子宮頸がんって、どんな病気? HPVワクチンってどうなの?
思春期のお子さんを持つSTORY世代のママ達にとって、一度は考えたことがあるのではないでしょうか。何となく、耳にしているけれど、ネット社会の溢れる情報の中では迷うばかりです。海外では、性交渉の経験がある女性なら、84.6%の人が生涯に一度は感染するとされている*一般的なウイルス(ヒトパピローマウイルス)の感染が主な原因であること、そして防げる可能性のある病気であるからこそ、自分事として考えてほしい。そう強く願うのは、実際に罹患経験のある、モデル・稲沢朋子さん。経験した稲沢さんだからこそ実感した、「正しく知ること」「予防すること」の大切さを連載4回にわたって語っていただきます。
思春期のお子さんを持つSTORY世代のママ達にとって、一度は考えたことがあるのではないでしょうか。何となく、耳にしているけれど、ネット社会の溢れる情報の中では迷うばかりです。海外では、性交渉の経験がある女性なら、84.6%の人が生涯に一度は感染するとされている*一般的なウイルス(ヒトパピローマウイルス)の感染が主な原因であること、そして防げる可能性のある病気であるからこそ、自分事として考えてほしい。そう強く願うのは、実際に罹患経験のある、モデル・稲沢朋子さん。経験した稲沢さんだからこそ実感した、「正しく知ること」「予防すること」の大切さを連載4回にわたって語っていただきます。
〈参考文献〉
*Chesson HW et al. Sex Transm Dis. 2014; 41(11): 660-4.
*Chesson HW et al. Sex Transm Dis. 2014; 41(11): 660-4.
稲沢朋子さん
1974年生まれの49歳。2012年、本誌「STORY」の読者モデルとしてデビュー。その後、持ち前のBIG SMILEに人気が集まり専属モデルへ。2016年からは「STORY」のカバーモデルに抜擢され、親しみのあるキャラクターから絶大な人気を博し、遅咲きのモデルとして各方面で話題に。 2019年に「STORY」を卒業後もファッション雑誌やイベントに登場し活躍中。
経過観察後、ガンから卒業して今思うこと
1カ月の入院生活を終え、退院後の最初の1カ月は2週間に1回くらいの通院でした。そこから、3カ月に1回、半年に1回というように、徐々に間隔を延ばしながら、定期的に通院しました。飲み薬などの化学療法は一切せずに、定期検査で経過観察します。
子宮頸がんの原因とされているヒトパピローマウイルスは性経験があれば、一度は感染すると言われているウイルスで*¹、通常200種類以上あるのですが、その中で子宮頸がんになるリスクが高いものは15種類*²、特にがんの進行が早いのが2種類あるそうです*³。感染しても免疫力で排出できる人もいるので、ウイルスに感染したからといって必ずしも全員ががんになるわけではなく、がんになる人、ならない人がいる中で、私はがんになってしまいました。退院後の日常生活で気をつけることというのも特になく、食生活や生活習慣などで再発を防げるわけではないので、定期健診で、異形成*⁴(子宮頸部上皮内腫瘍)などのチェックをしていくことが私にできることなんですよね。
〈参考文献〉
*¹ Chesson HW et al. Sex Transm Dis. 2014; 41: 660-664.
*² Choi YJ et al. J Gynecol Oncol. 2016; 27: e21.
*³ Khan MJ et al. J Natl Cancer Inst. 2005; 97: 1072-1079.
*⁴ 異形成…細胞が「現状ではがんとは言えないががんに進行する確率が高い状態(前がん病変)」や「悪性・良性の境界にある状態(境界悪性)」であることを指します。病変の程度により、軽度異形成、中等度異形成、高度異形成に分類されます。(国立がん研究センター がん情報サービス 用語集)
*¹ Chesson HW et al. Sex Transm Dis. 2014; 41: 660-664.
*² Choi YJ et al. J Gynecol Oncol. 2016; 27: e21.
*³ Khan MJ et al. J Natl Cancer Inst. 2005; 97: 1072-1079.
*⁴ 異形成…細胞が「現状ではがんとは言えないががんに進行する確率が高い状態(前がん病変)」や「悪性・良性の境界にある状態(境界悪性)」であることを指します。病変の程度により、軽度異形成、中等度異形成、高度異形成に分類されます。(国立がん研究センター がん情報サービス 用語集)
通院10年目でやっと聞けた「卒業」のひと言
半年に1回、検診に行く度に、毎回とても不安になります。「また数値が上がっていたらどうしよう。」と。先生の表情を伺ったり、先生の「ん?」っていう反応に敏感になったり。
「病理に回す」と言われてはドキドキしますし、検査にひっかかっても、半年後になくなっていてホッとしたり。そのまた半年後に「今回、また悪化していたらどうしよう……。」とその都度、一喜一憂を繰り返し、最終的に先生から「卒業」という言葉をいただけるまで、通院し続けます。卒業は人それぞれタイミングが違うのですが、私の場合、10年目でやっと聞きたかった「卒業」という一言をいただけました。そこで長い間の不安から解放され、初めて安心できました。
でも、今年、婦人科の検診でひっかかったんです。青ざめて、主治医の先生がいる病院に駆け込みました。病院で改めて検査しましたが、特に問題ないという結果だったので安心できました。何かあったときに信頼できる先生がいるというのは、気持ち的に安心します。駆け込み寺のような。
そのような信頼できる先生に出会えたのは運が良いですよね。「私、持ってるな」って自分でも思います(笑)。
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