10年間日テレのアナウンサーとして活躍された西尾由佳理さん。当時「ズームイン!!SUPER」「24時間テレビ」などを担当しており、才色兼備のアナウンサーとして女性の憧れでもありました。人気絶頂に結婚し、二児のお子さんのママへ。2011年にフリーに転身してからは以前のように頻繁にテレビで見かけることは少なくなりましたが、そこには西尾さんの考えがありました。その理由とは…?(全2記事中2記事目)
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「よく本番後は泣いていました」元日テレの西尾由佳理さんが、活躍できたワケ
東京女子大学現代文化学部卒業後、日本テレビアナウンサーとして2001年入社。2011年に一般男性と結婚しフリーへ。現在は2児のママとして育児に奮闘中。
なにが自分にとって楽しいことなのか、素直になることにしたんです
「子どもとの時間」をできるだけ大事にしたいと思ってきました。ただ仕事をしたい気持ちももちろんあるので、ここにくるまで色々葛藤しました。世の中の両立されているママさんって本当に尊敬します。
ーお仕事があるときは、どうしているのですか?
仕事の依頼がきたら、夫、ママ友、親、シッターさん、誰に子どもを頼めるかを考えるところから始まります。すべてのスケジュールをパズルのように組み立てて、準備が整って気持ちも「いける!」となって、ようやく仕事の時間を確保できます。おそらく比較的にありがたい環境にあるとは思いますが、それでもやはりどうしても誰にも頼めないことも結構あって、そのときはお引き受けできません。でもそれは仕方がない。だって子どもを優先して仕事を決めてしまっているところがあるんですから。
ー子どもとの時間を最優先することでキャリアへの不安はないのですか?
もともと子どもがすごく好きというタイプではなかったんですけど、自分の子どもができると、こうも変わるのかと思うくらい考えが変わってしまって…子どもありきの人生、子ども中心の人生になってしまいました。でも今はそれでいいんだと割り切って考えています。今の状況に焦ることなく素直に生きたい。仕事と子育てを天秤にかけた時、子どもとの時間より勝るものって私にはないと気づいたんです。大事なのは今何を選択し、選択した道でおもいきりどう楽しむか、それに尽きます。それが人生長い目で見たときに自分の財産になると信じています。この子どもファーストの時間もです。子育ての楽しさも大変さも知ることができた。世の中への見方が変わったこともある。この経験がいつかどこかで活きるはず。ようやく子どもも、年齢的にいろいろなことが一人でできるようになってきました。だから、もしこんな私でも、何かの形でこの先一緒に仕事をしたいと思ってくださる方がいたら、その思いとご縁に感謝してひとつひとつ全力でこたえられるように、一所懸命やりたいです。チャンスがなければ泣いてあきらめるしかないですね(笑)。
ー将来のことよりも“今!”をいちばんに見るようになったきっかけは何でしょう?
子育ての講演会で聞いた教育学者の先生の言葉なんです。
「生きていく中で目標は大事だけど、そこを目指し結果を求めすぎると、今やっていることがすべてそのために動いていることになってしまいませんか?じゃその最後の目標が達成できなかった時、そのために費やした時間は無駄だったとなってしまうのでしょうか。そう思うととても残念です。今が将来のための今になると、今という時を楽しめていたのだろうかと考えてしまいます。今できることに楽しんで、満たされることを大事にしたい」と聞き、私もこう思うようになりました。小さな幸せかもしれないですけど、普通に家族で歩いているだけで「ああ、幸せだな」と当たり前の風景に心が満たされるんですよね。
私にとってママ友は絶対的な味方なんです
ママ友にはすごく助けられています。心から出会えてよかったと思える人に何人も出会えました。助けてもらったり悩みも聞いてもらったり感謝しかないですね。ママ友っておもしろいなと思っていて。子どもありきで繋がって、気づいたら仲良くなっている。自分一人の人生では出会えなかったであろう人たちに、子どもが出会わせてくれた。その中には、この先もずっと仲良く付き合っていけそうだと思える友人もいるんです。以前は仕事とプライベートってなぜかきっちり分けたいと思っていた節があったんですよね。だから友達ってなかなか作れなくて。こんな大人になって心許せる友達ができるってありがたいです。
1日の最後に必ずしている我が家のルールがあるんです。夜はみんなで一緒にベッドに入るんですけど、寝る前に「今日楽しかったことを3つ言って~」って子どもに聞くんです。ニコニコしながら思い出している姿や、楽しかったことを聞いていると幸せなだなあと思います。プラス思考で1日を終えることっていいことみたいで、これもお友達に教えてもらって取り入れたんです。今プライベートが子どもと充実しているから、ストレスをあまり感じないのかもしれません。
外見が綺麗な女性より、中身のある女性でいたい
40代になって、50代60代も近い未来として考えるようになってきました。同時に“老い”についてもです。私は読書が好きで、賞を取った本や話題の本はなるべく手に取るようしています。せめて自分の感受性を瑞々しく保っていたいと思って。それが精神的に老いない秘訣になるような気がしているんです。それから子供が勉強をしているのを傍で見ていたら、知らなかったことを知って世界が広がっていくことが、こんなにもワクワクして素敵なことなんだということを再認識させてもらいました。だから私も何か新しいことを学んでみたいっていう意欲が沸いてきて、沸いただけですけど。いくつになっても心は瑞々しくしなやかに、新しいことにワクワクして、中身のある女性になりたいです。だってきれいなもので飾って美しく見せるより、老いれば老いるほど外見じゃないって、やっぱり本当の美しさは内面からにじみ出てくるものだって思いたいじゃないですか。
ジャケット¥46,200(エストネーション)シャツ¥26,400(ドローイング ナンバーズ/ドローイング ナンバーズ新宿店)スカート¥41,800(ガリャルダガランテ/ガリャルダガランテ青山店)ピアス¥96,800ネックレス¥121,000ペンダントトップ¥30,800バングル¥275,000左手中指リング¥110,000(すべてウノアエレ/ウノアエレ ジャパン)左手小指リング¥1,320右手リング¥2,200(ともにOSEWAYA/お世話や)★SHOP LISTはコチラから
撮影/浜村菜月 モデル/西尾由佳理 ヘア・メーク/榎田茉季(ROI) スタイリスト/小川真央 取材・文/小出真梨子