「一家の大黒柱」と聞くと男性を思い浮かべるのは一昔前。今は、時と場合によって「大黒柱」が変わる時代です。男女関係なく一家を支えていくことは大変なこと。仕事と家事、育児の両立に悩みながら、パートナーと共に支え合い、それぞれの幸せの形や新しい家族の在り方を見つけた方々をご紹介します。
野々村友紀子さん 48歳・東京都在住
放送作家
忙しい時こそチームワークが大切。
だから自分の頑張りは家族の功績です
だから自分の頑張りは家族の功績です
歯に衣を着せぬコメントで、多くの女性から支持を集めている野々村友紀子さん。夫はお笑いコンビ〈2丁拳銃〉の川谷修士さんです。「夫と出会ったのは、NSC養成所の先輩後輩という立場でした。結婚してからは、芸人と放送作家という不安定な職業でしたが、家計のほぼすべてを夫の収入から出していました」。
野々村さんに家計の負担がいちばんかかったのが、コロナ禍の時期だったといいます。「夫は、コロナ禍で舞台や営業の仕事がほとんどなくなってしまい、その時期は、私の仕事が増えているような状態でした。最初は、あまり仕事がない夫が、いい気がしないのではないかなど心配していました」。しかし、修士さんは全然気にせず、むしろ応援してくれていたそうです。「『何も気にせず、今はたくさん仕事して、ほかのことは俺にまかせてくれ』と背中を押してくれました」。
忙しい毎日でも、家族間の会話は必要だといいます。「お互い頼り合って、できるほうがやっていこうと。注意し合うだけじゃなくて、普段から褒め合えば、ちょっとしたお願いもしやすくなります」。仕事だけでなく家庭全般も常に状況を共有して、把握するそう。「今は娘たちがどんな様子なのかといったことを共有し、また、家族全員でスケジュールを把握し、忙しい時こそ、家族のチームワークで乗り切っています」。
普段から、お互い働いているからこそ、そして今は野々村さんの仕事が多いからこそ、家族が幸せに暮らせているというメリット面を押し出すようにしているそうです。「みんなが頑張ってくれているから、私は仕事ができる。私が働いていなくても買えたであろう物でも『みんなの頑張りで買えたね』と、みんなの功績を伝えています。そうすると、家族は気分良く私を働きに行かせてくれます。夫にも『修士くんが家で頑張ってくれているから、仕事に集中できる』と感謝を伝えています。お互い尊敬し合っていれば誰が大黒柱になっても変わりません」。
日々のちょっとしたコミュニケーションの積み重ねがあれば、どちらが働いているなど関係ないと話します。「〈やってくれない〉〈私ばっかり〉ってなると、不満がたまります。なので『みんなでやろうね』と話し、困った時はヘルプ! をすぐに出しています。そういう意味で家族は話し合うことが大切だと思います」
撮影/BOCO ヘア・メーク/松原美穂〈Nestation〉 取材/加藤景子 ※情報は2023年9月号掲載時のものです。