結婚相手に求める条件として、一昔前に流行った「高学歴・高収入・高身長」のいわゆる3高。若い時に囚われていた条件を捨てたら、ありのままを愛してくれる人が現れた!大人婚だからこそ得られた、幸せの軌跡をご紹介します。
⚪︎話してくれたのは......億女OLあいさん(39歳)
岡山県出身。有名私立大学を卒業後、大手メーカーに就職。その後起業し、不動産やお金に関する講座を主宰。30歳で結婚し、33歳で離婚。その後35歳で現在の夫と溺愛婚を果たす。著書「億女が借金彼氏を”お金持ち体質”にした話」
夫:愛知県出身。大学卒業後、妻と同じ企業のグループ会社に就職。妻のことが誰よりも好きで、妻の事業を全力でサポートする優男。趣味はプラモデル。
モラハラ夫との喧嘩の日々に疲れ果て、身も心もボロボロに
20代も後半に差し掛かった頃、周りの友人たちが次々に結婚をして焦っていた私は、“30歳までに結婚しなければ”という思いにかられていました。婚活に必死で、紹介や合コン、お見合いパーティなど、累計すると500人くらいの男性に会ったと思います。当時、条件に掲げていたのはいわゆる”3高”。純粋にその人を知ろうとするよりも、面接をするかのようにデートを繰り返していました。
そんな時、婚活アプリで出会ったのが、元夫でした。顔も好みで3高の条件にもピッタリ。結婚相手としては申し分ない人でした。ただ、細かいことを全く気にしない私とは対照的で、元夫は筋金入りの細かい性格。その細かさは、1円単位で割り勘をするほど(笑)。
付き合って最初に行った温泉旅行で、ガソリン、宿、食事など、ありとあらゆる出費を全てメモしていたんです。なんとコンビニで買ったお菓子やアイスまで! そのメモを見せられ、きっちり割り勘の金額を請求された時は、さすがにドン引きしました(笑)。
でも当時の私は、“30歳までに結婚しなくちゃ”シンドロームに囚われていたので、「私だって完璧じゃないんだし、減点法で相手を見たらだめだ!」とポジティブに変換。彼の細かすぎる性格に目を瞑ることにしたのです。
それから1年経たずして婚約し、30歳で結婚。しかし、そこで待っていたのは地獄のような結婚生活でした。結婚前に決めたのが、生活費などのお金はもちろん、掃除などの家事も全てを折半するというルール。ただ、夫は想像を遥かに上回る細かさだったので、折半の基準も超シビア! 生活の全てが合いませんでした。もともと大雑把な私は、掃除も苦手で家事も最低限で良いのですが、夫は絶対に納得しない。「俺がやっている家事リスト100」を見せられた時は言葉を失いました(笑)。
夫が求めるレベルの家事ができていないと、その度に浴びせられる理詰めのお説教。毎日のように喧嘩をして、疲れ果てていました。「また怒られるのではないか」という恐怖心から、家に帰り着くと動悸がするようになり、過呼吸気味になったことも。
そんな生活が2年ほど続いたある日、寝ようとベッドに入っても涙が止まらなくなってしまったんです。それを見た夫が、「限界だね。離婚しよう」と一言。その言葉を聞いた途端に「もう苦しまなくてもいいんだ」という安堵感で、その夜は熟睡できたことを覚えています。
他人軸を捨てたら、自分に合った人が現れた
無事に離婚が成立したところで、「2年以内に再婚しよう」と決意。離婚する前も、夫との話し合いが大変だったので、開放感とともに再婚活へのやる気が湧いてきました。
初婚での苦い経験から、気づくと自分自身の価値観が変わっていました。人に幸せにしてもらうのではなく、まずは”自分で自分を幸せにする”と決めたんです。すると自然に、選ぶ人の条件も180度変わりました。
3高でイケメンがいいと思っていたけれど、そんな外側の条件はどうでもよく、思いやりがあって優しくて、溺愛してくれる人がいい。収入が低くても、お金の使い方に対する価値観が合うことの方が大事。一緒にいて楽しいのが一番。自分の心に従った軸をもとに、アプリや紹介など、婚活を頑張っていました。
そんな時、今の夫とのお付き合いが始まります。出会いは職場で、10年以上前に同じプロジェクトで一緒に仕事をしていた時の仲間でした。
当時、彼からは好印象を持たれていたものの、3高の条件や私の好みには合わず完全に恋愛対象外。そこから数年会うこともなかったのですが、離婚直後にたまたま仕事で連絡を取り合う機会が。他愛もない話から離婚したことを伝えると、「ご飯に行きましょうよ」と誘われたんです。彼が同世代で独身だったこともあり、初めて意識し始めました。
ただ、そこから順調にお付き合いが始まった訳ではありませんでした(笑)。一難去ってまた一難、最初のデートで、「この人、お金ないな……」と話の節々から感じたんです。
聞いてみたところ、リボ払いで200万円ほどの借金があることが判明! 借金男とは結婚できないと思い、その場で収支を書き出してもらいました。私自身が投資や不動産に詳しかったので、「ここを削ってここで収入増やしたら大丈夫」と改善方法を伝えると、「今日から頑張る!」と宣言。
結果的に、月7〜8万円の出費を削り、プチ稼ぎも始めたら収支が100万円以上改善。1年で借金を返済することができました。私の言うことを素直に聞き入れて行動する姿や、優しくて気遣いのできる人柄に惹かれ、再婚を決意しました。
大人婚をした今が、人生で一番幸せ
結婚してからも特にギャップを感じることはなく、本当に毎日が幸せです。最初の結婚と違って、世間一般の価値観ではなく、自分の心を大切にしたことが大きかったと思います。以前は相手に求めて、幸せにしてもらえるかどうか? が重要だった。でも、どういう人生を生きたいのか? を自分自身で決めたら、その価値観に合う人が現れたんです。
他人の価値観や、表面的な条件だけを見ていたら今の夫を選ばなかっただろうし、20代の自分だったら絶対に彼とは結婚していませんでした。
長く生きていると、経験値が増える度に、どんどん価値観も変わります。そんな最新の価値観にアップデートされた状態でともに人生を歩める大人婚は、トータルで見ると心の満足度が高いのがメリット。
私自身、今になって初めて、本当の自分は”自由にやりたいことを貫いていくタイプ”だと気づきました。今までは引っ張ってくれる強い人がいいと思っていましたが、本当の自分を知ってからは、サポートしてくれる人の方が合っているし居心地が良いと感じるように。今の夫がまさに後者のタイプです。
家事も、結婚する前に「私は苦手だからしないよ」と伝えてあるので、以前のように要求されることもありません(笑)。
これからも、自分が好きなことを自由にやりつつ、お互いのやりたいことを応援し合える関係を続けていきたいと思います。
大人婚に向けたアドバイス
STORY世代で婚活をしている人は、頭で考えている人が多いと感じます。アラフォーになると結婚を前提にした恋愛になるので、「絶対にこういう人じゃないとダメ」という思い込みが強くなりがち。妥協ではなく、新しい価値観を知るんだと思うと視野も広がります。
大人婚に、”ときめき”や”ドキドキ感”はあまり重要ではありません。大切なのは、一緒にいる時に、「自分が欲しい感情を与えてくれるのか?」ということ。安心できたり、穏やかな気持ちになったり。そんな優しい自分でいられる相手であれば、自然にお互いを思いやれる関係でいられるはずです。
取材/渡部夕子