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Lifestyle40代にはまだLOVEもドラマもあっていい!

元夫にも感謝。二度目の結婚は上手くいっていると考える理由とは

ある程度、結婚生活が長くなると気になる、元彼のこと。あの時、こうしていたらもしかして…なんてふわふわ想像するのは楽しいものですが、現実的には泣く泣く別れた二人でない限り、きっとうまくいかないでしょう。今回の読者さんは、そんな20代30代の淡い思い出を「これで良かったのだ」とポジティブに肯定してくれます。

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◯ 話してくれたのは...木村かえらさん(仮名)

北海道出身。大手保険会社営業を担当し、24歳で退社後結婚。25歳で化粧品会社に就職。31歳で離婚後33歳で再婚。長女9歳、次女6歳。出産と同時に退社し、現在は伝筆認定講師として活躍中。木村カエラさん似のコケティッシュな魅力の持ち主。
東京都出身。大学卒業後、大手出版社に勤務。27歳で結婚。料理・裁縫・掃除と家事が得意。趣味はドラマ観賞。

元夫は同じ大学の先輩で、バンドのサークルで出会いました。最初は先輩の1人にすぎない人でしたが、偶然家が近いことから、一緒に帰ることも多く、親身に相談に乗ってくれるとても親切な人という印象でした。彼はボーカルで、社交的、男気があって、何よりも人望が厚く、老若男女問わず人気者でした。

その関係が変わったのは大学3年生の時。自然な流れでお付き合いが始まりました。本当にステキな人なんですが、しかし身内になると態度が変わり、あんなに親切だったのに、微妙にないがしろにされることが増えました。一言で言うと大事にしてくれないんです。それはサークル内の歴代彼女もみんな揃って言うんです。

卒業後も交際は続き、当時ショックを受けた彼の言葉は「もし友達に何かあったら、君より友達を俺はとるからね」と。あれ? この人大丈夫かな、と不安になることが度々あったのです。

私は化粧品会社に就職するのが夢でしたが、就職活動に失敗、結果、大手保険会社に就職。ノルマ達成が繰り返され、心身ともに疲弊し、3年目を迎えるころには体調を壊し、転職したいと考えていました。元夫は地元のIT企業に就職。しかし会うたびに不信は募り、いよいよ別れることを決心し、さあ明日言おうと決意したその翌日、なんと元夫が東京に転勤に。別れることを告げるはずだったのに、環境を変えたい一心の私は渡りに船で、「結婚して私も連れて行って」と言っちゃったんですよね。まさに勢い。25歳になる直前で、昔から24歳で結婚したいという思いもありました。彼もOKしてくれ、私は退社、入籍後、東京で暮らし始めたのです。

そして私は運よく、憧れていた化粧品会社に就職が叶い、やりたい仕事をスタート。夫も頑張っていたし、お互い仕事を持ちながら新生活を楽しんでいました。数年後、夫から「同僚が起業し、そこに来てほしいと言われているけどどう思う?」と相談を受けました。私は「やりたいならいいんじゃない」と承諾し、夫は転職。そこから歯車が狂い始めたのです。

新しい会社なので新規開拓のため、毎晩接待の連続でほとんど家にいません。想像に及んでいなかった昼夜逆転の生活で、一緒にご飯を食べることもなくなり、1週間帰ってこないこともありました。奥さんになると更にないがしろにされ、それを指摘すると、「信じているから」と言うんです。

そのうえ、惜しげもなく、ばんばん私財をなげうって、交際費に使うようになって、生活も圧迫。思えば学生時代も、お金がないのに、後輩に奢る人で、そのお金は私が出していました。彼が家にいなくて寂しかったし、お金遣いの荒さについても指摘すると、激しい口調で「2人のために今頑張っているんだ。これは将来の投資なんだよ。君のためだよ」と断言し、完全否定されるので、それ以上は言い返せない雰囲気が漂います。暴力はなかったですが、お酒が入ると口調が荒くなって、怖くて言い返せないんです。

だから言いたくても言いたいことを我慢していました。恐らく浮気はしてなかったし、言ってることは本心だし、純粋に頑張っていることは当時もわかっていました。子供も欲しくて、一時期努力もしましたができなかったんですね。家族というより、ルームシェアしている同居人みたいで、このままでいいのかと思い始めていました。

