不機嫌ハラスメント「フキハラ」は伝染する! 専門家の方に詳しく解説してもらました。
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知らず知らずにストレスに…不機嫌ハラスメント「フキハラ」って?
「フキハラ」って?
早めに手を打たないとパンデミックに
教えてくれたのは…慶應義塾大学理工学部・ 医学部精神神経科学教室兼担教授 満倉靖恵先生
「不機嫌な人がいると、なんだか自分まで気分が悪くなる。場の空気が悪くなる」。
そんなふうにこれまで肌で感じていた現象を、約20年の年月をかけて、最近、科学的に証明することができました。心の状態は脳波にあらわれます。そして、身近な人の脳波から発せられる信号によって、私たちはそれを感じ取っているのです。
また、脳波研究が導き出したのは、脳は〝ストレス〟や〝嫌い〟というネガティブな感情に敏感であること。さらには、近くにいる人と脳波のパターンがだんだん似てくることもわかってきました。つまり、不機嫌な人の傍らにいると自身にまで不機嫌が伝染するのです。だから、一人の不機嫌が、家族や会社組織へと伝染し、ついにはパンデミックが起こるのです。
世界初リアルタイムで感情を計測できる装置「感性アナライザ」。
2人の学生のストレス度が同調する脳波実験データのグラフ。
どう対処したらいい?
① 10分クールダウンの法則
脳は集中することが苦手で、集中力をそれなりに維持できるのは10分程度であるという実験結果があります。10分以上怒り続けることはエネルギーも消費し、しんどいはず。脳科学的に10分間そっとしておけば、人はクールダウンされます。10分待てば人は変わる、イライラや怒りは収まると思って時間稼ぎをしましょう。
② 太陽光を入れる
太陽の光に含まれるバイオレットライトには、OPN5(非視覚光受容体)を活性化させる作用があります。すると副交感神経が優位になり、心の状態が落ち着きます。実は、太陽光はメンタルに大きな影響を及ぼすのです。だから、子ども部屋やリビングは自然光が注ぐ窓があることが、家庭円満の秘訣にも。最近普及するガラスは、バイオレットライトを通さないものも多いため、時には窓を開け光と風を部屋に入れましょう。
③ 心の状態をよくする食物の効果を利用する
ポリフェノール
赤ワインやカカオなどに含まれるポリフェノールは、強い抗酸化作用のほかに血圧の上昇を防ぐ効果や、ストレスを軽減する効果が期待できます。
アミノ酸
取材/東 理恵、香取紗英子 ※情報は2024年4月号掲載時のものです。