移住や二拠点生活に憧れや興味があっても、いざ生活を変えるとなると躊躇し、なかなか踏み出せないものです。今月は新しい土地に根付き、自分にとって大切なことを見つけた方々の移住LIFEを取材。心地よい居場所で、輝く笑顔とともに、自分らしく生きる姿が見られました。
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移住先だからこそ見極めることができた
「本当に必要なもの」と
自分のライフワーク
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千葉県木更津市で、犬と猫に囲まれて暮らしている小野真弓さん。コロナ禍前に東京から移住して5年が経ちます。「オフの日は犬を連れて東京から郊外に出かけていたのですが、犬がイキイキと楽しそうで。休みのたびに郊外に行くのではなく、郊外に住み、仕事で東京に通うのはどうだろうと考えたんです」。
移住先はなんとなく自分に合っているという木更津を選びました。とはいえ、周りに知人はおらず、子どもと住むファミリー層や、代々その土地に住んでいる人たちが多く、単身の小野さんはいわば〝よそもの〟です。
そんな小野さんが住民と馴染むきっかけになったのも、動物でした。「トリマーの資格を取得してボランティアをしていたんです。そのことを知っていた近所の主婦の方から、近くに捨て猫がいるからと声をかけられ、猫を保護しました」。
その保護をきっかけに地元の方と一緒に地域猫活動を立ち上げることになりました。地域猫活動とは、「飼い主のいない猫」として放置するのではなく、猫の嫌いな人にも、ある程度許容してもらえる「地域猫」として一定の管理をして見守っていこう、将来的には飼い主のいない猫を減らしていこう、という考えのもとに活動しています。「この地域にはどんな猫が住んでいるのかリストを作り、不妊手術をしたり、時には自宅で保護して、里親を探すこともあります」。
また、保護活動を通じて地元の方との交流も増えました。「東京にいたら出会うことがなかった人たちと交流することができて、改めて学ぶことが多いんです。いろいろな人の生き様に触れることができて、新しい世界が広がりました」。
東京に不満はなかったけれど、木更津での生活のほうがしっくりくるという小野さん。「東京にいるときは、いつでも誰にでも会えるし、周りになんでもありすぎて、一日中何かしてないといけないという気持ちになっていました。でも木更津に住んでみると、本当に必要なものやほしいものなら遠くても行くし、厳選して自分に必要なものを見極められる気がします」。
そう話す小野さんですが、友人からも楽しそうでいいねと言われることが増え、実際に木更津に引っ越してきた友人もいるそう。これから先の生活についてこう話します。「保護活動があることで、いろいろなことに執着しなくなりました。それもあって、この先の住まいや生活のことも計画はしていません。動物のために引っ越してきましたが、私が毎日をこんなに楽しく過ごせているのは、間違いなくここで出合ったライフワークのおかげなんです」。
撮影/BOCO 取材/星 花絵 ※情報は2024年5月号掲載時のものです。