コロナ禍での「ランチは4人以下の少人数で……」そんな暗黙の制約もなくなり、誰とでも自由に会えるようになった今、復活した交友関係に傷ついたり、とまどったり……。“会う”ことの特別感を知った今だからこそ、真っ向から「女友だちって何――?」を専門家に伺いました。
コロナ禍明けの今、旧友が恋しくなる理由
○ 世代・トレンド評論家 牛窪 恵さん教えて!
コロナ禍が明けて世の中が落ち着き、心の余裕も出てきた今、自分が本当に会いたいのは誰だろう?と、多くの方が考えるようになりました。そんな時ふと思い出すのが、「心のお守り」のような旧友の存在、という声をよく聞きます。
STORY読者は、就職氷河期など、不況の時に青春時代を過ごした「ロスジェネ世代」に当てはまる方が多いと思いますが、その頃の友達は、苦しい時を共に戦い、心の内側まで共有した、いわば戦友です。30代になっても、女性は育児や結婚などで自分の時間やキャリアを犠牲にするなど、生き方を制限されてきた方も多いと思います。コロナで家族中心の生活を極めた自身を振り返り、「私って何?」とアイデンティティを問う時、素の自分を知る旧友を思い出すこともあるでしょう。
加えて、2012年頃から急速に普及したSNSにより、お互いの近況を簡単に知ることができ、旧友を身近に感じられるようになりました。10年前は同窓会ともなると、「最近どう?」「お子さんはいくつ?」から始まりましたが、その必要がないのも、時代の変化でしょう。
旧友との友情復活は、本来の自分を取り戻し、アイデンティティを確認することに繋がります。そして、改めてお互いを刺激し合う場ができれば、今後の生き方もアップデートできるでしょう。
40代女性にとって、母でも妻でもない、その場所が新しいサードプレイスとなるはずです。
参考になる作品
取材/佐藤奈保子、香取紗英子、山本亜矢 ※情報は2024年3月号掲載時のものです。