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戸田恵子さん「50歳になった時に、40代の過ごし方が活かされているなと感じたんです」

舞台と声優の仕事をメインにしてきた戸田さんが、テレビドラマでも活躍するようになったのは40代から。母の介護も重なって多忙を極めた40代の経験は、その後にどう繋がっているのでしょう? インタビュー後編では、50代以降を振り返ります。

▼前編はこちら
戸田恵子さん「仕事が忙しくなってきた45歳で母の介護が加わり、目まぐるしい日々でした」

【INDEX】 50歳を機に始めたボランティア活動
恩人からの還暦祝い
66歳で挑む“ご褒美”のようなN.Y.公演
40代の過ごし方が50代以降に活きてくる

50歳を機に始めたボランティア活動

「40代の頃は忙しすぎてわからなかったんですが、50歳になった時に、40代の過ごし方が活かされているなと感じたんです。目まぐるしい毎日ではあったけど、一つひとつのことに集中して、頑張ってやってきて本当によかったなって。いわゆる芸能界って、印象に残る仕事をしないと次に繋がらない世界で、しかも、どこで評価していただいているのかがわかりにくい。そんな中で、同じ監督にまた呼んでもらえたりすると、“前の仕事でOKラインを出せたのかな、よかった”って、本当にありがたい気持ちになります。一つひとつのことを丁寧に一生懸命やる。自分にはやっぱりそれしかないと改めて感じました」

そんな40代の日々は、戸田さんのキャパシティも広げたようです。50歳になって時間に少し余裕ができたと感じた戸田さんは、ボランティア活動を始めました。

「40代の頃はもういっぱいいっぱいで、そんなことを考える余裕もありませんでした。でも、50歳を前に母が亡くなって、心にぽっかり穴が開いたような状態になった時、今なら時間と使えるお金が少しあるなと思って、ボランティアを二つ始めたんです。一つは、キネコ国際映画祭という子どものための映画祭の支援。もう一つは、LOVE JUNX(ラブジャンクス)というダウン症のある子どもたちのためのエンターテインメントスクールの応援で、私がプロデュースしているブランドの収益の一部を充てたり、オリジナルグッズを作ってプレゼントしたりしています。発表会が年に1回あるんですけど、ダンスだけじゃなく、お芝居にも取り組んでいて、観に行くと毎回こっちが元気をもらうんですよ。一般の方にも目を向けてもらえたらなと思っています」

その二つのボランティア活動は今も継続中です

「本当に地味な活動ではあるんですけど、ご縁があったところを自分にできる範囲でずっと応援させてもらっています。私は、“続ける”ということに関しては、わりと真面目というか、ご縁みたいなものを大切にしているほうかもしれないです。お店にしても、結構長く通っているところばかりで。そういうところは堅実なのかな。もっといい店があるかも……と思うこともあるけど、何かこう申し訳ない気がして、やっぱり同じ店に行ってしまうんですよね(笑)」

恩人からの還暦祝い

現在、66歳の戸田さん。2018年には還暦を記念した歌と芝居のショー「Keiko Toda 60years Anniversary」を開催しました。その際に上演したのが、三谷幸喜さんが戸田さんの生誕60周年記念作品として作・演出した一人芝居『虹のかけら ~もうひとりのジュディ』です。

「アニバーサリーには、いつもコンサートをやってきたんですけど、60歳の時は芝居で皆さんに還元したいなと思って三谷さんにお願いしたら、快諾してくださったんです。それで、ある一人の人物を歌を織り交ぜながら描くようなものはどうですか? 江利チエミさんのように、歌のジャンルが幅広い日本人の歌手がいいですかね、なんて話をしていたら、『チョイスは僕に任せてもらっていいですか』と三谷さんがおっしゃって、『戸田さんにいいと思って、ジュディ・ガーランドにしました』と。しかも付き人の目から見たジュディの人生を描きたいとおっしゃるので、まいりました!さすがです!という感じでした。ただ、脚本が書き上がったのは公演初日の6日前くらいだったかな(笑)。さすがに初演はパニックで、四苦八苦しながら頑張りました。ありがたいことに翌年再演で全国をまわれたので、そこで作り上げた感じです」

「そんな『虹のかけら ~もうひとりのジュディ』の5年ぶりのツアーが、5月末からスタートします。なんと6月にはニューヨーク公演、それも、あのカーネギーホールの小ホール(Wiell Recital Hall)での上演が控えています。

