ミュージカル界に新星のごとく現れ、テレビでもその抜群の歌謡力を披露する姿を目にすることも多く、その存在は認知されているけれど、そもそも“新妻聖子さん”って何者？どこからきたの
普通のサラリーマン家庭で育った新妻さんがミュージカルの女王として活躍するまでに歩んできたその道のりを語っていただきました。
そこには立ち止まった時に生きるヒントとなりそうな“人生の格言”がありました。（全3回の3回目）

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新妻聖子さん「代償の大きい経験があったからこそ、次に大きく転ぶことはない」

先日、息子にママの夢は何？と聞かれたとき、「歌手」と答えたら、「じゃあ、ママの夢は叶ったね。」と言われたんです。息子の夢は私には「消防士」と言っていたのですが、幼稚園の先生がこっそり「ミュージカル歌手のヘアメークさんになりたいって言ってましたよ」と教えてくれて。マネージャーさんもそばにいるけど、舞台の袖までは一緒に行けない。ヘアメークさんなら一番近くでママのお歌を聞けるからと。キュンとしますよね（笑）。
息子に言われて気づかされましたが、今、私は夢を叶えられているんだなと。ご縁に導かれてミュージカルの世界で舞台女優として育てていただきましたが、長い活動で身に付いたのは、お客様との約束を守りたいという想い。チケットはかなり早い段階で買ってくださっていて、「そこで会おうね」という長い約束です。だからこそ、基本的なことですが、「舞台に穴をあけない」お客様との約束を守るというのが私のこだわりです。ただ、その想いが強すぎても逆にプレッシャーとなって体調を崩してしまうので、すごく難しいです。健康に本番の朝を迎えられるかどうかは、どれほど努力しても賭けでしかなくて、子育て中の今は特に難しく、100%の方法はまだ見つけられていません。でも開演したなら、チケット代以上の何かをお客様に持って帰っていただきたいですし、常にその日の全てを捧げるつもりで舞台に立っています。
20周年のステージでは私のキャリアを彩ってくれたレ・ミゼラブルやミス・サイゴンなどの楽曲を歌う予定ですし、有名な映画音楽も久しぶりに披露しようかなと。フルオーケストラの生演奏をサントリーホールで聴けるのも価値がありますよね。私自身のコンサートとフルオーケストラの親和性に着眼して私がオーケストラで聞きたいと思うものを選曲しています。応援してくださる皆様と、素敵な時間が過ごせたら良いなと楽しみにしています。