パートナーとの関係性、加齢や更年期による心と体の変化…40代女性が抱える「このままでいいのかな?」な性のお悩みを、ラブライフアドバイザー®️ OliviAさんが解決に導いてくれる新連載「性のお悩み相談室」がスタート!この連載では、なかなか人には話せない性のお悩みがアドバイスでどう変化したのか? STORY世代の女性たちの体験談をお伝えしていきます。
今回は、様々な相談者の中でも悩む人が多いセックスレスについて、その前段の内容を連載Vol.0としてお届け。今年30年ぶりに改訂された「セックスレスの新定義」や、セックスレスへの基本的な向き合い方を、OliviAさんに教えていただきました。
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★ “人肌を感じたい”…これって、人間の根本にあるもの
★ 「そろそろ危ないかも?」気づいたときがチャンス!
★ レス解消に「察して!」は通用しない
★ スモールステップで負担なく関係を再構築
まずは…セックスレスとはなんぞや?から
2024年、日本のセックスレスの定義が変わった
これまでの「セックスレス」の定義は、日本性科学会が1994年に定めた“決まった性的パートナーがいて、単身赴任や入院などの特殊な事情が認められないにもかかわらず、カップルの合意した性交(腟性交)、あるいはセクシュアル・コンタクトが1ヶ月以上なく、その後も長期にわたることが予想される場合”でした。
2024年6月に開催された同学会のセックス・カウンセリング研修会で、その定義が30年ぶりに改訂され、より性的なスキンシップも重視される内容に。ここでいうセクシュアル・コンタクトとは、挿入を伴うセックスだけでなく、裸で抱き合って寝ること、キスならディープキス、また前戯での愛撫などのオーラルセックスも含まれ、当人同士がセックスと考えている性行為全般を指します。
イチャイチャ(セクシュアル・コンタクト)はありつつも、挿入などはないカップルもいますし、男性のEDや腟挿入時に中折れしてしまうことでレスになっているカップルもいます。腟への挿入や射精ありきでセックスを捉えなくても良いと思うと、セックスレスへの気持ちが少し軽くなりますよね。
セクシュアル・コンタクトがあるカップルなら、セックスレスではないと捉えられます。
“人肌を感じたい”…これって、人間の根本にあるもの
性生活が良好で充実していることは人生のQOLにも関与するともいえます。性行為は人間のコミュニケーションと愛情表現の根本的なもの。
高齢者の性を調査研究している方や介護現場のお話を伺うと、介護施設でも親密になりたい異性の入居者同士、最終的に残るのは性的な欲求なのだそうです。施設内でカップルも誕生しますし、身体的に具体的な性行為は難しいこともありますが、人の肌の温もりを感じたい、愛情を感じたいから同じベッドで寝るというエピソードも。
いま仕事や子育てで忙しい、他にたくさんやることがあってストレスを感じていると、“そこ”に気づかないかもしれませんが、後期高齢者になって改めて、人間としてのベースにある欲求が顕著になってくるのかもしれません。性行為を通して、親密な関係を築いていくのは、人間の根源的な欲求を肯定していくことなのではないかと思うのです。
「そろそろ危ないかも?」気づいたときがチャンス!
セックスレスを定義された精神科医の阿部輝夫先生は、診察した患者を調査・分析した結果、1ヶ月に1回でも性的行為に近しい行為があれば、その行為が継続的になる場合が多いものの、そうでなければ、レス期間がより長期化する可能性が高いということで、セックスレスの分岐点となる頻度を「1ヵ月」と定めたそうです。(「セックスレス・カウンセリング」阿部輝夫著 参照)
特に女性は、男性ホルモンのテストステロン由来の内側からムラムラくるような性的欲求が多くないので、定期的に外側から(優しく愛情表現されるなど)の、意識的な性的刺激がないと性欲が減退してくるといわれています。
レスのまま、1ヵ月が過ぎ、2ヵ月、3ヵ月…(まぁ、別にいいか)と見ないふりをして、気付けば2年、3年、10年……。パートナーと触れ合うことなくセックスレスになると、その解消にはレス期間以上の時間がかかってしまうことも。
「そろそろ、レスかも?」と思ったときに行動に移すことが大切です。
レス解消に「察して!」は通用しない
残念ながら何年連れ添った夫婦といえども、以心伝心というものは存在しません。文句を言わない=現状維持でOKと思われますし、セックスしたいと言われなければ「うちの妻は性欲薄いからしなくていいんだな」なんて思っている場合も。
もし、レスへの危機感を抱いていて、コミュニケーションが図れるパートナーであれば、「スキンシップが少なくなっていることをどう思っている?」と聞いてみるのが一番。
服を脱ぐ行為に抵抗感があるならば、パジャマのまま抱き合ってみたり、簡単なところでは、“手を繋ぐ”が一番抵抗感のないスキンシップかもしれません。
スモールステップで負担なく関係を再構築
そもそもコミュニケーションをとるのにも困難が伴う場合、いきなりセックス!というのは難しいでしょう。私は、相談者に説明するとき、動物心理学者・デズモンドモリスの親密さの12段階を引用しています。
日本は特にセックスが男性主導でもあり、夫が妻に対して“家族になってしまった”などの感覚で、男性がやる気にならないとステップが進みません。まずはステップ1、お互いを性的な存在としてみられる工夫からスタートすることをお勧めしています。
性的な相手として、目を合わせ、会話ができてから、スキンシップへ。スモールステップで、お互いに負担がないよう、関係を再構築していくことが大切です。
そして、具体的なレス解消法は、次回のVol.1より、お悩み相談とともにお話させていただきます。
▼セックスレス相談Vol.1はこちら
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OliviAさんプロフィール
2007年より性生活の総合アドバイザーとして活動。カウンセリング・講座で「コミュニケーションを重視した性生活」の提案を行っている。近著『セックスが本当に気持ち良くなるLOVEもみ』(日本文芸社)他多数。
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