登録者数27万人(2023年12月現在)のYouTube「LiaLico Channel」を運営する美穂さん。イギリス人の夫と結婚し、6人の子どもを育てる様子を、日々公開しています。50代を迎えた現在も末っ子で双子のりあとりこは11歳で、バルセロナで絶賛子育て中。国際結婚を経て、現在に至るまでについて伺います。
アメリカの大学を卒業して帰国した私が、日本で働き出したのは1980年代1990年でした。“結婚したら女性は家を守る”という保守的な考え方が日本ではまだ強い時代で、アメリカとの文化の差を痛感。女性を対等に見てくれる男性と結婚するのは日本では難しいのかもしれないと悩んでいました。
そのような悩みを抱えていた30歳の頃に、母が亡くなったんです。母は昔から家族の中心的存在だったので、いなくなってしまったことで、私の心にぽっかり穴が開いてしまいました。それと同時に「早く結婚して子どもと家族をつくりたい!」という使命感にかられるように……。そのタイミングで出会ったのが仕事で日本に来ていたイギリス人の夫でした。
結婚するなら「尊敬できる人」その真意は
昔から「結婚するなら尊敬できる人。お金に苦労したことのない人は辞めなさい」と、叔母たちから言い聞かせられていました。夫とはタイミングが良かったのもありますが、小さい頃に少し苦労をしていてモノをとても大切にしているところが良かったですね。出会った頃に15歳から着ている服を持っていて驚いたことも(笑)。時間もきちんと守るし、会社も休んだ事がないまじめなところも魅力的でした。
結婚後は夫の仕事でベトナム、香港、インドネシアなど各国へ。子どもが欲しかったので新婚のふたりの時間はほとんどなく、すぐに長男のともやが産まれました。その頃は海外で暮らしていたので周りに知り合いもおらず、子育て中は仕事もしていないため、「世間から孤立している……」と感じてずっと不安でした。
振り返れば夫もサポートしてくれていて、デートに誘ってくれたり、会社のパーティに連れ出してくれたりと気分転換ができるようにしてくれていたのですが、当時の私は感謝できる余裕もなく……。結局、自分の居場所を見つけたいという思いで、ともやが1歳になる前には働きに出ることになりました。
合わせることはできなくても「理解し感謝」すべし
国際結婚をして一番大変だと思ったのは文化の違い。離婚原因になることも多い、重要な部分です。文化の違いってどちらかに合わせることが無理なんですよね。でも合わせることはできなくても、理解することはできると思うんです。相手は変われない、私も変われない、でもそれを受け入れられるようになれば、うまくやっていけるのではないかと。
文化の違いに限らず、人は相手が自分のことを理解してほしいと期待するからイライラしてしまうんです。育ってきた環境が異なるのだから違うことは仕方がない、だから受け入れようと思えばイライラしない……やっとそう思えるようになりましたね。
そのままを受け入れると感謝もできるようになります。小さなこと、例えば色物をぐちゃぐちゃに洗濯して白い下着が灰色になっても、やってくれたことに感謝できるんです。
国際結婚でもそうでなくても、完璧に合う人間はいません。言い方は悪いですが妥協も必要。でもいざというときには絶対自分を助けてくれる、自分の味方でいてくれるという信頼があれば良いのではないでしょうか。
よく話すことで、夫婦の未来を作りたい
一番下の子が11歳になり子育てに少し余裕が出てきたらから、結婚26年目にしてやーっと最近夫婦での時間を取れるようになりました。子どもたちが大きくなれば、そういう時間がもっと増えるのかもしれません。最近の夫婦での日課は散歩。歩いている間はたくさん話ができるので、今後のことなどをよく話すようになりました。まだちょっと先ですが、これからふたりでやりたいことなどを話し合えればいいなと思います。
撮影/みほさん 取材/酒井明子