夫婦関係の心の動きの専門家に聞きました。
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教えてくれたのは…山脇由貴子先生
大学卒業後、都内児童相談所に19年間勤務。子どもの問題は親(大人)の問題であると考え大人を救うための心理オフィスを開設。テレビ出演や著書多数。
夫が変わらない一方で、女性は?
Q.コロナ禍を経て、夫婦関係がギクシャクしてきたように思います。実際どうですか?
――テレワークが増えたことが大きいですね。一緒にいすぎて関係が悪くなったという相談が多いんです。子どもにも夫にもこんなに手がかかると思っていなかった…と。いないでいてくれることのありがたさを知った女性も多いことでしょう。逆に夫からすると妻がこんなに口うるさいと思っていなかったという言い分もあるようですよ。妻は子どもと同じ口調で夫へもガミガミ怒っていませんか? 子育てと一緒で怒ってばかりではなく、夫も褒めることで上手に育ててあげてくださいね。
Q.夫はなぜ「長男化」するのでしょうか?
――夫側の話を聞くと母親は「当たり前のように環境を整えてくれるもの」という認識があるようです。今まで何も言わなくても自分の母親がやってくれるのが当たり前だったので、むしろ家にいる妻がやってくれなければ「なんでやってくれないの?」「なんで自分でやらないといけないの?」と夫は思ってしまうのです。つまり妻が母親化しているということ。女として見られなくなっている、家政婦扱いされていると少しでも感じたら徹底して世話をしないようにするべきです!
Q.では、私たち妻にも原因があるということなのでしょうか?
――はい。「面倒くさい」「やらないからしょうがない」と思いながら知らず知らずのうちに、夫の世話をしている妻が多いと思います。実は息子を持つ家庭のほうが「夫の長男化」は進行しています。それは妻が息子と同じく夫にも手をかけていることが原因なんです。息子も同じ系統の夫になるという危険性があるため、妻が家庭の中で上手にハンドルを握り操縦することが最も大切になってきます。
Q.どうすれば解決するのでしょうか?
――とにかく夫婦でとことん話し合いましょう。まずは妻の負担を大きくせず、夫に「今日は子どもをお願い!」と言い合える関係でいることを目指します。うまくやっている夫婦は交代で1人の時間を作っています。妻に1人の時間を与えたら1日機嫌が良くて助かることを夫は早く気づくべきですね。妻も「直してほしい」という言い方はNG。それは「あなたが悪い」ということですから。夫に変わってほしいなら「どうしたらいいと思う?」「少し考えてほしい」と相談してみましょう。そういう考えもあるんだ! と新たな発見ができ、気持ちよく解決できますよ。
子どもがいる夫婦のほうが離婚している
子どもの有無別離婚件数(総数184,384件)
結婚した夫婦の3組に1組が離婚すると言われている時代。もはや「子はかすがい」ではありません。子どもがいる夫婦のほうが、離婚率が高いことには驚きです。
40代は離婚危機!?
年代別・離婚可能性あり…と思っている既婚女性の割合
離婚について「現在、準備中」「かなりありそうだと思う」「あるかもしれないと思う」と答えた人たちの累計の割合。ちなみに、同統計では男性の場合でも40代がいちばん高い。
〝夫の長男化〟妻はどうすればいい?
・これからは徹底して「やってあげない」ようにする
妻は母親ではない。お世話の線引きをして甘やかさない。
・怒ってばかりはNG。褒めることを覚える
子育てと一緒で加減が大事。上手に操縦して育てること。
・「直して」と要求せずに「どうしたらいいと思う?」と相談する
よく話し合って、夫の考えも取り入れることが解決の鍵!
・お互い1人の時間を作るようにする
全部やろうとせず、夫にも頼って自分の時間を大切に。
撮影/古水 良 取材/小出真梨子、佐藤奈保子 ※情報は2023年10号掲載時のものです。