少子化時代と言われて久しい今日。そんな中で、たくさんの子どもたちに囲まれて、元気に楽しく大家族を切り盛りしている母がいます。苦労も大変さもありながら、家族も自分も大切に生きる彼女たちの、ライフスタイルや心の持ち方について取材してきました。
白城あやかさん 56歳・東京都在住
元宝塚歌劇団星組トップ娘役
子どもの〝やりたい〟を応援しつつ、
自分の〝やりたい〟も大切にする
自分の〝やりたい〟も大切にする
30歳でタレントの中山秀征さんと結婚した白城あやかさん。お二人には、現在24歳、20歳、18歳、16歳の4人の息子さんがいます。子どもたちはお互いに仲良しだそう。
「4人だから大変ということはなく、子どもたち同士で遊んでくれるので、幼少期はむしろ楽でした」と話します。
子育ての方針は、夫婦でよく話をしているとのこと。「私も夫も、やりたい道に進み、憧れの世界で過ごすことができました。辛いときには、泣きながら親に電話したこともあります。このとき親に話を聴いてもらえるだけで前を向くことができました。だから私たちも、子どもたちの一番の応援者でありたいし、辛いときには思い出してもらえる存在でありたいと思っています」。
とはいえ、母親として未熟だった時期もあると振り返ります。「長男には、〝育児のあるべき論〟を押し付けてしまいました。例えば、泣きじゃくっていても、おしゃぶりを与えてはいけないと、ただあやすだけでした。でも次男が生まれたら、そうも言っていられなくて…。おしゃぶりを与えたら、泣き止むんです。すると私も気持ちも軽くなりました。厳しく育てることが子どものためと思いましたが、そうではなかったんですね」。
育児で大変だった時期は、長男が高校に進学後でした。「野球部に入部した長男は、早朝練習と放課後練習に没頭していました。私は、早朝練習に間に合わせるために駅まで送り、夜11時に長男が帰宅後、ドロドロになったウェアを洗濯し、翌日お弁当を作って、また送り出す日々でした。当時は、朝晩合わせて13合のお米を炊き、4人分のお弁当をつくり、洗濯機は4〜5回まわしていました。次男も、長男と同じ学校の野球部に入部したので、この生活が7年間続きました」。
大変だったけれど、この過程で得られることも多かったと話します。「この生活は、同級生の親も同じです。保護者との結束は自ずと強くなりました。長男も次男も高校を卒業しましたが、今でも繋がっています。先日、夫の昭和歌謡ライブにも、みなさん来てくださいました。プチ同窓会のようで嬉しかったですね」。
そして現在、三男と四男が海外留学をしたことで、白城さんの生活が一変したそうです。お米を炊く量は3合になりましたし、自分の時間を持てるようになりました。その空いた時間で、ガラス工芸に打ち込んでいるそうです。
「宝塚の後輩のお母様の勧めで、サンドブラストというガラス工芸に出合いました。デッサンから製作まで行う過程が楽しいですし、展覧会に出品した作品を買ってくださる方がいて嬉しいですね。夫も『打ち込めることができて良かったね』と言ってくれています」。今年は夫の故郷の群馬で、展覧会を行うことが楽しみだと話してくれました。
息子が4人!
撮影/BOCO 取材/髙谷麻夕 ※情報は2024年3号掲載時のものです。