取材を進めると「患者は生きづらい」「孤独」そんな声を多く聞きました。罹患し治療し、その後も続く未来に寄り添ってくれるセンターやサポートを紹介。決してひとりではないことを知ってほしいから。
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「おっぱい2つとってみた」著者に聞く、がんについて伝えたいこと
ピンクリボンアドバイザーの認定
乳がんサバイバーだからこそ見出せる次の可能性もある
ピンクリボンアドバイザーは乳がんの正しい知識を持ち、乳がんから自分を守り、家族、友人に働きかけ、がんが見つかった際にはアドバイスやサポートといった活動ができるものです。私は44歳の時に検診で乳がんが発覚。手術後、不安や孤独もあり落ち込む私に上司がアドバイザーの存在を教えてくれました。
マイナスだと思っていた経験を生かすことができることを知り、認定試験の勉強をすることで前を向けた気がします。乳がんは治療の選択肢が多い病気。正しい知識を得ることで正しい治療を選択する、それは自分がどう生きたいかに繫がっていると感じています。忙しくても「ブレスト・アウェアネス(乳房を意識する生活習慣)」の意識をもって自分の体を大事にして頂きたいです。
ほっとくつろげる、がん相談支援の場
認定NPO法人マギーズ東京
https://maggiestokyo.org/
ひとりじゃないと知ってほしい
がんに影響を受けた当事者の方、ご家族、友人、ご遺族を含めたすべての方が無料で利用できる施設です。医療の専門家が常駐していて相談ができ、グループプログラムもあります。
私自身24歳で罹患し、手術、抗ガン剤、放射線治療、分子標的薬、ホルモン療法と闘病。当たり前のように描いていた、仕事や結婚、出産、親孝行、世界一周の夢は一気に崩れ、うつ状態にもなりました。経験を役立てたくて始めた若年性患者団体の活動中に出合ったのが英国の「マギーズセンター」。「闘病時の私が求めていたのはこれだ!」と日本に誘致し今に至ります。
罹患しても決してひとりではなく、相談できる場があることを知ってほしい。少しずつでも社会の意識も変わっていけば、と日々感じています。
術後の痕で旅を諦めたくない人へ
ピンクリボンのお宿ネットワーク
https://www.ribbon-yadonet.jp
術後の体を気にして旅に行きづらい方達にもお宿を楽しんでもらいたいというコンセプトで、露天風呂付部屋、入浴着着用可能などのプランを企画するお宿を検索できるサイト。日本全国の様々なお宿が加盟しています。
別邸 仙寿庵
吉夢
撮影/大森忠明 取材/味澤彩子 ※情報は2023年11号掲載時のものです。