この歳でシングルだと、社会の枠の中でどう見られるか?少しプレッシャーは感じていたけれど、40代になって、やっと素の自分を楽しめるようになってきた。馬場典子さん×大島由香里さん、女子アナふたりによる女子トークをお届け!
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40代シングルふたり「ホンネの話」
<右>Noriko Baba
1974年東京生まれ。日本テレビでは局を代表する数々の番組を担当し、’14年よりフリーアナウンサーに。テレビ、ラジオ、インターネット番組、執筆、イベント司会、大学教授など幅広く活動中。
<左>Yukari Oshima
1984年神奈川生まれ。フジテレビ入社後、主に報道番組を担当し、’17年フリーに転身。現在はテレビ、ラジオなど幅広く活躍中。写真集『モノローグ』は4度の重版を記録し、YouTubeチャンネル「大島由香里に乾杯!」も人気。
◇ どの道もすべて、自分が選んだ道だよね
馬場
YouTube観てるよ! 楽しんでいるのが伝わる。
大島
YouTubeを始めた時は少し自棄になっていたのかもしれないです。報道のお堅さに加えて人見知りもあって、近寄りがたいイメージが先行してて。なんとかして自分の殻を破りたいと思っていたんです。
馬場
わかる。私も初対面では怖い人のように思われることも。
大島
でも40代近くになって、そういうものが受け入れられるようになってきたんです。ネガティブが怖くなくなった! やりたいことをやって、万人ウケも狙わなくていいやって。YouTubeで〈こんな人なの?〉って思ってもらえたおかげで、幅も広がったように思います。
馬場
30代を頑張ってきたから言えることだよ、大島さん! 私は会社を辞めたのが40歳の頃。〝おのれを知った〟という感じ。等身大の自分がやっと受け入れられるようになったのよ。
大島
馬場さんが女子アナ界に残した功績はすごいです。結婚するのが当たり前という価値観の中で生きてましたから、結婚しないという選択肢が頭になかった。周りにどう見られるのかを気にしてましたもん。
馬場
適齢期になった時に「結婚→出産→異動」というルートを目の当たりにしてきて、大好きな仕事が終わるのが怖かったの。今があるのは結果論でしかない…。結婚しなかったことに後悔はない。けれど、子どもを産まなかったことに後悔がないと言ったら嘘になるかなぁ。
大島
別の選択をしたら、どんな人生になっていたか? 考えますよね。私もシングルマザーになったのは結果論ですもん。
馬場
でもマルがつかなきゃバツはつかないし、これまでの人生の中で、2度もそんなに大きな決断をしているのは尊敬する。
大島
自分の選択に全く後悔はないのですが、どの道に進んでも不安はあるのだと思います。不器用なので、すぐに余裕がなくなるし…。私はシングルタスクになりがちだから〈自分の人生を楽しもう!〉って積極的に思わないと、子どものことばかりになっちゃう。だから仕事で〝大島〟を求めてもらえる時間がありがたいし、最近は仕事が早く終わった時に、子どもを母に任せたまま、ひとりで一杯だけ飲んで帰るんです。それも「ま、いいか」と許せるようになりました。自分に100%戻れる時間があると心に余裕が生まれるんですよね。
◇ 先のことを考えすぎず、今を楽しまないと!
馬場
お母さんだからこそ必要な時間かも。「元子ども」から見ても、楽しそうなお母さんのほうが嬉しい。あとね、ひとりで何も考えない時間も大事だよね。
大島
〈何かしなきゃいけない〉から離れる時間。
馬場
自由でいいと思う。ほら私、法螺貝やってるじゃない?山に登って、気持ちのいい自然の中で立てるのだけど、周りからは「風が…、パワースポットが…」とか言われるけれど、私だけ何も感じないのよ(笑)。
大島
「法螺貝やってるじゃない?」って言う人、なかなかいないけど(笑)。そのマイペースさもアラフォーならではですね。そうありたい。私、先のことを考えると暗黒に陥る時があるんです。教育資金や先々を考えると不安しかなくて…。そんな時、TVの占い番組で、「先のことを考えすぎて今をおろそかにしている」と言われ、ハッとしました。不安な顔してると子どもも不安になっちゃう。「今一緒にいることを大事に」という言葉に〈そのとおりだ〉と!
馬場
案ずるより産むがやすし! 先のことはあまり考えすぎないほうがいいよね。まあ私は自分ひとりだけだからかな、なんとでもなると思っちゃう。
大島
マイナスに考えても、確かにあまりそのとおりになったことはないんですよ。
馬場
お金に関しては、私は老後も自力でやらないといけないから、まだ元気なうちに先送りしておこうと思って、NISAを始めた。いざという時のために遣うお金と、ほったらかしにして大丈夫なお金を別々にして2つの口座を作っておくのもオススメ。
大島
そうですよね。余力があったらそうしたい。先々のお金は心配なのですが、それこそ今が大切だって思って、私は遣うことに決めました。夏休みに母子2人でヨーロッパ3カ国に行ってきたんです。子どもにお金はたくさん残せないけど、そのぶん教育や経験を残してあげたくて…。円安だけど、今しかできないことをしよう! と少しでも休みがあったら子どもを海外に連れて行くことにしました。そのために働いてるくらいです。
馬場
海外いいねー! いい経験。コロナ感染症以来、行きたい場所に行けない悔しさも味わったからね。思った時に行動するって大事。あと、海外だと人がフランクだからか人見知りもしない。人の目も気にならないし、英語は得意ではないけれど、いつか海外に住んでみたいな。
大島
どこででも稼げたら日本にはいないかも…。住所不定の〝女・寅さん〟に憧れます。理想は子どもも海外に出したくて。そのために子ども自身にも〈海外はいい〉と思ってもらえたら。
馬場
フットワークが軽い人でいたい。歳を重ねると体は不便になってくるけれど、気持ちはどんどん楽になってくる。体調面で日常生活に支障が出てきた時でも、心は自由でいられるか? は課題だけど。
馬場さん:ジャケット¥176,000 シャツ¥44,000 スカート¥55,000(すべてデパリエ/デパリエ 伊勢丹新宿店)パンプス¥31,900(ツル バイ マリコ オイカワ)ネックレス¥478,500〈ウノアエレ〉ピアス¥17,600〈ワンエーアールバイウノアエレ〉(ともにウノアエレ ジャパン)大島さん:ジレ¥42,900(St.cecilia/girlish)ニット¥25,300パンツ¥40,700(ともにソブ/フィルム)ブーツ¥37,400(ツル バイ マリコ オイカワ)ピアス[片耳価格]¥21,120 ゴールドリング¥35,640(ともにノムグ)ネックレス¥34,100(エトワライト)ブレスレット¥53,900 アメジストリング¥16,500 レモンクォーツリング¥13,200(すべてサリーズジュエリー)
撮影/平井敬治 ヘア・メーク/森 ユキオ〈馬場さん〉、陶山恵実〈大島さん〉(ともにROI)スタイリスト/乾 千恵〈馬場さん〉、山本有紀〈大島さん〉 取材/竹永久美子 撮影協力/EAT PLAY WORKS