私自身仕事も面白くて生活は充実していたけど、独身と変わらない。思い描いていた家庭とはずいぶん違います。事業拡大とともに金遣いの荒さはエスカレートし、生活費を私がもっと出すように言われ、本当にお金に困っているようでした。離婚は常に考えていましたが、彼はいい人で、嫌いじゃないから日々悩んでいました

ある日不安に押しつぶされそうになり、勇気を出して「今日は何があっても早く帰ってきて」と辛い思いを訴えたメールをしました。すると帰ってきてはくれたんですが、物凄く怒っていて、さらに強い口調で「なんでわからないんだ」と言い放たれました。瞬間的に、もうこれはだめだ。頑張って気持ちを伝えても伝わらないんだなと思いました。

私も30歳を過ぎていたし、人生をやり直すには今しかない、子供ができたら逆に大変と、このとききっぱり離婚を決意したのです。

仕事もキャリアを積み、私の収入が安定していたことも気持ちを後押ししてくれました。それで離婚したい旨を便せん3枚にびっしり書いた手紙を机に置いておきました。それを読んだ彼は、「絶対離婚はしたくない。改善するから考え直してほしい。俺は俺で一生懸命だったんだ」と泣きながら言いましたが、「もう無理」と、私の気持ちは変わらなかったですね。

しばらく「離婚したい」「離婚しない」と押し問答は続き、親にも相談したところ、別居を勧められ、一旦離れることにし、私が家を出ました。でも私の意志は変わらなかった。離婚届を書いてほしいと言い続けました

最初は絶対に書かないと言っていた彼も、言い出したら聞かない頑固な私の性格もわかっていて、1年後しぶしぶ離婚に応じてくれました。彼はお金もなかったので、慰謝料も何ももらえなかったけど、気持ちは晴れました。私は結婚に懲りたわけでなく、絶対幸せな家庭を築きたかったので、これで前に進めると思えました。

ちょうど別居生活の後半に飲み会で今の夫に出会ったんです。夫は6歳年下の大手出版社勤務。私はどちらかというと年上好みでしたが、6歳年下なのに真面目でしっかりしていて、年齢は関係ないと思えた人でした。私は好印象でしたが、夫はそうでもないようで何も起こらないまま、たまにメールをする程度の関係でした。

それが出会って1年後に私の腰痛が酷くなり、なぜだか夫にメールをしたら、「じゃあ今日休みだから病院行こうよ」と連れて行ってくれたんです。それがきっかけで連絡を取り合うようになって、お付き合いが始まりました。前回の失敗があったので、金銭管理ができる人、優しい人というのが必須条件でしたが、夫にはどちらも備わっていて、本当に優しい人。しかし、この人と結婚したいと思うようになったもののなかなか結婚という言葉が出てこなかったので、どうなるのかな? って不安に感じていました。

ところが33歳になる直前にうちの家族で海外旅行に行って、しばらく会わなかったのですが、帰国したら「結婚しようか」と言ってくれたんです。嬉しかったですね。それでその年のクリスマスイブに入籍しました。新婚旅行に行くはずでしたが、なんとすぐに妊娠がわかったんです。元夫とはあんなに頑張ってもできなかったのに!長女を出産後、またすぐ妊娠し次女を出産しました。

あれから10年、夫は全く変わることなく、本当に幸せです。再婚後心掛けてきたのは、前回が言いたいことを言えずにいたので、とにかく我慢しないで良いことも悪いことも口に出して言うこと。夫もきちんと受け止めてくれる人で、いつも気持ちが楽ですね。

誰と結婚しても同じ、と世間で言われることもありますが、私は絶対違うと思います。自分が楽にいられる人は同じではないですよね。とはいえ、最初の夫を憎む気持ちは全くなく、離婚届を書いた日から噂も聞かないし、会ったこともないけれど、再婚して幸せになってくれていたらいいなと心から願っています。成長もさせてもらい、何より元夫と出会ってなかったら今の夫とも出会ってなかったわけで、元夫にも感謝しかないですね。

こういうふうになれたのは、結婚も離婚も利益を求めたりせず、自分の素直な気持ちに納得をして、従ったからだと思うんです。損得で立ち止まらなくてよかったなと思います。子供が寝た後、2人で飲みながらドラマを観てる時間が一番幸せだと夫は言ってくれます。この時間が長く続くよう、私も夫を一番大切にしていきたいと思っています

取材/安田真里 イラスト/あずみ虫 ※情報は2019年掲載時のものです。

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