「『虹のかけら』を観てくださったカーネギーホールに関係している日本人の方が『カーネギーでどうですか?』とおっしゃったのを、私がプロデューサーに話したら、それは是非実現しましょうということになって。ただ、その後コロナで3年くらい経ってしまったので、きっと立ち消えになってしまったんだろうなと思っていました。そしたら『そろそろ、どうですか?』と言われて、『えっ、あの話、生きていたんですか!?』と。そこからバタバタっと決まっていったので、まだフワフワと夢の中にいるみたいな気持ちがあります」

66歳で挑む“ご褒美”のようなN.Y.公演

実は戸田さんの趣味は「ブロードウェイでお芝居を観ること」。20代で初めてニューヨークを訪れて以降、「もう40年以上、毎年1回ないしは3回ぐらい行っている」そうです。

「そんな私が大好きなニューヨークで公演ができる。しかも、いつもふらっと前を通っていたカーネギーホールというビッグネームな場所でやれるなんて、これはもう長いこと頑張ってやってきた私への“ご褒美”だなと思ってます。カーネギーホールは小ホールも大ホールも楽屋口は同じなんですよ。現地へ行って見せてもらったんですが、楽屋口にジュディ・ガーランドの写真が飾ってあって感激しました。前回の再演から5年経つので体力的な心配はあるし、きっといろんなトラブルもあるとは思うんですが、素敵なご褒美を気負わず楽しんでこようと思います。せっかく面倒な書類やら何やらをクリアして、アーティストビザを取っていくわけですから、このビザがある間にもう1回、ニューヨークで何かしたいなと思っている私もいるんですよ(笑)。カーネギーホールは契約が大変なんですが、普通のライブハウスならもっと簡単に出られるという話を聞いたので、夢はいろいろ膨らみますね(笑)」

40代の過ごし方が50代以降に活きてくる

新しいことを始めるのに年齢は関係ない――新たな夢を溌溂と語る戸田さんは、そんなことを改めて感じさせてくれます。最後にSTORY読者にメッセージをいただきました。

「40代って、若くはないけど、年寄りでもない。やろうと思えば、結構なんでもできちゃう年代だと思うんですよ。でも、やれないことを無理してやることはない。私はそう思って過ごしてきました。その代わり、やれることはフルに頑張ってみる。きっと50代になった時に、そのフルに頑張ってきたことが活きてくると思います。その時はわからなくても、頑張ったことは何かしら身になって次に繋がっていくんですよね。だから、いつの年代も一つひとつのことを大事にして丁寧に生きる。私もそういう生き方ができたらなと思っています」

『虹のかけら ~もうひとりのジュディ』

専属代役兼付き人の“もう一人のジュディ”の目を通して愛憎と名曲たっぷりに描かれる、米国のミュージカルスター、ジュディ・ガーランドの数奇な人生。構成・演出/三谷幸喜 音楽監督/荻野清子 振付・ステージング/本間憲一 出演/戸田恵子 演奏/荻野清子(ピアノ)、BUN Imai(ドラム)、鈴木陽子(ベース)
2024年5月31日~6月6日/銀座博品館劇場 7月14日・15日/有楽町よみうりホール ニューヨーク公演(6月25日・27日/Weill Recital Hall at Carnegie Hall)のほか、地方公演もあり。
https://nijinokakera.jp/

戸田恵子/とだけいこ 1957年9月12日、愛知県生まれ。NHK名古屋放送児童劇団に小学5年生から在籍し、『中学生群像』(『中学生日記』の前身)で女優デビュー。77年に劇団薔薇座へ入団。79年に『機動戦士ガンダム』のマチルダ・アジャン役で声優として本格始動する一方、薔薇座の看板女優として89年の退団まで活躍し、同年の舞台『渾・身・愛』で紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。97年以降は映像作品にも活動の場を広げ、97年の映画『ラジオの時間』で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。また05年の舞台『歌わせたい男たち』で読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞するなど、幅広いジャンルで多彩に活躍している。

衣装/¥93.500ステファニア カレラ/三喜商事
撮影/源賀津己 ヘアメイク/相場広美(MARVEE) スタイリスト/江島モモ 構成・取材/岡﨑 香

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