酒井法子さんにインタビュー。ご自身の今と40代を振り返ってSTORY読者たちへ伝えたいことをお聞きしました。
――今は、何をされている時間が一番楽しいですか
なんだろう・・・朝、目が覚めると「うわっ」と思うこともあるんですね。それって嫌じゃないですか。一瞬「うわっ」となって、「いやいやいや、違う」と、深呼吸して、瞑想まではできないですけれど、3回深呼吸みたいな。
あるいは、今日はちょっといい日かも、今日もハッピーって思うときも。バイオリズムがあって、積極的にやろうと思ったり、こんな自分になりたいから、こなしていこうとか。
だいたいできないことも多くて、夏休みの宿題の締切り前日みたいなことがいつもなんですけど、何とかできて、結果も出て、その時が一番楽しいですね。
ボイストレーニングも好きですね。何が好きかって、やっている時は、またやらなくちゃ・・・とか思うんですよ。でも、やっぱりやっていてよかったなという瞬間がきたり、そういうことの繰り返しですね。終わらない、ずっとそれをやっている感じですね。
――普段はどのようなトレーニングをされていらっしゃいますか。
ほぼ毎日、がっつりトレーニングです。最初のころは床に這いつくばっていましたね。あまりにつらくて。「もう無理!立てない!」って。大人になって人生で床にへばりつくことなんてなかなかないなっていう日々を長く過ごしましたけど、人は成長しますね。パーソナルトレーニングなのですが、常に成果を出してくれて、だましだまし、ちょっとずつ成長させてくれるんですよね。成長しようと思えば日数を増やしたり回数を増やしたり、食べ物をすごく集中して気をつけたりするなんですけど、
でも今、私もほんと「揺らぎ」ではないけど、今までは老化って少しずつ、してるのかな、と思うくらいだったけど、50、51歳を過ぎたあたりから、急に日に日に「ん?」と、「あれ、やばくない?どうした私・・・?ああ、これが老化か」と思うように。だから、どうしようと思った時に、やっぱり外からのことも大事だけれど、中からも大事かなと。ちょこちょこケアしてはいたんですが、お仕事が忙しくなると、外食が多くなったりコントロールが難しいじゃないですか。大丈夫と思いきや。3カ月後に必ず答えが出てしまって、「ああ、きた」みたいな。
アスリートの方が開発したスープがあって、プロ野球選手も飲んでいるのがあって、パフォーマンスが上がるので、歌の本番前にはいただいたりして、1カ月2カ月3カ月としっかり取ってみようと思っています。
周りはパーソナルトトレーニングをしている人も多くて。している人としていない人の差が開きますよね。努力が大事。努力と食べるものに気をつけているつもりでも、思うような結果が出ないなあっている時もあると思うので、そのスープは続けてみようと思っています。
――老いを感じるというのはどういうところですか。美容に関しては、どうされていらっしゃいますか?
やっぱり皮膚ですかね。肌。ん?って。ハリとか、シワとか・・・。私、基礎化粧品とかそこまで考えずに使っている感じだったんですよね。ちゃっちゃっちゃっ、ぺっぺっ・・・無理でしょそれじゃ、と。そこで心を改めまして、きちんとした化粧水とか乳液とかを使うようになりました。時間があるときはパック。どんなに安いものでもよいのでぬるぬるしたやつを。とにかくぬるぬるしたやつ!です。韓国コスメとかぬるぬるしてギトギトになるやつをですね、肌に。お顔をお顔で余れば髪を乾かしている間に首にもつけて、とにかく保湿、ですね。
――ご自身の40代のケアを振り返って、今の40代へのアドバイスはありますか
最近は美容商品も、億万長者で生まれたかった・・・というくらい高いじゃないですか。だけど結果が出ますから、ある程度そういう美容業界の叡智を使いながらも、日常のそのちょっとした塗り込みケアとか、オイルを混ぜてクリームとか、乾燥させない努力をすること、中も外も。水分もしっかりと摂って。ちょっとやりすぎなくらいやって、ちょうどよいのかなと。それでも追いつかないんですけどね。
何でも早め早めにやっておくに越したことはないなと思います。サーフィンとか、海にもよく行っていたので、日焼けはもっと気をつければよかったと思いますけど、それはそれでいい思い出ですね。世代的に日焼けに抵抗がない世代で、最近はだいぶ意識が変わって肌を焼かなくなっている人も多いけれど、気持ちいいですよね、おひさまの下にいるって。たまには焼きたいですね。1日中、肌をつるんって保護してくれるノーベル賞ものの日焼け用商品を誰か開発してくれないかな、と。一塗りでOK!という。
――お会いするまでテレビや報道を通じての印象だったのですが、お会いしてとても親しみやすさを感じました。今は素敵に歳を重ねていらっしゃるように思います。今の法子さんのお話では、ご自身が自分でいろいろなことに気付いて努力をして困難を超えたのもあるけれど、周りの皆さんの力がすごかったのだなというのが伝わってきます。
本当に、周りの皆さんに支えていただいていると思います。先日も歌番組で大先輩がいらして。私、恥ずかしい話なんですがその方が本番に出られる時間だし、ご挨拶するタイミングが微妙かなと、私のこと、別に覚えていらっしゃらないだろうし、なのでご挨拶をさせていただかなかったんですね。そうしたら、ご本人が本番前に、法子ちゃん来ているの?って。ご挨拶したい、一緒に写真撮りたいと言ってきてくださって。楽屋に戻ってきてくださりそうになったそうで。いやいや待ってください、プロデューサーさんが酒井さん呼んできますってなって。酒井さんにご挨拶したいと。「久しぶりねー。元気―?、これからも歌、頑張ってね、仕事頑張ってね」と言ってくださって。とても嬉しくて、感動しました。その少し前には別の大先輩の方のコンサートに行って舞台袖でご挨拶にったら、昔、ドラマでご一緒したんですけど、「あなた元気だったの」と、ぎゅーっと抱きしめてくださって。「これからまだまだ人生長いんだから頑張って。私にしてあげられることは何でもしてあげるから。相談に乗るわよ」と言ってくださって。温かいなあって。諸先輩方が、やっぱり、今もキラキラ輝いていらっしゃって、私がビックリしちゃうくらい温かくて。そういう愛をたくさんいただいて、本当にお金では買えないという気持ちをいただいて。
なぜ皆さん音楽が好きか、なぜコンサートに行くか、というと、この前少し聞いた話なんですけれど、音楽とは、波動。脳が揺れるので音楽を聞くとその振動で心地よくなる、と。この人といると気持ちよくなる、なんだか楽しくなっちゃうというのも、その相手の人が出している波動だと。そういうのって、人間ってそもそもとても小さなミクロの粒子でできているから、結局、水のように、波動のように空気のように、そういったものもあるから、大事に大事に生きていたり、大事に大事に波動を出したり受け取ったりをしていれば、素敵な人になっていけるのかなと思います。
――今後はどのような活動をされていくご予定ですか
これから、舞台とか、新しい曲とか。「法子のYouTubeチャンネル」という公式のYouTubeチャンネルも作っていただいたので、皆さんに発信して、見ていただく場面が今後は増えると思います。好きなことと仕事がシンクロしはじめていて。好きなダンサーさんがいて、ずっと彼女たちを見に行っていたんですけど、それがご縁で、一緒にお仕事をすることになったり。「好き」ってすごいですよね。
撮影/沼尾翔平 ヘアメイク/RYO 取材/藤村惠子