟も すこしやりすぎだったかもしれません…… でも今は、航平とちょうどいい距離感が保てるようになりました。
体操・五輪金メダリスト内村航平さんの母。自身も体操選手ながら、指導者として地元長崎や東京を行き来し、次世代を育成中。現在は、長崎純心大学院にて児童心理学修士課程。
息子愛がいびつにならないために、今できることとは?
— 世界の大舞台で公然の息子LOVE、元体操選手・内村航平さんの“名物ママ”。お下げ髪と熱狂的な応援で当時注目を浴び、ある日とうとう息子から「もう応援に来ないで」と、応援禁止令が。
「長崎を離れ、15歳から東京で寮生活を始めた航平を夫と精一杯サポートしようと決め、航平だけでなく、チームメイト皆の応援にも欠かさず行ってました。高校生の時は反抗期ではなかったものの、大学生になって遅れて訪れた反抗期に、応援禁止令。私の与えられた命は家族を愛すこと、親の愛は子を裏切らない、という信念がありました。確かに今振り返ると、あの頃は熱狂的ではしたなかったですよね」
— その後、猛省し、息子と連絡の取れない時期の寂しさを乗り越えて、冷静さを取り戻したのだとか。
「それからは応援の許可を、都度航平に確認するように心がけました。逆に、娘の春日からは、毎回私に応援に来てほしいと言われるので、必ず行きますけどね(笑)。今、大学院で児童心理学を勉強中で、信頼関係のある愛し方は正しい愛し方、しっかり愛着形成されると学びました。今でこそ息子の嫌がることをしないことが、母と息子の信頼関係の構築に繫がると理解できます。あの冷却期間があったから、今、航平と何でも話せる、落ち着いた良好な関係を築けていて幸せです。どのママも皆さん“息子大好き”で当然。でも息子が反抗期を迎えたら成長の証しだと喜び、決して母自身の満足を押し付けず、子の意志を尊重してあげましょうね」
撮影/河内 彩 取材/羽生田由香 撮影協力/バディスポーツ 幼児園有明校 ※情報は2023年5月号掲載時のものです。