子育ても一段落して、これから自分がやりたいことを考え始め、コロナ禍に「本当に自分がやりたかった夢」を思い出し実現させた細川直美さん。人生の流れにあらがうことなく、自然体の生き方だからこそ叶った夢。40代で経験したことはすべて無駄ではなかった。50代からの生き方、仕事のこと、ご夫婦のことをお聞きしました。
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デビュー35年。変わらぬ透明感の理由と、美しく歳を重ねる秘訣とは
結婚22年。ケンカをしない仲良し夫婦の秘訣は“いい距離感”
――いつも仲良しの印象があるご夫婦ですが、ケンカをすることはありますか?
ケンカはあまりしたことがなくて、22年の間で数回かな。お互いあまり言い合うタイプではないんです。冷静に話して解決するみたいな。私はすぐに忘れちゃうタイプなので、ケンカにならないのかも。
――夫婦円満の秘訣はなんだと思いますか?
いい意味で、距離感を保っていることかな。結婚当初からお互いの時間をそれぞれ大事にしているのが、うちの場合よかったのかもしれません。私は不満に思うことはないんですよ。向こうはあるかもしれませんが(笑)。
――子育てが一段落すると、夫婦で過ごす時間が増えると思いますが。
確かにこれから子どもたちが成長して、50代になるとますます夫婦で過ごす時間が増えますよね。子どもがいない頃は夫婦の共通の趣味だった、釣りに行っていました。また一緒に釣りをやるのもいいかな。今までずっと一緒に子育てをしてきたので、これからはお互いが自由に好きなことをする時間も過ごせたらいいなとも思っています。行きたい場所に行きたい時に自由に行くなんていうのも理想です。そのためにはお互いに自立していないとだめですよね。
振り返ってみると40代は、子育てと介護が重なった時期でした
――今年49歳になられる細川さん。どのような40代を過ごされましたか?
実は40代は、子育てと父親の介護が重なっていたんです。子どもたちはまだ小学生で、介護している母のサポートもしたり。満喫した40代とは言えないかもしれませんが、振り返ってみると、すべてが貴重な時間だったなと思います。結婚してから女優の仕事はセーブしていましたが、その時一番大事だと思ったことを全力でやっていました。介護は自分たちもいつか通る道なので、子ども達のためにこうしておいた方がいいかな、とかイメージができました。実際に経験してみるとすごく視野が広がるので、介護でもボランティアでもなんでも経験するのは大事だなと思います。
コロナ禍で思い出した、やりたかったことはジュエリーデザイン
――芸能活動のほかに、ジュエリーのデザインをされているんですよね。
コロナの影響で夫の仕事も私の仕事も全部ストップしてしまって。その時にこれからどうしていこうか考えたんです。もちろん役者の仕事も大好きですが、今はコロナ禍で難しい。じゃあ私は本来、何がしたかったんだろう? と考えたんです。もしこの仕事をしていなかったら、幼稚園の先生かジュエリーのデザインの勉強か、写真の勉強をしたかったのだと、思い出したんです。そんな時にご縁をいただいて、ジュエリーを作ってみない? と声をかけてもらって。去年からジュエリーの仕事を始めました。今はオンラインでしか販売していないのですが、今後はもっと広く展開していきたいと思っています。
――今回撮影でもつけていただいた指輪は太さが自由に変えられるようになっているそうですが、このようなデザインにしたのには理由があるのでしょうか?
20代や30代で作っていたら、1年で使い捨てるような感じのアクセサリーになっていたかもしれません。50代に近くなって今までいろんなものを見てきたからこそ、一番使えるジュエリー、長く使えるジュエリーのデザインを考えられるようになったのだと思います。カジュアルにつけたいとき、上品につけたいとき、気分によってつける指を変えたり、年齢とともに指の節が太くなったり、指がむくんだりしてもサイズが変わるのでつけられるんですよ。年齢を重ねた今だからこそできたデザインなので、そういう意味では一番いいタイミングで作れたかなと思っています。
――ご自身の夢を実現された細川さんですが、これからの人生に悩んでいる40代に伝えたいことはありますか?
私自身はその時の流れに乗って、その中で自分か楽しめることを見つけるタイプなんです。興味のあることに挑戦するのもいいと思いますし、興味がなかったこともやってみると意外と楽しかったりすることもありますよね。だから、これ、と決めずに40代はいろんなことに挑戦して、自分がやりたいことを見つけるのもいいと思いますよ。
飾らない自然体のブログを10年も続けている理由
――細川さんはブログを10年も続けていらっしゃいますが、その理由は?
日常の生活を、本当に飾らずそのまま載せています。ブログを読んでくださっている方に素の自分も知ってもらいたくて。私だってピザも食べるしマックだって行くよって。本当に特別なことは何もなくて。みなさんと一緒に歳を重ねていくのを、これからも自然に見せていけたらいいなと思っています。
ジャケット¥86,300(バウム ウンド ヘルガーデン/エストネーション)タートルニット¥5,990(アンフィーロ)スカート¥41,800(プルミエ アロンディスモン)ピアス¥35,200(エトワライト)バングル¥88,562(ノムグ)左手リングにしたイヤーカフ¥10,500(ヨア)右手薬指リング¥22,000(サリーズジュエリー)パンプス¥46,200(ロランス/ザ・グランドインク)右手人差し指リングは本人私物
撮影/沼尾翔平 モデル/細川直美 ヘア・メーク/陶山恵実(ROI) スタイリスト/山本有紀 取材/山崎智子