裏渋谷通りに面した小さなビルの3階、扉を開けると現れるのは、半円形カウンター8席のみのハイセンスで落ち着いた空間。フィレンツェ出身のコッキ・ヴィットリオさんと妻の恵子さんが営む“知る人ぞ知る”小さなイタリア料理店「COCCHI(コッキ)」です。
料理人歴40年、万を持して「COCCHI」をオープン
1996年に「エノテーカ・ピンキオーリ」東京店の出店の際に来日し、その後も「リヴァ デリ エトゥルスキ」はじめ国内外の名店でシェフを務めてきたヴィットリオさん。40年になる料理人歴の集大成として、自分らしいイタリア料理でゲストをもてなす「COCCHI」を大好きな東京の街にオープン。ヴィットリオさんが料理を、恵子さんがデザートとサーブを担当します。
居心地のよさを追求した店内
半円形のカウンターにはシェフズカウンターのような特別感が漂うと同時に、店内に散りばめられたハイセンスな調度品やアート、花々が、まるでコッキ夫妻宅に招かれたような温かでくつろいだ気分にしてくれます。
8席の半円形カウンターは、ゲストの顔が見えながらもそれぞれのプラベート空間は保たれ、ふと顔を上げると眺められるシェフの料理風景に心躍り、横並びで食事をする心地よい距離感に会話も弾むはずです。
見た目も美しいコース料理で素材の旨みを堪能
お料理は、10〜12皿のおまかせのコースのみ。日本の旬の素材を使い、シェフが考えるイタリア料理に仕上げられた繊細で美しい一皿一皿は、味わいや食感、色彩のバランスが絶妙で、素材の旨みをしっかりと感じられるはず。
サマーポルチーニを、ローストした鴨で包み、りんごと蜂蜜のソースで味わいます。上にあしらったマッシュルームのオイル漬け、クレソン、シソ、りんごのチップスがアクセント。
料理は7月、9月(パスタ、デザート)のコース¥19,800/サ別 より ※食材は季節で変わります。
手打ちパスタのキタッラは断面が四角いため噛みごたえがありユニークな食感に。甘みの強い黄色トマトのソースに赤いトマトパウダーで酸味と赤の色彩を、オレガノパウダーで香りをプラス。
グリルしたサーロインには味噌仕立てのソース、オリーブのペースト、伏見唐辛子、春菊を添えて。アンディーブのオーブン焼きはグリーンペッパーのソースでいただきます。
アニス、グローブ、シナモン、バニラを使ったイチジクのコンポートの中には抹茶のケーキと少量のクリームチーズを入れたカスタードが隠れています。メレンゲをのせてバラのジャムと花を添えた華やかなデザート。
洗練された料理は華やかですが実はとてもシンプル。職人気質のシェフとマダムのさりげなく温かなもてなしも含め、訪れた季節とともに記憶に残る特別な時間を過ごすことができる料理店です。ゆっくりとコースで味わってみてはいかがでしょう。
COCCHI
東京都渋谷区神泉町12-4 3F
070-3322-8808
不定休
ランチ/12:00〜15:00、ディナー/19:00〜23:00、日・祝日18:00〜21:00(すべて一斉スタート)
ともにコースのみ ランチ¥11,000、ディナー¥19,800(ともにサービス料別)
ワインペアリング、ノンアルコールペアリングあり
ランチ・ディナーともに5人以上で貸し切り可
撮影/よねくらりょう 取材/齊藤素子